108 / 145
やっとこさ本編
今何つった?……
しおりを挟む
それから二日経って水曜日になり、いよいよ体調も普段通りに戻って明日から学校に行ける事になった。兄貴も午前中のうちに新潟に戻り、今は一人で明日の支度をちまちまとしてるところだ。
誠の方も今朝ようやく熱が下がって明日から学校に行く予定だそうだ、誕生日当日隼人に飛び出す絵本をプレゼントされて浮かれまくってたけどな。相変わらずちゃっかりしてやがるよアイツ、抜け目無ぇと言うか何と言うか。
俺焦って波那ちゃんにプレゼントの話題振ったら『当日に引き取りに行ける様手配しておいたよ』との事、ホント頼りになる“お母さん”だ。『隼人君土曜日のパーティーに参加出来ないんだから仕方無いでしょ?』と笑われた。う~ん、隼人はそこらの奴らより頭回るし、誠の事かなり熟知してるから油断も隙もあったもんじゃねぇんだよな、ある意味輝より恐ろしい……。
それでも俺は隼人の事嫌いじゃない。アイツは他人を思いやれる優しい奴だし、普段悪態ばっか吐いてる(俺限定)けど言動にトゲは全く感じない。最近は勉強教えろとか鉄棒教えろとかがほとんどだけど何故か泣き言があると俺の所に来る。うん、可愛いとこあるんだよ、たま~にしか見せないけどそれは内緒にしといてやる。
……なんて考えてるとケータイがブルブルと震え出す。誰だ?と思って画面をチェックすると光畑だった。俺に何の用だ?さっぱり分からん……取り敢えず出るか。
「はい」
『畠中ん家寄っていいか?ちょっと話したくて』
「あぁ、待ってればいいのか?」
うん。光畑はそれだけの用事で通話を切ったが……声が神妙過ぎてちょっと緊張するぞ……それよりアイツ犬は平気なんだろうか?聞くの忘れてたわ。
それからほんの数分後に光畑が家に来た。今俺の部屋で小ちゃいテーブルを挟んで向かい合わせに座ってる。因みに麦茶と兄貴が持って来てた地域限定のスナック菓子でもてなしてる状態なのだが、さっきから取り留めの無い話題ばかりで本題に辿り着かない。
「そういや話って何だ?」
痺れを切らして(と言うほど苛ついてた訳じゃねぇけど)俺の方から話を切り出すと、光畑は俺の顔を見てうん、と頷いた。
「実は輝昨日から体調悪くて学校休んでんだ。小田原君から何か聞いてないかと思って……」
「俺に聞くより本人に聞いた方が良いんじゃねぇのか?」
「そうしたいんだけど普段と様子が違ってて……彼なら何か知ってると思ったんだ」
「いや、『楽しかった』としか聞いてない」
そう……口ではそう言ってても納得してる顔つきじゃない、まぁ『恋じゃなかった』とも言ってたけど、誠自身も体調悪くて学校休んでるし今の時点で輝と連絡を取り合ってるとは思えない。
「偶然だと思うけど誠も今体調崩して学校休んでんだわ」
「そうなのか?でも何でそんな事知ってんだ?」
「何で?って一昨日メールしたから」
「そっか……小田原君と畠中ってひょっとしてひょっとする?」
「へっ!?」
「いやさ、前に一応否定はしてたけど鵜呑みにしてる訳じゃないから。実際のところ好き同士だったりするんじゃないかと思って」
前その話題になった時は確かに何も無かった……輝より先に話すのも気が引けるがここで隠すのも後味悪いな、ただどう答えていいものか。
「……」
「それは肯定って事でいいのか?なら俺には好都合だよ」
光畑はこれまでに見せた事の無い“男”の表情を見せてきた。コイツ柔和な奴だと思ってたけどこういう顔する時もあるんだな、正直ちょっと驚いた。
「好都合って何がだ?」
「そうだね、確かにその説明は要るよね。もう肯定前提で話進めるけど」
「あぁ、それで良いよ」
“好都合”に食い付いちまった以上不要な隠し事はしない方が良い、俺の頷きにうっすらと笑みを浮かべた光畑は実に分かり易い“説明”をしてくれた。
「輝が好きなんだ」
おぅそうか、お前ら二人知り合って一時間で大親友状態だったもんな……ってマジかっ!!?ほんこの前まで『白雪姫が〜♡』とか言ってなかったか?
「最初は本当に『宣戦布告』のつもりで声を掛けたんだけど、彼と敵対するのは何か違う気がしてさ。それでまずは相手を知ろうと色々話してくうちにもっと輝の事知りたくなってきて。
あれから三日後くらいには小田原君からお断りされたけど、フラレたショックもさほど引き摺る事無く、輝と一緒に居る時間がとにかく楽しかったんだ。
そしたら小田原君との時間を優先する……って輝の気持ちなら当たり前の事なんだけどそれが何だか悔しくてね、俺を信用してくれてるのは嬉しいけど小田原君の事で相談されるのがキツくなって。
その時初めて気付いたよ、俺別のところに気持ちが行ってる輝に嫉妬してるって。んで月曜日に会ったら元気無くて、話聞いてみたら小田原君にキスした事後悔してるって言い出して……それっきり学校休んでる状態なんだ」
誠の方も今朝ようやく熱が下がって明日から学校に行く予定だそうだ、誕生日当日隼人に飛び出す絵本をプレゼントされて浮かれまくってたけどな。相変わらずちゃっかりしてやがるよアイツ、抜け目無ぇと言うか何と言うか。
俺焦って波那ちゃんにプレゼントの話題振ったら『当日に引き取りに行ける様手配しておいたよ』との事、ホント頼りになる“お母さん”だ。『隼人君土曜日のパーティーに参加出来ないんだから仕方無いでしょ?』と笑われた。う~ん、隼人はそこらの奴らより頭回るし、誠の事かなり熟知してるから油断も隙もあったもんじゃねぇんだよな、ある意味輝より恐ろしい……。
それでも俺は隼人の事嫌いじゃない。アイツは他人を思いやれる優しい奴だし、普段悪態ばっか吐いてる(俺限定)けど言動にトゲは全く感じない。最近は勉強教えろとか鉄棒教えろとかがほとんどだけど何故か泣き言があると俺の所に来る。うん、可愛いとこあるんだよ、たま~にしか見せないけどそれは内緒にしといてやる。
……なんて考えてるとケータイがブルブルと震え出す。誰だ?と思って画面をチェックすると光畑だった。俺に何の用だ?さっぱり分からん……取り敢えず出るか。
「はい」
『畠中ん家寄っていいか?ちょっと話したくて』
「あぁ、待ってればいいのか?」
うん。光畑はそれだけの用事で通話を切ったが……声が神妙過ぎてちょっと緊張するぞ……それよりアイツ犬は平気なんだろうか?聞くの忘れてたわ。
それからほんの数分後に光畑が家に来た。今俺の部屋で小ちゃいテーブルを挟んで向かい合わせに座ってる。因みに麦茶と兄貴が持って来てた地域限定のスナック菓子でもてなしてる状態なのだが、さっきから取り留めの無い話題ばかりで本題に辿り着かない。
「そういや話って何だ?」
痺れを切らして(と言うほど苛ついてた訳じゃねぇけど)俺の方から話を切り出すと、光畑は俺の顔を見てうん、と頷いた。
「実は輝昨日から体調悪くて学校休んでんだ。小田原君から何か聞いてないかと思って……」
「俺に聞くより本人に聞いた方が良いんじゃねぇのか?」
「そうしたいんだけど普段と様子が違ってて……彼なら何か知ってると思ったんだ」
「いや、『楽しかった』としか聞いてない」
そう……口ではそう言ってても納得してる顔つきじゃない、まぁ『恋じゃなかった』とも言ってたけど、誠自身も体調悪くて学校休んでるし今の時点で輝と連絡を取り合ってるとは思えない。
「偶然だと思うけど誠も今体調崩して学校休んでんだわ」
「そうなのか?でも何でそんな事知ってんだ?」
「何で?って一昨日メールしたから」
「そっか……小田原君と畠中ってひょっとしてひょっとする?」
「へっ!?」
「いやさ、前に一応否定はしてたけど鵜呑みにしてる訳じゃないから。実際のところ好き同士だったりするんじゃないかと思って」
前その話題になった時は確かに何も無かった……輝より先に話すのも気が引けるがここで隠すのも後味悪いな、ただどう答えていいものか。
「……」
「それは肯定って事でいいのか?なら俺には好都合だよ」
光畑はこれまでに見せた事の無い“男”の表情を見せてきた。コイツ柔和な奴だと思ってたけどこういう顔する時もあるんだな、正直ちょっと驚いた。
「好都合って何がだ?」
「そうだね、確かにその説明は要るよね。もう肯定前提で話進めるけど」
「あぁ、それで良いよ」
“好都合”に食い付いちまった以上不要な隠し事はしない方が良い、俺の頷きにうっすらと笑みを浮かべた光畑は実に分かり易い“説明”をしてくれた。
「輝が好きなんだ」
おぅそうか、お前ら二人知り合って一時間で大親友状態だったもんな……ってマジかっ!!?ほんこの前まで『白雪姫が〜♡』とか言ってなかったか?
「最初は本当に『宣戦布告』のつもりで声を掛けたんだけど、彼と敵対するのは何か違う気がしてさ。それでまずは相手を知ろうと色々話してくうちにもっと輝の事知りたくなってきて。
あれから三日後くらいには小田原君からお断りされたけど、フラレたショックもさほど引き摺る事無く、輝と一緒に居る時間がとにかく楽しかったんだ。
そしたら小田原君との時間を優先する……って輝の気持ちなら当たり前の事なんだけどそれが何だか悔しくてね、俺を信用してくれてるのは嬉しいけど小田原君の事で相談されるのがキツくなって。
その時初めて気付いたよ、俺別のところに気持ちが行ってる輝に嫉妬してるって。んで月曜日に会ったら元気無くて、話聞いてみたら小田原君にキスした事後悔してるって言い出して……それっきり学校休んでる状態なんだ」
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる