冥土の土産に一杯どうだい?

谷内 朋

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第一話

死に別れた大切な人との再会を願う魂 -2-

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 「それではごゆっくり♪今日は珍しくもう一名ご来店みたいですので迎えに行ってきます♪」

 「お忙しいのにここまで案内してくれてありがとう」

 クーはその言葉に微笑み返し、嬉しそうに手を振ってから店を出て行った。そして彼女と入れ替わる様に“クネクネしてるの”ことネプテューヌが酒を持って女性の居る席にやって来た。

 「いらっしゃいませぇ、景気づけに一杯どうぞぉ」

 「あっありがとう……」

 女性はオネエ言葉の美人に固まる。直前世の世界にも一定数居たけども……見た目は完璧“彼女”なのだが、声は見掛けとはかけ離れていて正に“男”全開だった。

 「アナタ“リヴィール星”出身よねぇ?確か“河の果て”系のぉ」

 「えぇ、言語で分かりますか?」

 「それもあるけどぉ、二百歳超えまで生きられるってあそこくらいでしょぉ?」

 「恐らくは。惑星交流をしている所の中でも長寿な方だという認識はありました」

 「でしょうねぇ、私“カルブ星”で犬人類してた過去世があるのぉ」

 「そうですの!?あそこの方とはとても友好的な交流をさせて頂いてたので一気に親近感が湧きました」

 女性の瞳がぱっと輝いたのを見たネプテューヌは、手にしているジョッキを手渡した。

 「これも何かのご縁ねぇ、折角だから乾杯しましょうよぉ」

 えぇもちろん。女性はジョッキを受け取って軽く掲げてみせた。

 「本日のご縁にぃ……」

 「「乾杯っ!!!」」

 二人は勢い良く酒を飲み、幸せそうにぷは〜っ!と息を吐く。

 「こうなるとつまみが欲しいわねぇ、テキトーに見繕って……」

 「きたわよ、こっちは大丈夫だから話し相手してなさい」

 ネプテューヌが席を立とうとしたタイミングで、“厨房でフライパンを振っていた”ヴィニエーラが幾つかのつまみを持って来ていて、手際良くテーブルの上に並べていく。それらは女性の住んでいた世界にも存在しており、いわゆるビール似合う定番メニューだった。

 「まぁモノはベタだけどビールにはこういうのが一番なのよね、何だかんだ言っても」

 「確かに分かります、この匂い三十年振りです」

 女性は“ソーセージ”に鼻を近付けて幸せそうな顔をする。

 「さすがに二百歳くらいになると肉で胃もたれしますから」

 「肉体付きだと老化は避けられないものねぇ」

 「ホント、そう思えば今はとっても楽だもの……って耽ってる場合じゃなかった。それじゃシェリー・・・・さん、ごゆっくり」

 えっ?いきなり直前世の名を呼ばれた女性は驚いて顔を上げた。

 「そんなに驚く事ぉ?ここは【道先案内】、顧客情報はバッチリよぉ」

 「そう、でしたね。何せ昔の記憶で忘れている事も多くて……」

 「まぁ無理もないわねぇ。でももうじき思い出せるわよぉ、そうしないと転生後の“人生計画会議”に差し支えちゃうものぉ。時間はたっぷりあるからぁ、取り敢えず今は飲んで食いましょうよぉ」

 そうですね。シェリーはネプテューヌの言葉に従い、酒場の空気を楽しんでいた。
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