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第三話
【デスタウン】のお巡りさん -3-
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「でしたら“ミミズ”も……と言いたいところですが、“アース星”か“ワレパレワ星”かでかなり違いますよ」
マスターは困った表情で顎を触る。スミューチェの感想を完全無視する彼は彼で大概だが、彼女は味さえ満足なら相手の反応などどうでも良いらしい。
「「う~ん、見た目同じでも味が全然違うんだよね~」」
相変わらず二重奏で話すディオスとムエルテ。
「そうなんです、私は頂いた事が無いので何とも……でも市場の情報によると“アース星”の“ミミズ”の方が人気らしいんです」
「「じゃあ“アース星”のにしよう!」」
「「うん、そうしよう!」」
「だから喋り分担しろって……」
トートの尤もな突っ込みは誰も聞いていない。
「「“ミミズ”と言えば“フライ”だよね」」
「だそうですね、それが主流みたいです」
「「“ワレパレワ星”のは甘いからお菓子で、“アース星”のはつまみって感じだね。【境界線】でも出せばいいのに~」」
「あの形状を嫌うお客が多いとヴィニエーラさんが仰ってました。因みに“アース星”では食用にしないそうですよ」
「「え~っ!“食の星”が聞いて呆れるね」」
「「ホントだね~、あんなに美味しいのに~」」
ディオスとムエルテは不毛な抗議を始めている。
「こればかりは文化の違いだから仕方が無いわ、私の郷では鳩を食べるのはごく普通だったからね」
「俺の郷でもそうでした」
スミューチェとトートは双子を見てニヤリと笑う。
「何だか美味しそうに見えてきたわ。鳩なら踊り食いも可能だし」
「「僕たちを食材扱いするなこの人でなしども!!!」」
「ここで食べるならせめて調理を。煮込み料理が良いですね」
「では今度入荷しておきましょう」
マスターは何食わぬ顔で了承する。
「何ならそれでも構いませんよ」
トートは鳩の双子を指差して言った。
「それはさすがにどうでしょうか?私としても顧客様が減るのは商売に関わりますので」
「「思い留まってくれてるのは嬉しいけど何か釈然としない」」
ディオスとムエルテは難しい表情でマスターを見る。
「鳩は食材としてのニーズは多い方なんです、しかしお二方を食材にしてしまうのは忍びないですね」
「「忍びない以前にやめて、マスターたまに怖い事言うからホントやめて」」
「しませんよ、お二方を食材になんて」
マスターはディオスの頭を左手で、ムエルテの頭を右手で優しく撫でる。【デスタウン】屈指のエリートである“死神部隊”上層部員を手懐ける一般住民、侮る事なかれ。
「「マスター……うるうる」」
「私たち一般住民は皆様の多大なお働きのお陰で守られているんですよ、そのような方たちを食材にしようなど考えていませんよ。それに……」
マスターは一旦そこで言葉を止める。
「それに……何でしょうか?」
トートはマスターに言葉の続きを促す。スミューチェは先読みしているらしくニヤニヤしている。マスターは勿体付けるようにそれはですね、と前置きしてから次の言葉を紡いだ。
「ディオスさん、ムエルテさんの品種は毒性がありますので私では取り扱えないんですよ。下処理するのに資格が要るんです」
マスターの言葉に双子はガックリと肩を落とす。
「「そ、そんな理由なの……?」」
はてさてこの連中、いつになったら仕事をするのだろうか?
マスターは困った表情で顎を触る。スミューチェの感想を完全無視する彼は彼で大概だが、彼女は味さえ満足なら相手の反応などどうでも良いらしい。
「「う~ん、見た目同じでも味が全然違うんだよね~」」
相変わらず二重奏で話すディオスとムエルテ。
「そうなんです、私は頂いた事が無いので何とも……でも市場の情報によると“アース星”の“ミミズ”の方が人気らしいんです」
「「じゃあ“アース星”のにしよう!」」
「「うん、そうしよう!」」
「だから喋り分担しろって……」
トートの尤もな突っ込みは誰も聞いていない。
「「“ミミズ”と言えば“フライ”だよね」」
「だそうですね、それが主流みたいです」
「「“ワレパレワ星”のは甘いからお菓子で、“アース星”のはつまみって感じだね。【境界線】でも出せばいいのに~」」
「あの形状を嫌うお客が多いとヴィニエーラさんが仰ってました。因みに“アース星”では食用にしないそうですよ」
「「え~っ!“食の星”が聞いて呆れるね」」
「「ホントだね~、あんなに美味しいのに~」」
ディオスとムエルテは不毛な抗議を始めている。
「こればかりは文化の違いだから仕方が無いわ、私の郷では鳩を食べるのはごく普通だったからね」
「俺の郷でもそうでした」
スミューチェとトートは双子を見てニヤリと笑う。
「何だか美味しそうに見えてきたわ。鳩なら踊り食いも可能だし」
「「僕たちを食材扱いするなこの人でなしども!!!」」
「ここで食べるならせめて調理を。煮込み料理が良いですね」
「では今度入荷しておきましょう」
マスターは何食わぬ顔で了承する。
「何ならそれでも構いませんよ」
トートは鳩の双子を指差して言った。
「それはさすがにどうでしょうか?私としても顧客様が減るのは商売に関わりますので」
「「思い留まってくれてるのは嬉しいけど何か釈然としない」」
ディオスとムエルテは難しい表情でマスターを見る。
「鳩は食材としてのニーズは多い方なんです、しかしお二方を食材にしてしまうのは忍びないですね」
「「忍びない以前にやめて、マスターたまに怖い事言うからホントやめて」」
「しませんよ、お二方を食材になんて」
マスターはディオスの頭を左手で、ムエルテの頭を右手で優しく撫でる。【デスタウン】屈指のエリートである“死神部隊”上層部員を手懐ける一般住民、侮る事なかれ。
「「マスター……うるうる」」
「私たち一般住民は皆様の多大なお働きのお陰で守られているんですよ、そのような方たちを食材にしようなど考えていませんよ。それに……」
マスターは一旦そこで言葉を止める。
「それに……何でしょうか?」
トートはマスターに言葉の続きを促す。スミューチェは先読みしているらしくニヤニヤしている。マスターは勿体付けるようにそれはですね、と前置きしてから次の言葉を紡いだ。
「ディオスさん、ムエルテさんの品種は毒性がありますので私では取り扱えないんですよ。下処理するのに資格が要るんです」
マスターの言葉に双子はガックリと肩を落とす。
「「そ、そんな理由なの……?」」
はてさてこの連中、いつになったら仕事をするのだろうか?
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