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第二話
志半ばで夢を断たれた魂 -3-
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〈入店スルトコロヲ再現シマシタ♪〉
クーはようやくイタズラを止めて“アース星”の言語で話し始めた。
〈ダッタラ飲ンデルワヨネ?ナノニ何デ?〉
サアヤは先程の顛末が全て記憶にあるにも関わらず、事実を認めようとせずに眉をひそめる。
〈サアヤハ飲マナカッタンデス♪『怪シイ』トイウ理由デ♪〉
〈……ソンナァ。何トカナラナイノ?〉
〈ナリマセンネ♪ツイデデスカラ一ツルールガアリマスノデ説明シテオキマスネ♪原則アナタカラ他ノ方ニ話シ掛ケルノハ禁止デス♪私タチ従業員ニ対シテハ大丈夫デスヨ♪マァサアヤノ場合言葉ソノモノガ通ジマセンケドネ♪〉
クーから聞かされた“ルール”にサアヤは何デ?と訊ねる。
〈ココノ住民ノ大半ハ修行魂デスカラ、外部ノ魂カラノ接触ハ妨害行為ニ当タルンデス♪アナタハ一過性ノ顧客デスガ、彼ラハ短クテモ数百年ココデ魂ヲ磨キマス♪ツマリ顧客ノ身勝手ナ行動ハ修行魂ノペナルティトナリマス♪ソコントコゴ理解クダサイネ♪〉
〈……分カッタワ〉
サアヤは取り敢えずそう返事した。がそのルールの重要性を全く理解していなかった。
〈オ待マタセ致シヤシタッス!〉
プルートーは苦手な“アース星”の言語でサアヤの接客を始め、ビールをカウンターに置いた。
〈アタシ未成年ナンダケド〉
〈ココニハソンナルール無イッス、クーカラ説明聞イテルハズッス〉
〈聞イテルケドオ酒ナンテ飲メナイ。ソフトドリンク無イノ?〉
〈ソフトドリンク?ティートカコーヒートカ言ウ飲ミ物ノ事ッスカ?〉
プルートーはあるだけの知識で一生懸命対応しようとする。何せ彼はまだ見習い、一人前とは言えなかった。
〈コウ言ウ雰囲気デ紅茶トカナ訳無イデショ!?常識デ考エナサイヨ!〉
〈ビアホールデ酒断ル奴ノ方ガオカシイッス!ソレニアンナ原始的ナ星ノ常識ナンテ通用スル星ノ方ガ圧倒的ニ少ナイッス!〉
〈地球ノドコガ原始的ナノヨッ!?〉
〈原始的ドコロカ畜生ニ毛ガ生エタ程度ノ技術シカ無イッスヨ、隣ノ星ニスラマトモニ行ケナイ、白髪一本治セナイ、核ガ未ダニ軍事用ニ使ワレテル……有リ得ナイッス!〉
プルートーはこれまで人類体験で見聞きしてきた事を思い出しながら言い返した。今や宇宙交流など当たり前、星によっては宇宙服一枚で光速移動する人類だって存在する。髪の毛の色などブラッシングだけで自由自在に変えられる、“アース星”の様にわざわざ時間をかけて化学染料を塗ったくるなんて事はしない。しかも染まるのは塗った部分だけ、根本的解決になっていないのだ。そして核兵器など古代の産物、他の星では見向きもされないガラクタだ。
〈ダッタラコレハドウヨ!?〉
サアヤはブレザーのポケットから掌サイズに機械を見せる。
〈コレ一台デ通話ガ出来テメールガ出来テネットモ出来テ買イ物モ……〉
〈……コレノ事ッスカ?〉
プルートーは目の前の鏡をさっと拭くように掌を動かすと、まるで画面が浮いているかの様に文字や画像が浮き出てくる。そこをちょんと指で突っつくとピンと耳の立った犬がよぉ、と陽気に手を上げている動画が映し出された。
〈イ、犬ガ喋ッテル〜!!!〉
クーはようやくイタズラを止めて“アース星”の言語で話し始めた。
〈ダッタラ飲ンデルワヨネ?ナノニ何デ?〉
サアヤは先程の顛末が全て記憶にあるにも関わらず、事実を認めようとせずに眉をひそめる。
〈サアヤハ飲マナカッタンデス♪『怪シイ』トイウ理由デ♪〉
〈……ソンナァ。何トカナラナイノ?〉
〈ナリマセンネ♪ツイデデスカラ一ツルールガアリマスノデ説明シテオキマスネ♪原則アナタカラ他ノ方ニ話シ掛ケルノハ禁止デス♪私タチ従業員ニ対シテハ大丈夫デスヨ♪マァサアヤノ場合言葉ソノモノガ通ジマセンケドネ♪〉
クーから聞かされた“ルール”にサアヤは何デ?と訊ねる。
〈ココノ住民ノ大半ハ修行魂デスカラ、外部ノ魂カラノ接触ハ妨害行為ニ当タルンデス♪アナタハ一過性ノ顧客デスガ、彼ラハ短クテモ数百年ココデ魂ヲ磨キマス♪ツマリ顧客ノ身勝手ナ行動ハ修行魂ノペナルティトナリマス♪ソコントコゴ理解クダサイネ♪〉
〈……分カッタワ〉
サアヤは取り敢えずそう返事した。がそのルールの重要性を全く理解していなかった。
〈オ待マタセ致シヤシタッス!〉
プルートーは苦手な“アース星”の言語でサアヤの接客を始め、ビールをカウンターに置いた。
〈アタシ未成年ナンダケド〉
〈ココニハソンナルール無イッス、クーカラ説明聞イテルハズッス〉
〈聞イテルケドオ酒ナンテ飲メナイ。ソフトドリンク無イノ?〉
〈ソフトドリンク?ティートカコーヒートカ言ウ飲ミ物ノ事ッスカ?〉
プルートーはあるだけの知識で一生懸命対応しようとする。何せ彼はまだ見習い、一人前とは言えなかった。
〈コウ言ウ雰囲気デ紅茶トカナ訳無イデショ!?常識デ考エナサイヨ!〉
〈ビアホールデ酒断ル奴ノ方ガオカシイッス!ソレニアンナ原始的ナ星ノ常識ナンテ通用スル星ノ方ガ圧倒的ニ少ナイッス!〉
〈地球ノドコガ原始的ナノヨッ!?〉
〈原始的ドコロカ畜生ニ毛ガ生エタ程度ノ技術シカ無イッスヨ、隣ノ星ニスラマトモニ行ケナイ、白髪一本治セナイ、核ガ未ダニ軍事用ニ使ワレテル……有リ得ナイッス!〉
プルートーはこれまで人類体験で見聞きしてきた事を思い出しながら言い返した。今や宇宙交流など当たり前、星によっては宇宙服一枚で光速移動する人類だって存在する。髪の毛の色などブラッシングだけで自由自在に変えられる、“アース星”の様にわざわざ時間をかけて化学染料を塗ったくるなんて事はしない。しかも染まるのは塗った部分だけ、根本的解決になっていないのだ。そして核兵器など古代の産物、他の星では見向きもされないガラクタだ。
〈ダッタラコレハドウヨ!?〉
サアヤはブレザーのポケットから掌サイズに機械を見せる。
〈コレ一台デ通話ガ出来テメールガ出来テネットモ出来テ買イ物モ……〉
〈……コレノ事ッスカ?〉
プルートーは目の前の鏡をさっと拭くように掌を動かすと、まるで画面が浮いているかの様に文字や画像が浮き出てくる。そこをちょんと指で突っつくとピンと耳の立った犬がよぉ、と陽気に手を上げている動画が映し出された。
〈イ、犬ガ喋ッテル〜!!!〉
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