冥土の土産に一杯どうだい?

谷内 朋

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第二話

志半ばで夢を断たれた魂 -11-

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 「あたし夢があったの、料理で世界を平和にするって。争いが起こるのは満たされてないからだって思うから……でも死んじゃった、夢は叶わぬままだ」

 サアヤは寂しそうに笑う。

 「あら、魂が生きている以上何度だって生まれ変われるのよ。次の転生先が“アース星”とは限らないけど、その夢はきちんと叶えられるしくみになっているわ」
 
 ヴィニエーラは美しい笑顔をサアヤに向ける。

 「そうなの?またやり直せるの?」

 「もちろん。でもその前に一つ聞きたい事があるの」

 「何?って大体分かるけど……」

 サアヤか渋い表情でヴィニエーラを見る。

 「だったら話が早いわ、あなたどうやって肉体に入っている“オジャマタクシ”を見つけ出したの?肉体と分離してからの行いとは言え至難の業よ」

 「その事は閻魔様にもお話したけど、あたしを殺した奴らの頭の上に黒い靄がかかってたの。それに狙いを定めて『死ね!!!』って念じたら黒い球が出てきてそいつらの体がパタンって倒れて、って感じ」

 「その魂はどこにやったの?」

 「う〜ん、テキトーにポイッ!って感じだと思う。そこら辺のとこあんま覚えてなくて」

 「あなた何気にとんでもない子かも知れないわね……」

 ヴィニエーラはこの時初めて驚きの表情を見せる。ウラーノは文字でびっしり詰まった画面をじっと見つめて頷いた。

 「それらは“死神部隊”が然るべき処分をしたと報告が上がっているでござる。彼女の証言は偽り無しにござる」

 「失礼だなぁ、今更嘘なんて吐かないよぉ」

 サアヤはふくれっ面でウラーノに反発するが、基本的に表情を顔に出さない彼は平然と画面を見つめていた。

 「“この世”で生き抜くために多少の嘘は身を助ける術となるでござる、肉体を離れて間もない魂は“この世”の生活が染み付いて案外平気で嘘を吐くでござる」

 「はぁ〜、どこの世界も案外世知辛いのね」

 「仕方ないでござる、“この世”で生を受けること自体が修行でござるので」

 サアヤは頬に手を当て肘を付き、何やら考え事をしている。

 「なら人類として生きる道を放棄すんのかい?」

 「そう言うんじゃないんだけど……ってどちら様?」
 
 サアヤは隣に立つ大男を見上げている。男はニヤッと笑って一枚の紙をサアヤの前に置く。

 「俺ぁゾン、ここの店長ってやつだ。まずはそれをよく読んでくれ」

 ん?サアヤは紙を手に取ったが何も書かれていない。

 「真っ白だよ……あっ、文字が出てきた。どういう仕組みなの?」

 サアヤは紙を裏返したり透かしたりしているが、結局分かるはずも無くすぐに諦めて文字を読み始める。

 「『貴殿の進退が決定した』?
  『①直前世に戻って零からやり直す
   ②闇歩き千年刑の後転生。貴殿のペナルティではこれが通常の選択となる
   ③【デスタウン】で修行魂となりその後転生。通常なら数百年前〜千年程度だが、ペナルティがある為最低千五百年はここに滞在する』」

 サアヤはそこまで読んでからゾンの顔を見上げた。

 「えっ?何?選んでいいの……?」
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