ハンバーグ屋は転生してもハンバーグ屋!〜異世界冒険挽肉譚〜

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15口目「愛した人の言葉」

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大剣を手にした鉄火。

対峙するファルディア。

両者を背にして再び武人の像の前へ向かう。



しかし、一度経験したように、

ハンバーグだけでは何も起こることは無い。



店主「くそ!僕のハンバーグじゃ最高の料理にならないのか!」



悔しさともどかしさ…

しかし、この場で新たな料理が開発出来る訳でもない。

店主「せめて、何かヒントは無いのか…!」

店主は思い出した。



誰よりもディッシュタウンを愛した人の言葉を…





一方、ファルディアと対峙する鉄火。



鉄火「こんなでっけぇ大剣、国で修行した以来だぜ…」

鉄火の母国、シャリィ王国では幼少期から自衛のために武術を学ぶ。



しかし、寿司の道を進んだ鉄火にとって、戦闘は不慣れである。



ファルディア「料理人が剣を取ったところで扱えなければ意味は無い。戦う者に対する冒涜…」

鉄火「それはどうかな…!はああ!」



鉄火の背丈程ある大剣…

軽やかに空を切り裂く。

鉄火「料理人を舐めるなよ…!」

鉄火はシャリィ王国一番の剣の使い手だった。



ファルディア「いい太刀筋だ…」

頬に血が流れる。



2人の刀と槍が光のように交える。

鉄火「ふん!はぁっ!」

ファルディア「…!」

ファルディアから衝撃波が放たれる。



鉄火「くそっ!こいつの魔法…やっぱつええ…!あんま長くは持たねぇぞ…」



…微かな希望を店主に託す。



ファルディア「遊びは終わりだ…」

禍々しい光が一点に集まる。

魔法の知識が無い鉄火も危機を察した。



鉄火「あれはまずい!おい、まだか!まだ武人は目覚めないのか!」

激しい大地の震動に鉄火の声は掻き消される…



その時、店主と同様に、鉄火もあの言葉を思い出した。



ブルオード「2人とも最高の一品を英雄に…!」




店主「鉄火!」鉄火「受け取れ!」

2人の声は重なる。

しかし、2人の思考は一致していた。



店主「これでどうだ!」





ファルディア「終わりだ…」

禍々しい光線が鉄火の胸を貫く。

その瞬間…



「ゴゴゴゴゴ…!!」

激しい音と共に像は動き出し、光線を弾く。



店主「こ、これが英雄…!」

店主の元に鉄火が駆け寄る。

鉄火「おい、遅せぇよ!ギリギリだったぞ。」

店主「鉄火も僕と同じタイミングで気づいてたじゃん。」



ファルディア「一体どうやって…!」



店主「ブルオードさんの言葉さ…一品なのに、なんで2人ともって言ったのか。」

鉄火「多分おっさんは答えが分かってたんだ。俺達2人の料理が最高の一品だって。」



ファルディア「一度も目覚めることの無かったはずだ…!一体何をした…!」



2人「俺達の最高の料理を組みあわせた…ハンバーグ寿司さ…!」



続く。
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