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やっとこさ本編
持つべき者は……
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「それとな、昨日八年振りに誠ん家行ったんだ」
俺は“誠”と言う単語にピクッと反応する。確かに面識はあるって聞いてるけど……。
「何でまた会おうと思ったんだ?」
「過去の想いを吹っ切る為、アイツが初恋だったんだ」
はぁっ!?さっきからまぁ俺を驚かす事ばっか言ってくれるよな全く……でも本音を晒してくれてるって考えも出来るから、それはそれでちょっと嬉しかったりもする。
「遵斗、お前まさか……」
「……と言いたいところだけど誠だけなんだよ、男で好きになったのは。一応彼女居た事もあるし」
じゃなくて“吹っ切る為”に何したんだ?って聞いてんだよ。
「そうじゃなくて告ったって事か?」
「あぁ、告った。まぁお前ら二人がデキてるのははなから分かってたけどな」
「なっ……!!!」
イヤ待て待て、そん時俺別にアイツに惚れてなかったぞ!
「無自覚ってマジ怖えな」
うっ、それ言われちまうと……何も言い返せないでいる俺を遵斗は面白そうに見つめてくる。しかもその台詞どっかで言われたような気が……田丸だ、何なんだよコイツらの妙な勘の良さはよぉ!
「ハハハッ、伽月ってマジ分かり易い、でも気楽で良いよ」
「それ褒めてんのか?」
それともバカにしてんのか?とまでは言わない、遵斗の言霊に悪意は感じなかったからだ。
「もちろん、父親絡みの政治家一族共なんかどいつもこいつも腹黒でウンザリする。でもそれ位でないと政治家なんて出来ないんだろうな」
俺には無理だと遵斗は笑う。うん、確かに。
「伽月、誠の事泣かすなよ。そん時は掠め取るからな」
「冗談じゃねぇ、んな事されてたまるかよ」
「その言葉裏切るなよ」
遵斗はニヤッと笑って俺を見る。おい、目が全く笑ってねぇ……完全に『今も惚れてます』って顔してんじゃねぇかよ。
「お前目がマジ過ぎるわ……」
「そりゃ多少の嫉妬はしたからな、だけど全く勝てる気しなかったし初めからフラレてるし……」
オイオイ、結構なプレッシャーかけてくんじゃねぇよ……俺だって誠を泣かすような事はしたくない。
「俺だって見たくねぇよ、誠の泣き顔なんて」
「それ聞いて安心した、『任せろ!』とか張り切って言われてたらぶん殴るところだったよ」
「そのマジ目を前にして気休めなんて言えるかよ、そんな無責任な約束出来るほど俺は強い男じゃない」
「いや、伽月は強いよ。俺みたいに悪ぶって変な方向に進んじまうよりずっと強い。最後に勝つのは実直でクソ真面目な奴だ、お前や喜多川を見てるとそう思うよ」
喜多川?そっか、二人は中学が同じだ。でもこの三ヶ月で二人が喋ってる姿は一度も見た事が無い、遵斗が一方的に嫌ってる様に見えてたが実際のところどうなんだ?
「俺喜多川が苦手だったんだ、何でもかんでもお見通し的な余裕綽々とした態度がどうも虫が好かなくて……でも本当に見透かされてた、アイツとっくに気付いてたらしいんだ」
そうだ、俺も喜多川から聞いたんだ。『噂の範疇を出ていない』とは言ってたけど……でも何でそう思ったんだろう?
「俺と同じ様なのが親戚に居たって……」
「それいつ聞いたんだ?」
「昨日だよ。あいつクラス委員の責務とかで毎日飽きもせず家に来て……鬱陶しい事この上無かったけど段々無視し続ける方がしんどくなってきてさ。んで昨日根負けして部屋に上げたらいきなり重い話しやがって……正直耳の痛い話でさ、『顔見知りの奴にドラッグで死なれるの嫌なんだ』なんて真顔で言われちまって。
心配してる側からしたらそんな事で永遠の別れが早まるのは気分良くねぇよな……断食で巧いこと毒出し出来てたお蔭なのか、苦手だったはずの男の話がスッと腹に収まったんだ。で、家族はもちろん友人知己の中で変な死に別れしてほしくない奴って誰だ?なんて考えて浮かんだのが誠と伽月だった……だから長崎に行く前に一遍向き合って話がしたかったんだ」
遵斗が俺たちの事を大事に思ってくれてるのが素直に嬉しかった。でもほんの一時でも俺は遵斗を避けていた、見えない所で苦しんでたあいつの苦悩を見ようともせずに。
「喜多川『畠中には平泉と深く関わるな』って進言したって言ってた。それ知りたくなかったって言い返したら『畠中を巻き込みそうなのが嫌だった』とさ、でも実際ΧΧΧの打ち上げに誘ったから否定はしきれないところだけど」
そんな事まで話したのかよ?俺でもそれは聞きたくないわ。
「んでΧΧΧの打ち上げって……」
「あぁ、察しの通りその手のモンは横行してる。音楽活動の軍資金集めらしいけど今はそっちメインになってるかもな」
「ΧΧΧとは知り合いなのか?」
今となってはどうでも良かった事なのだが、多少くすぶってた事だから敢えて話題を掘り下げる。
「メンバーが姉貴の同級生でさ、たまたま輸入雑貨店で同じハーブティーを買ったのを見られて。向こうも覚えてたみたいで事ある毎に誘われる様になったんだ」
……恐喝されてた可能性もあったって事かよ?
俺は“誠”と言う単語にピクッと反応する。確かに面識はあるって聞いてるけど……。
「何でまた会おうと思ったんだ?」
「過去の想いを吹っ切る為、アイツが初恋だったんだ」
はぁっ!?さっきからまぁ俺を驚かす事ばっか言ってくれるよな全く……でも本音を晒してくれてるって考えも出来るから、それはそれでちょっと嬉しかったりもする。
「遵斗、お前まさか……」
「……と言いたいところだけど誠だけなんだよ、男で好きになったのは。一応彼女居た事もあるし」
じゃなくて“吹っ切る為”に何したんだ?って聞いてんだよ。
「そうじゃなくて告ったって事か?」
「あぁ、告った。まぁお前ら二人がデキてるのははなから分かってたけどな」
「なっ……!!!」
イヤ待て待て、そん時俺別にアイツに惚れてなかったぞ!
「無自覚ってマジ怖えな」
うっ、それ言われちまうと……何も言い返せないでいる俺を遵斗は面白そうに見つめてくる。しかもその台詞どっかで言われたような気が……田丸だ、何なんだよコイツらの妙な勘の良さはよぉ!
「ハハハッ、伽月ってマジ分かり易い、でも気楽で良いよ」
「それ褒めてんのか?」
それともバカにしてんのか?とまでは言わない、遵斗の言霊に悪意は感じなかったからだ。
「もちろん、父親絡みの政治家一族共なんかどいつもこいつも腹黒でウンザリする。でもそれ位でないと政治家なんて出来ないんだろうな」
俺には無理だと遵斗は笑う。うん、確かに。
「伽月、誠の事泣かすなよ。そん時は掠め取るからな」
「冗談じゃねぇ、んな事されてたまるかよ」
「その言葉裏切るなよ」
遵斗はニヤッと笑って俺を見る。おい、目が全く笑ってねぇ……完全に『今も惚れてます』って顔してんじゃねぇかよ。
「お前目がマジ過ぎるわ……」
「そりゃ多少の嫉妬はしたからな、だけど全く勝てる気しなかったし初めからフラレてるし……」
オイオイ、結構なプレッシャーかけてくんじゃねぇよ……俺だって誠を泣かすような事はしたくない。
「俺だって見たくねぇよ、誠の泣き顔なんて」
「それ聞いて安心した、『任せろ!』とか張り切って言われてたらぶん殴るところだったよ」
「そのマジ目を前にして気休めなんて言えるかよ、そんな無責任な約束出来るほど俺は強い男じゃない」
「いや、伽月は強いよ。俺みたいに悪ぶって変な方向に進んじまうよりずっと強い。最後に勝つのは実直でクソ真面目な奴だ、お前や喜多川を見てるとそう思うよ」
喜多川?そっか、二人は中学が同じだ。でもこの三ヶ月で二人が喋ってる姿は一度も見た事が無い、遵斗が一方的に嫌ってる様に見えてたが実際のところどうなんだ?
「俺喜多川が苦手だったんだ、何でもかんでもお見通し的な余裕綽々とした態度がどうも虫が好かなくて……でも本当に見透かされてた、アイツとっくに気付いてたらしいんだ」
そうだ、俺も喜多川から聞いたんだ。『噂の範疇を出ていない』とは言ってたけど……でも何でそう思ったんだろう?
「俺と同じ様なのが親戚に居たって……」
「それいつ聞いたんだ?」
「昨日だよ。あいつクラス委員の責務とかで毎日飽きもせず家に来て……鬱陶しい事この上無かったけど段々無視し続ける方がしんどくなってきてさ。んで昨日根負けして部屋に上げたらいきなり重い話しやがって……正直耳の痛い話でさ、『顔見知りの奴にドラッグで死なれるの嫌なんだ』なんて真顔で言われちまって。
心配してる側からしたらそんな事で永遠の別れが早まるのは気分良くねぇよな……断食で巧いこと毒出し出来てたお蔭なのか、苦手だったはずの男の話がスッと腹に収まったんだ。で、家族はもちろん友人知己の中で変な死に別れしてほしくない奴って誰だ?なんて考えて浮かんだのが誠と伽月だった……だから長崎に行く前に一遍向き合って話がしたかったんだ」
遵斗が俺たちの事を大事に思ってくれてるのが素直に嬉しかった。でもほんの一時でも俺は遵斗を避けていた、見えない所で苦しんでたあいつの苦悩を見ようともせずに。
「喜多川『畠中には平泉と深く関わるな』って進言したって言ってた。それ知りたくなかったって言い返したら『畠中を巻き込みそうなのが嫌だった』とさ、でも実際ΧΧΧの打ち上げに誘ったから否定はしきれないところだけど」
そんな事まで話したのかよ?俺でもそれは聞きたくないわ。
「んでΧΧΧの打ち上げって……」
「あぁ、察しの通りその手のモンは横行してる。音楽活動の軍資金集めらしいけど今はそっちメインになってるかもな」
「ΧΧΧとは知り合いなのか?」
今となってはどうでも良かった事なのだが、多少くすぶってた事だから敢えて話題を掘り下げる。
「メンバーが姉貴の同級生でさ、たまたま輸入雑貨店で同じハーブティーを買ったのを見られて。向こうも覚えてたみたいで事ある毎に誘われる様になったんだ」
……恐喝されてた可能性もあったって事かよ?
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