19 / 32
本編
19 親友⑥【エルベルト視点】
しおりを挟む
ゆっくり思い出せ。俺は一体彼女に何をした? ジェフと飲んでからの記憶が……はっきりしない。
クリスに嫌われたら生きていけない。俺が青ざめていると、ジェフが「やっと起きたのか」と呑気に声をかけてきた。
「なあ、俺はクリスに何かしていたか?」
不本意だが、こいつに聞くのが一番手っ取り早い。
「は? あれやっぱり無意識だったのか。わざと俺に見せつけてんのかと思った。そういうプレイかなーって」
「……は?」
「お前があんな激しいなんて意外だったわ」
ちょっと待て。俺は何をした……プレイ? 激しい? 俺は背中に冷や汗が流れる。
「俺、何したんだよ」
「くっくっく、覚えてねぇなら教えてやるよ。俺の目の前で彼女が抵抗するのを、強引に引き寄せて何回も熱烈なキスを繰り返してた」
……最悪だ。
「くっくっく……あと、彼女のことを甘い声で『俺の天使だ』って呼んでた」
ああ……、俺は目を片手で隠し天を仰いだ。嫌われた原因が全てわかった。そう言われたら夢の中で彼女に逢えて嬉しくて、キスをした気がする。つまりあれは夢ではなかったということだ。
俺は膝から崩れ落ちた。彼女は人前でそういうことをされるのが苦手だ。二人きりなら甘えてくれるが、みんながいるとイチャイチャは嫌がる。
「絶対……嫌われた」
「あはははは。でも別に悪いことしたわけじゃないしよくないか? 奥さんを褒めて、キスをしただけだろ?」
「お前の前ってことが大問題だ……軽いキスじゃなかったんだろ」
彼女も行ってきますの軽いチュッ程度なら使用人の前でも嫌がらない。つまり……そうじゃないキスをしたのだ。
「軽いもんか! そりゃあもう濃厚で……舌を彼女の中に……」
「もう言うな! わかったから」
俺はがっくりと項垂れた。オリバーからは「奥様とちゃんと仲直りしてくださいね」と睨まれた。
「照れてるだけだから、少しそっとしておけ」
「そうだな」
そう言ったものの、俺はクリスが帰ってこないのではないかと不安になり家の中をうろうろしていた。
「エル、落ち着けよ。お前が部屋でうろうろしても、帰ってこないって。行ったばっかりだぞ」
「わかってるけど、不安なんだ。彼女は田舎にはいない洗練された可愛いさなのに、話せば気さくで……よく笑って……みんなクリスを好きなる。うちの騎士団員達なんて『奥様に毎日来て欲しい』とか言うんだぞ!」
「確かにみんなから愛される小犬みたいな可愛さがあるわ」
「子犬だと!? クリスは子犬の何千倍、何万倍可愛い!」
「はいはい。うるせーな! 暇なら久しぶりに手合わせ付き合え。腕が鈍るからな」
ジェフに引っ張られて、仕方がなく庭で手合わせをすることになった。こいつの剣の腕は相当なものだ。しかし、俺もこの地を守っている身。負けるわけにはいかない。
このもやもやを振り払うように集中して、剣を構えた。さすが……ジェフも隙のない構えだ。
「久しぶりだ。本気で来い」
「お前相手に手加減なんてできっかよ!」
カンカンと素早く剣を打ち合う。パワーは俺の方が上だが、ジェフの方がスピードが上。
「相変わらず、すばしっこいな」
「お前は相変わらず馬鹿力だ」
やはりこいつは強い。まあ、このレベルでないと陛下の側近などやってられない。爵位を継ぐ立場でなければ、お前も絶対に傍に置いたのにと陛下に残念がられたが仕方がない。
「あ! クリスティンちゃん帰ってきた」
「なに?」
俺が一瞬動揺した隙をやつは見逃さなかった。一気に踏み込まれ、喉に剣を突きつけられた。
「嘘でした」
ジェフはベーっと舌を出す。
「はい、俺の勝ち。これで百勝百敗のタイに戻ったな」
「ジェフ! 卑怯だぞ」
「卑怯なことあるか。使えるものはなんでも使うのは当たり前だろ。お前の弱点がクリスティンちゃんだとわかったから、これからはずっと俺が勝てそうだ」
そう言ってケラケラと笑っているのが腹が立つ。このやろう……次は絶対負けるか。
「エル、ジェフ様?こちらにいらっしゃいますか?」
するとクリスがひょっこりと顔を出した。知らぬ間に結構な時間が経過していたらしい。ああ、良かった。ちゃんと帰ってきてくれたのか。しかしそんな可愛い格好で街に出ていたなんて、心配で妬いてしまいそうだ。
「クリス、今朝は悪かった。寝ぼけていたんだ。でも……無意識で。君を愛してるからしてしまったことだから、どうか許して欲しい。もう人前であんなことしない」
俺は彼女に駆け寄り、キュッと手を握って素直に謝った。彼女は頬を染め少し俯いた。
「と、とっても恥ずかしかったんですからね。でも、今回だけは許します」
「ありがとう。愛してる」
俺は彼女をぎゅっと抱きしめた。さっきまで心が沈んでいたのに、今はもう幸せだ。やっぱりクリスの存在は俺にはなくてはならないものだ。
「ジェフ、もうひと勝負どうだ?」
「ほお、いいのか? 愛する妻の前で負けても泣くなよ?」
「ふざけるな。俺が彼女の前で負けるはずがない」
クリスの前では俺は最強でなければならない。負けたまま終わるなんてあり得ない。
「二人は試合をしていらっしゃったのですか?」
「ああ、腕試しだ。クリスは危ないからここで見てて」
「はい。エル、頑張ってください!」
ニコリと微笑まれて、ドキッと胸が高鳴る。君のその一言で俺はなんでもできそうだ。あまりに現金だな、と思うがそんな自分が嫌いじゃない。
「悪いけどわざと負けてやるほど、俺は優しくないぜ」
「知ってるよ。さっさと来い」
それからカンカンと剣を激しく打ち合い、睨み合った。クリスは俺達の本気の試合に少しビックリしているようだった。
やはりこいつはすぐには勝たせてくれない相手だ。しかしだからこそ面白いし、親友なのだ。俺はグッと力を入れて、ジェフの剣を払う。
「お前の剣を受けると、手が痺れんだよ!」
そう言ってジェフは、一旦引いたように見せかけてサイドから素早く剣を振りかざしてきた。
「エル、危ないっ!」
彼女の声が聞こえた瞬間、ジェフの剣を遠くに弾き飛ばし喉に剣を突き立てた。
「くそ……悔しい」
「惜しかったな。でも、こっちには勝利の女神がついてるからな」
俺はクリスをチラリと見た。すると彼女がこちらに走って来た。
「二人とも凄いです。素敵です。もう私には途中から何が何だかわかりませんでしたけど!」
彼女は興奮気味にそう言ってくれた。
「今回はエルが勝ったのね。ふふ、格好良かった」
「君のおかげだよ」
よし、クリスに良いところを見せられた。彼女の頬をするりと撫でると、ぽっと頬を染めた。あー……可愛い。食べたいくらい可愛い。
そんなことを思っていると、後ろから急に「イテテ……」というわざとらしい声が聞こえてきた。ジェフは怪我なんてしていない。絶対していない。
「まあ、どこか痛めましたか?大丈夫ですか?」
クリスは俺の前からするりと姿を消し、ジェフの前にしゃがみ込んで心配そうにしている。こいつは手をおさえて「ここが痛いんだ。捻ったかな」とか甘えた声を出している。
「ここですか? 確かに赤くなってますね」
クリスは優しくジェフの腕を撫でている。こいつわざとだな。怒りで身体が震える。ギッと睨みつけると、クリスにバレないように俺にベーっと舌を出してきた。
「冷やすもの持って来ますね」
パタパタと走り去ったクリスを見届けてから、俺は胸ぐらを掴んだ。
「怪我なんてしてないよな?」
「疑うなんて酷い。腕赤くなってるだろ?」
「ここが痛いとか言ってる時に、自分でつねってんの見てんだよこっちは!」
「ふっ、バレたらしょうがない。くっくっく……まあ、俺は試合に負けたけど勝負に勝ったって感じ? クリスティンちゃんに看病してもらおーっと!」
そんなことを楽しそうに言っている。これ以上……クリスに触れさせるか。
「氷を持ってきました。あと塗り薬も」
「ありがとう。クリスティンちゃん、悪いけど塗ってくれる?」
「はい、もちろんです」
彼女が治療しようと手を伸ばしたのを、俺は掴んでなんとか阻止する。
「エル……?」
「クリス、俺がするよ。怪我の治療には慣れてるから、貸して。ジェフは大事な陛下の側近だから、慎重に手当てをしないとな」
「そうなのですね! では、お願いします」
俺は満面の笑みで、強めに薬を塗りたくってやる。ジェフは「グリグリすんな! 痛い!!」と小声で睨みつけてくるが無視だ。
「……試合も勝負も俺の勝ちだ」
「けっ、次は俺が勝つさ」
ジェフはムスッとした表情で、そう呟いた。
クリスに嫌われたら生きていけない。俺が青ざめていると、ジェフが「やっと起きたのか」と呑気に声をかけてきた。
「なあ、俺はクリスに何かしていたか?」
不本意だが、こいつに聞くのが一番手っ取り早い。
「は? あれやっぱり無意識だったのか。わざと俺に見せつけてんのかと思った。そういうプレイかなーって」
「……は?」
「お前があんな激しいなんて意外だったわ」
ちょっと待て。俺は何をした……プレイ? 激しい? 俺は背中に冷や汗が流れる。
「俺、何したんだよ」
「くっくっく、覚えてねぇなら教えてやるよ。俺の目の前で彼女が抵抗するのを、強引に引き寄せて何回も熱烈なキスを繰り返してた」
……最悪だ。
「くっくっく……あと、彼女のことを甘い声で『俺の天使だ』って呼んでた」
ああ……、俺は目を片手で隠し天を仰いだ。嫌われた原因が全てわかった。そう言われたら夢の中で彼女に逢えて嬉しくて、キスをした気がする。つまりあれは夢ではなかったということだ。
俺は膝から崩れ落ちた。彼女は人前でそういうことをされるのが苦手だ。二人きりなら甘えてくれるが、みんながいるとイチャイチャは嫌がる。
「絶対……嫌われた」
「あはははは。でも別に悪いことしたわけじゃないしよくないか? 奥さんを褒めて、キスをしただけだろ?」
「お前の前ってことが大問題だ……軽いキスじゃなかったんだろ」
彼女も行ってきますの軽いチュッ程度なら使用人の前でも嫌がらない。つまり……そうじゃないキスをしたのだ。
「軽いもんか! そりゃあもう濃厚で……舌を彼女の中に……」
「もう言うな! わかったから」
俺はがっくりと項垂れた。オリバーからは「奥様とちゃんと仲直りしてくださいね」と睨まれた。
「照れてるだけだから、少しそっとしておけ」
「そうだな」
そう言ったものの、俺はクリスが帰ってこないのではないかと不安になり家の中をうろうろしていた。
「エル、落ち着けよ。お前が部屋でうろうろしても、帰ってこないって。行ったばっかりだぞ」
「わかってるけど、不安なんだ。彼女は田舎にはいない洗練された可愛いさなのに、話せば気さくで……よく笑って……みんなクリスを好きなる。うちの騎士団員達なんて『奥様に毎日来て欲しい』とか言うんだぞ!」
「確かにみんなから愛される小犬みたいな可愛さがあるわ」
「子犬だと!? クリスは子犬の何千倍、何万倍可愛い!」
「はいはい。うるせーな! 暇なら久しぶりに手合わせ付き合え。腕が鈍るからな」
ジェフに引っ張られて、仕方がなく庭で手合わせをすることになった。こいつの剣の腕は相当なものだ。しかし、俺もこの地を守っている身。負けるわけにはいかない。
このもやもやを振り払うように集中して、剣を構えた。さすが……ジェフも隙のない構えだ。
「久しぶりだ。本気で来い」
「お前相手に手加減なんてできっかよ!」
カンカンと素早く剣を打ち合う。パワーは俺の方が上だが、ジェフの方がスピードが上。
「相変わらず、すばしっこいな」
「お前は相変わらず馬鹿力だ」
やはりこいつは強い。まあ、このレベルでないと陛下の側近などやってられない。爵位を継ぐ立場でなければ、お前も絶対に傍に置いたのにと陛下に残念がられたが仕方がない。
「あ! クリスティンちゃん帰ってきた」
「なに?」
俺が一瞬動揺した隙をやつは見逃さなかった。一気に踏み込まれ、喉に剣を突きつけられた。
「嘘でした」
ジェフはベーっと舌を出す。
「はい、俺の勝ち。これで百勝百敗のタイに戻ったな」
「ジェフ! 卑怯だぞ」
「卑怯なことあるか。使えるものはなんでも使うのは当たり前だろ。お前の弱点がクリスティンちゃんだとわかったから、これからはずっと俺が勝てそうだ」
そう言ってケラケラと笑っているのが腹が立つ。このやろう……次は絶対負けるか。
「エル、ジェフ様?こちらにいらっしゃいますか?」
するとクリスがひょっこりと顔を出した。知らぬ間に結構な時間が経過していたらしい。ああ、良かった。ちゃんと帰ってきてくれたのか。しかしそんな可愛い格好で街に出ていたなんて、心配で妬いてしまいそうだ。
「クリス、今朝は悪かった。寝ぼけていたんだ。でも……無意識で。君を愛してるからしてしまったことだから、どうか許して欲しい。もう人前であんなことしない」
俺は彼女に駆け寄り、キュッと手を握って素直に謝った。彼女は頬を染め少し俯いた。
「と、とっても恥ずかしかったんですからね。でも、今回だけは許します」
「ありがとう。愛してる」
俺は彼女をぎゅっと抱きしめた。さっきまで心が沈んでいたのに、今はもう幸せだ。やっぱりクリスの存在は俺にはなくてはならないものだ。
「ジェフ、もうひと勝負どうだ?」
「ほお、いいのか? 愛する妻の前で負けても泣くなよ?」
「ふざけるな。俺が彼女の前で負けるはずがない」
クリスの前では俺は最強でなければならない。負けたまま終わるなんてあり得ない。
「二人は試合をしていらっしゃったのですか?」
「ああ、腕試しだ。クリスは危ないからここで見てて」
「はい。エル、頑張ってください!」
ニコリと微笑まれて、ドキッと胸が高鳴る。君のその一言で俺はなんでもできそうだ。あまりに現金だな、と思うがそんな自分が嫌いじゃない。
「悪いけどわざと負けてやるほど、俺は優しくないぜ」
「知ってるよ。さっさと来い」
それからカンカンと剣を激しく打ち合い、睨み合った。クリスは俺達の本気の試合に少しビックリしているようだった。
やはりこいつはすぐには勝たせてくれない相手だ。しかしだからこそ面白いし、親友なのだ。俺はグッと力を入れて、ジェフの剣を払う。
「お前の剣を受けると、手が痺れんだよ!」
そう言ってジェフは、一旦引いたように見せかけてサイドから素早く剣を振りかざしてきた。
「エル、危ないっ!」
彼女の声が聞こえた瞬間、ジェフの剣を遠くに弾き飛ばし喉に剣を突き立てた。
「くそ……悔しい」
「惜しかったな。でも、こっちには勝利の女神がついてるからな」
俺はクリスをチラリと見た。すると彼女がこちらに走って来た。
「二人とも凄いです。素敵です。もう私には途中から何が何だかわかりませんでしたけど!」
彼女は興奮気味にそう言ってくれた。
「今回はエルが勝ったのね。ふふ、格好良かった」
「君のおかげだよ」
よし、クリスに良いところを見せられた。彼女の頬をするりと撫でると、ぽっと頬を染めた。あー……可愛い。食べたいくらい可愛い。
そんなことを思っていると、後ろから急に「イテテ……」というわざとらしい声が聞こえてきた。ジェフは怪我なんてしていない。絶対していない。
「まあ、どこか痛めましたか?大丈夫ですか?」
クリスは俺の前からするりと姿を消し、ジェフの前にしゃがみ込んで心配そうにしている。こいつは手をおさえて「ここが痛いんだ。捻ったかな」とか甘えた声を出している。
「ここですか? 確かに赤くなってますね」
クリスは優しくジェフの腕を撫でている。こいつわざとだな。怒りで身体が震える。ギッと睨みつけると、クリスにバレないように俺にベーっと舌を出してきた。
「冷やすもの持って来ますね」
パタパタと走り去ったクリスを見届けてから、俺は胸ぐらを掴んだ。
「怪我なんてしてないよな?」
「疑うなんて酷い。腕赤くなってるだろ?」
「ここが痛いとか言ってる時に、自分でつねってんの見てんだよこっちは!」
「ふっ、バレたらしょうがない。くっくっく……まあ、俺は試合に負けたけど勝負に勝ったって感じ? クリスティンちゃんに看病してもらおーっと!」
そんなことを楽しそうに言っている。これ以上……クリスに触れさせるか。
「氷を持ってきました。あと塗り薬も」
「ありがとう。クリスティンちゃん、悪いけど塗ってくれる?」
「はい、もちろんです」
彼女が治療しようと手を伸ばしたのを、俺は掴んでなんとか阻止する。
「エル……?」
「クリス、俺がするよ。怪我の治療には慣れてるから、貸して。ジェフは大事な陛下の側近だから、慎重に手当てをしないとな」
「そうなのですね! では、お願いします」
俺は満面の笑みで、強めに薬を塗りたくってやる。ジェフは「グリグリすんな! 痛い!!」と小声で睨みつけてくるが無視だ。
「……試合も勝負も俺の勝ちだ」
「けっ、次は俺が勝つさ」
ジェフはムスッとした表情で、そう呟いた。
123
あなたにおすすめの小説
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
初恋をこじらせた騎士軍師は、愛妻を偏愛する ~有能な頭脳が愛妻には働きません!~
如月あこ
恋愛
宮廷使用人のメリアは男好きのする体型のせいで、日頃から貴族男性に絡まれることが多く、自分の身体を嫌っていた。
ある夜、悪辣で有名な貴族の男に王城の庭園へ追い込まれて、絶体絶命のピンチに陥る。
懸命に守ってきた純潔がついに散らされてしまう! と、恐怖に駆られるメリアを助けたのは『騎士軍師』という特別な階級を与えられている、策士として有名な男ゲオルグだった。
メリアはゲオルグの提案で、大切な人たちを守るために、彼と契約結婚をすることになるが――。
騎士軍師(40歳)×宮廷使用人(22歳)
ひたすら不器用で素直な二人の、両片想いむずむずストーリー。
※ヒロインは、むちっとした体型(太っているわけではないが、本人は太っていると思い込んでいる)
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる
ラム猫
恋愛
王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています
※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
勘違い令嬢の離縁大作戦!~旦那様、愛する人(♂)とどうかお幸せに~
藤 ゆみ子
恋愛
グラーツ公爵家に嫁いたティアは、夫のシオンとは白い結婚を貫いてきた。
それは、シオンには幼馴染で騎士団長であるクラウドという愛する人がいるから。
二人の尊い関係を眺めることが生きがいになっていたティアは、この結婚生活に満足していた。
けれど、シオンの父が亡くなり、公爵家を継いだことをきっかけに離縁することを決意する。
親に決められた好きでもない相手ではなく、愛する人と一緒になったほうがいいと。
だが、それはティアの大きな勘違いだった。
シオンは、ティアを溺愛していた。
溺愛するあまり、手を出すこともできず、距離があった。
そしてシオンもまた、勘違いをしていた。
ティアは、自分ではなくクラウドが好きなのだと。
絶対に振り向かせると決意しながらも、好きになってもらうまでは手を出さないと決めている。
紳士的に振舞おうとするあまり、ティアの勘違いを助長させていた。
そして、ティアの離縁大作戦によって、二人の関係は少しずつ変化していく。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる