魔力ゼロの悪役令嬢が 最強の魔女になれたのは、優しい魔王さまの嫁だから

恋月 みりん

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16章

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16.章 薬草



ある晴れた日、国王の衛兵えいへいから、王令おうれいが高らかに宣言される。


「王令!!


カリナ・オルデウス嬢を正式な王太子妃として迎えることとする。」




{こんにちは。親愛なるカリナ。


まずはお祝いさせて。


リアルとの婚約おめでとう。


わたくしが何より嬉しいのは貴女がこれで名実ともに、わたくしの家族の一員になってくれたと言う事。


だからお祝いもかねて、わたくしのお茶会に来てくださらないかしら?


もちろん、王妃も招待するわ。


女だけの秘密のパーティにしましょう。素敵なものをたくさん用意するわ。


愛をこめて。メアリー・アルスラヌスより}


こんな素敵な手紙をもらえるなんて…。


カリナは心から感激した。




─ある朝のこと。オルデウス家の屋敷の炊事場すいじば。裏口が何やら、騒がしい。


どうも、珍しい、物売りの行商人ぎょうしょうにんが、訪ねてきたらしく、メイド達はその話題で持ちきりだ。


そこへたまたま、軽食をもらいにキッチンに通りかかった、カリナを、召使が呼び止めた。


「お嬢さま、今日面白い、行商人が来ているんですよ。」


「その行商人は、すごくよく効く、薬草を分けてくれるんです。お嬢様も、いかがですか?」 


「その薬草を、飲んだら、すごく体が軽くなって。肌ツヤもよくなったんです。」


そう言って召使はカリナに薬草を勧めた。


「他にも、ハンナの母親のリウマチにも効いたんですって。」


「この薬草は、どんな病にも効くそうですよ。」


「どんな病でも!?」


そう言って、カリナは驚いた。


『王太后様は足がお悪いとおっしゃっていたわ…。わたしが試しに飲んでみて、もし良かったら、薬草を持って行ってみよう。』



「おばあさん、薬草は足にも効くかしら?」


「もちろんでごさいますよ、お嬢さま」


「わたしもいただきます。おいくらですか?」


「今日は、サービスしておきますよ。今後ともごひいきに…。」


『そうだ、さっそく今日の午後、このお茶をハーブティーにして飲んでみよう。』



カリナはさっそく、午後のお茶の時に、この薬草のハーブティーを試してみた。


少し、怖いけど、ひとくち飲んでみる。


すると、口いっぱいに広がる、さわやかな味、香りに魅了みりょうされた。


それに午後の仕事も、なんだか調子良く運んでいる。


「本当にこの薬草はよく効くわ。目の疲れも和らいだみたい。味も悪くないし、王太后様におススメしてみよう。」


そう言って、カリナは王太后の喜ぶ顔を想像していた。




─後日、王太后と王妃との、お茶会があった。


召使いが説明する。


「このハーブティーはカリナ様が持っていらっしゃった物なんですよ。」


「本当⁈」


「あら、美味しい。それに、いいにおいね。」


王妃も気に入ってくれたようだ。


「あら、そうなの」


そう言って王太后はハーブティーに口をつけた。


《ガッシャーン!!》


「きゃああああああぁぁぁぁぁ!!!!!」


屋敷中に、とどろく。召使の悲鳴。


「王太后様が、お倒れになられました!!」
 

「王太后様、王太后様、お気を確かに!!」


召使たちは忙しく、動き出す。


「誰か!御典医ごてんいをよんで!」



王太后を診察した、王室付きの医師は診断する。


「これは、どくです。」


王妃は医師に詰め寄る。


「どういう事です、このハーブティーは私も飲みました。それでも、こうして無事でいます。」


医師は、王妃に説明する。


「確かにこの薬草は、人体に大変良い効能こうのうが含まれています。」


しかし、医師はきっぱりと言い放つ。


「ですが、心臓のお悪い王太后様には大変、危険な薬草です。」


それを聞いて、カリナは今にも倒れそうだ。


「う…うそ…。」


「この薬草の解毒剤は、同じ草の果肉かにく部分なのですが、なにせ貴重な薬草で。しかも今の季節に手に入るかどうか。」


この騒ぎを聞きつけ、たまたま屋敷の近くに視察しさつに訪れていた、王太子リアルも駆けつけた。


「ど…どうしよう」


カリナは顔を青くして震えている。


『あの行商人の女を、見つけなければ…』


そうこう、しているうちに、
衛兵が隊をなして、部屋に雪崩なだれれ込む。
衛兵隊長えいへいたいちょうが王妃に報告する。


「王妃様、毒を盛ったのは、カリナ•オルデウスです。カリナ•オルデウスを逮捕いたしましょうか?」


「逮捕ですって、やめてちょうだい!」


衛兵隊長は、不服ふふくげに聞き返す。


「しかし!」


王妃はカリナを、気遣いこう言った。


「カリナ、今日は屋敷に帰りなさい。」


カリナは今にも倒れそうになりながら、帰路きろへついた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

あとがき


「面白かった!」


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