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成就編
恋満ちる 27
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「瑞樹、呼ばれているぞ。さぁ行って来い。頑張れよ」
「はい! 」
女装姿の瑞樹は、俺にペコっとお辞儀して、菅野くんと去って行った。
ヤバっ、可愛すぎる! 本気で鼻の奥がツンとしてくる。さっき鼻血を出さなかったのは奇跡だ。それ程にまで、瑞樹の女装は可憐だった。
もともとスタイルのいい彼だ。ふんわりとした若草色のワンピースは瑞樹のテーマカラーのように、しっくりと色白な肌に似合っていたし、ざっくりとしたニットのカーディガンは彼の地毛の髪色や瞳の色と、相性が抜群だった。セミロングのウィッグは、彼の小顔にフィットし、淡いメイクも瑞樹に自然に馴染んでいた。
一体なんだ、なんだ? こんなにも巧みに瑞樹を変身させるとは、正直俺より上手だ。あぁそうか、きっと『みずきちゃんファンクラブ』の女性陣の仕業だな。
今の瑞樹は愛されている……周りの人に。
優しさと労りを感じる、配慮のある可愛い女装姿には大いに好感が持てた。
俺はさ、瑞樹自身が女装をしたいわけでないのをちゃんと理解している。だから余計に今日の君の姿は感慨深いよ。
彼は男性にしては優しく、きめ細やかな女性的な性質のタイプだが、けっして女性になりたいわけではない。
俺も同じだ。男の瑞樹が好きだ。瑞樹の平らな胸も、禁欲的な薄い躰も、男の躰を全部、愛している。
とは言え『あぁぁ~やっぱり女の子の格好も可愛かったな~』と唸ってしまう。(支離滅裂だ)
「パパ、おにいちゃんは、あんなにカワイイのに、どうしてカンノくんはあんなにヘンなの? ボク、てっきりあやしいテキかと思ったよ」
「ははは、確かに……どうも差がありすぎだったな」
女装させる側の気合いの差だろう。瑞樹みたいに映える子は滅多にいないだろう、と、つい自慢したくなる。
「さてと、帰るか」
「うん、おばーちゃんにこのカタナ見せるんだー! おにいちゃんにあったこともおしえてあげないとね」
「おっと、芽生。瑞樹が女の子の格好をしていたのは内緒にな」
「わかった! ヒミツだね」
本当は宴会を覗き見したかった。だが、部外者の俺が混ざったら瑞樹に迷惑をかけてしまうので、後ろ髪を引かれながらも部屋にすごすごと戻った。
****
「次は宴会の余興タイムです。今回は若手社員トリオの女装をご用意しました~! 見てお楽しみください。絶対に触れたらいけませんよ。女性社員がパトロールしていますからね~さぁ我が部署の花形の葉山くん、続いて頼れる菅野くん、新人の金森くんの登場です」
よし、いよいよだ。新入社員の頃を思い出すよ。
余興は、変におどおどしていては駄目だ。テンションをあげて弾けてしまうのが勝ちだったよな?
「よーし、行くぞ~」
「う、うん」
「葉山先輩ってば、可愛すぎです」
しかし僕はともかく、諸先輩方……菅野と金森の女装はどうみても手抜きでは? 菅野はいかつい体に安っぽいメイド服だし、金森はペラペラのセーラー服で、妙な男らしさ満載だ。
「うわー! 葉山くん、めっちゃ可愛い♡」
「金森と菅野は、女装というのか」
「わはは! 」
懐メロの曲に合わせて軽く3人で腰を振ると、皆、手拍子で大喜びだった。
身内だけのアットホームな部署での余興なので、変なことにはならない。しいて言えば一番危ないのは、金森だろう。さっきから僕を見る目つきが、明らかに女の子を見るようで困ってしまうよ。
「葉山、心配するな。アイツはこの俺が潰す」
「うん、頼む」
「よし、決行するぞ」
ダンスの後は、女装姿のまま再び宴会の輪に入った。
二人がかりで金森に熱心に酒を飲ませていると、リーダーが僕たちの間にやってきた。
「葉山、楽しんでいるな」
「あ、はい。お陰様で」
「……君にも、遊ぶ余裕が出来たようだな」
「……リーダー、本当に僕をまたこの部署に戻して下さって……」
「あぁ、君が築いてきた場所だからな。ここは」
「ありがとうございます」
久しぶりにリーダーと過去を振り返った。
春先の悲惨な僕は、もういない。
****
「おーい、しっかりしろよ」
「うひゃあぁ~もうだめっす」
「いい感じに酔えたな、金森よ」
「はぁいいいい?」
菅野と顔を見合わせて、思わず笑ってしまった。二人で担ぐように金森を部屋に運び、ベッドへと転がした。
「泥酔しているから、大丈夫だと思うが……コイツ、変なことしないよな」
「金森は危なっかしい奴だが、今までそういうことはなかったよ。もう大丈夫だ。ありがとうな」
「うーん、やっぱり心配だな」
「大丈夫だって。さぁ菅野も、部屋に戻らないと。リーダーが待っているよ。同室、頑張れ!」
「おう! 緊張するぜ~じゃサシで部屋飲みしてくる」
「うん、おやすみ」
菅野が去ったのも気が付かず、グーグーと大の字でイビキをかく金森を見て、やっぱり苦笑してしまった。
一応謝っておくか。
「金森、ごめんな。わざと沢山飲ませて」
でも危険要素は、なるべく排除したいんだ。
何故なら……もう僕に触れていいのは、宗吾さんだけだから。
しかし驚いた。宗吾さんと芽生くんだけでなくお母さんまで、まさか同じホテルに泊まっているなんて、流石フットワークの軽い宗吾さんだ。
部屋番号は確か、いい夫婦の日で『1122』と言っていた。
遊びに行きたい……
会いたい気持ちは、流石に今日は我慢しないと駄目かな。
社員旅行の意味が、なくなってしまうしね。
「はい! 」
女装姿の瑞樹は、俺にペコっとお辞儀して、菅野くんと去って行った。
ヤバっ、可愛すぎる! 本気で鼻の奥がツンとしてくる。さっき鼻血を出さなかったのは奇跡だ。それ程にまで、瑞樹の女装は可憐だった。
もともとスタイルのいい彼だ。ふんわりとした若草色のワンピースは瑞樹のテーマカラーのように、しっくりと色白な肌に似合っていたし、ざっくりとしたニットのカーディガンは彼の地毛の髪色や瞳の色と、相性が抜群だった。セミロングのウィッグは、彼の小顔にフィットし、淡いメイクも瑞樹に自然に馴染んでいた。
一体なんだ、なんだ? こんなにも巧みに瑞樹を変身させるとは、正直俺より上手だ。あぁそうか、きっと『みずきちゃんファンクラブ』の女性陣の仕業だな。
今の瑞樹は愛されている……周りの人に。
優しさと労りを感じる、配慮のある可愛い女装姿には大いに好感が持てた。
俺はさ、瑞樹自身が女装をしたいわけでないのをちゃんと理解している。だから余計に今日の君の姿は感慨深いよ。
彼は男性にしては優しく、きめ細やかな女性的な性質のタイプだが、けっして女性になりたいわけではない。
俺も同じだ。男の瑞樹が好きだ。瑞樹の平らな胸も、禁欲的な薄い躰も、男の躰を全部、愛している。
とは言え『あぁぁ~やっぱり女の子の格好も可愛かったな~』と唸ってしまう。(支離滅裂だ)
「パパ、おにいちゃんは、あんなにカワイイのに、どうしてカンノくんはあんなにヘンなの? ボク、てっきりあやしいテキかと思ったよ」
「ははは、確かに……どうも差がありすぎだったな」
女装させる側の気合いの差だろう。瑞樹みたいに映える子は滅多にいないだろう、と、つい自慢したくなる。
「さてと、帰るか」
「うん、おばーちゃんにこのカタナ見せるんだー! おにいちゃんにあったこともおしえてあげないとね」
「おっと、芽生。瑞樹が女の子の格好をしていたのは内緒にな」
「わかった! ヒミツだね」
本当は宴会を覗き見したかった。だが、部外者の俺が混ざったら瑞樹に迷惑をかけてしまうので、後ろ髪を引かれながらも部屋にすごすごと戻った。
****
「次は宴会の余興タイムです。今回は若手社員トリオの女装をご用意しました~! 見てお楽しみください。絶対に触れたらいけませんよ。女性社員がパトロールしていますからね~さぁ我が部署の花形の葉山くん、続いて頼れる菅野くん、新人の金森くんの登場です」
よし、いよいよだ。新入社員の頃を思い出すよ。
余興は、変におどおどしていては駄目だ。テンションをあげて弾けてしまうのが勝ちだったよな?
「よーし、行くぞ~」
「う、うん」
「葉山先輩ってば、可愛すぎです」
しかし僕はともかく、諸先輩方……菅野と金森の女装はどうみても手抜きでは? 菅野はいかつい体に安っぽいメイド服だし、金森はペラペラのセーラー服で、妙な男らしさ満載だ。
「うわー! 葉山くん、めっちゃ可愛い♡」
「金森と菅野は、女装というのか」
「わはは! 」
懐メロの曲に合わせて軽く3人で腰を振ると、皆、手拍子で大喜びだった。
身内だけのアットホームな部署での余興なので、変なことにはならない。しいて言えば一番危ないのは、金森だろう。さっきから僕を見る目つきが、明らかに女の子を見るようで困ってしまうよ。
「葉山、心配するな。アイツはこの俺が潰す」
「うん、頼む」
「よし、決行するぞ」
ダンスの後は、女装姿のまま再び宴会の輪に入った。
二人がかりで金森に熱心に酒を飲ませていると、リーダーが僕たちの間にやってきた。
「葉山、楽しんでいるな」
「あ、はい。お陰様で」
「……君にも、遊ぶ余裕が出来たようだな」
「……リーダー、本当に僕をまたこの部署に戻して下さって……」
「あぁ、君が築いてきた場所だからな。ここは」
「ありがとうございます」
久しぶりにリーダーと過去を振り返った。
春先の悲惨な僕は、もういない。
****
「おーい、しっかりしろよ」
「うひゃあぁ~もうだめっす」
「いい感じに酔えたな、金森よ」
「はぁいいいい?」
菅野と顔を見合わせて、思わず笑ってしまった。二人で担ぐように金森を部屋に運び、ベッドへと転がした。
「泥酔しているから、大丈夫だと思うが……コイツ、変なことしないよな」
「金森は危なっかしい奴だが、今までそういうことはなかったよ。もう大丈夫だ。ありがとうな」
「うーん、やっぱり心配だな」
「大丈夫だって。さぁ菅野も、部屋に戻らないと。リーダーが待っているよ。同室、頑張れ!」
「おう! 緊張するぜ~じゃサシで部屋飲みしてくる」
「うん、おやすみ」
菅野が去ったのも気が付かず、グーグーと大の字でイビキをかく金森を見て、やっぱり苦笑してしまった。
一応謝っておくか。
「金森、ごめんな。わざと沢山飲ませて」
でも危険要素は、なるべく排除したいんだ。
何故なら……もう僕に触れていいのは、宗吾さんだけだから。
しかし驚いた。宗吾さんと芽生くんだけでなくお母さんまで、まさか同じホテルに泊まっているなんて、流石フットワークの軽い宗吾さんだ。
部屋番号は確か、いい夫婦の日で『1122』と言っていた。
遊びに行きたい……
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