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さよならお義兄様

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今流行りのテンプレ的な冤罪なのに断罪からの処刑。

命を絶たれる寸前、神様っと呟いた。

そして悪役令嬢として断罪されたべディアは突然前世に飛ばされた!

「ほげっ」
首繋がってるじゃんっと首を撫で撫で
「いや~ゲームしながら寝落ちしたら、マジやばい夢見ちゃったよ。冷蔵庫に酎ハイまだあったかしら?」

典型的なゲームオタクの喪女の私はゴソゴソと狭いアパート台所に向かったのであった。

凄いよね。
なんかこんな夢もう10回位見ているわ。。。あれ??
違う。。。

いつもは子供に戻るんだ。そして何度生まれ変わってもどのルートでもろくな死に方をしない。

いきなりいつもの幼児ではなく現代にって、もしかしてこれって前世なのかっ? 異世界転生したけど余りの不幸続きに前世に戻された?

「神様ありがとう」

前世に飛ばされたには何かこの死んじゃう運命から逃れられるの?

全力でって言っても狭いアパートでゲーム機を掴み、やりかけの乙女ゲームを起動させた。

記憶と解放されたルートとスチルを擦り合わせた結果、王太子ルート以外は、普通に婚約してて仲良いし、結婚してるのに、死ななくても良いルート、 

なのに!?

全く出番の無いルートでも死んでいる事が判明した。王太子ルートだって、隣国行っちゃうだけだよ!処刑とか死んだりしてないの!
 
全然関係ない話なのに死んじゃうなんておかしい?
 うう
攻略キャラでやって無いのは悪役令嬢の義兄ルートのみ。
この義兄私のこのみだった。好きなものは最後に食べる主義の私はこの義兄ルート最後にしてたんだわ。

そして義兄ルートをプレイした。(ヒロインとしてだけど)

実は義兄は父の恋人との実子だった!
政略結婚でお腹に子供がいるにも関わらず、別れ1人で育ててた母が亡くなり、親戚をたらい回しになったところで実の父に養子として引き取られた。本妻との唯一の子供である義妹(私)が王太子の婚約者になったので、遠い親戚からの子として養子にとられた兄の苦労と涙のルートでゲームでは本当のことが分かり家族全員めでたしめでたしになってるんですけど!

まさか本当の兄妹だったとは!

バッドエンドは。。。

う~ん
ヒロインが私の婚約者である王太子の事が好きだと思い込んだ義兄が美人局宜しく幼馴染の男爵令嬢のヒロイン(自分と同じく愛人の子供、ネットワークでもあるんかい?怒)を私の婚約者に宛てがい、私の母を恨みに思ってたのもあいなって冤罪を仕立て上げ私を悪役令嬢に仕立て上げた。
でもヒロインと義兄が上手くいかなかっただけで私は普通に王太子妃になってるんですけれど!
政略結婚とは言え婿養子だし父の実家に支援してるし、そこまで悪辣なことは母も母の実家もしてないにも関わらず、私と母を恨んでるなんて、もしかして全ての転生において死んだのって全部義兄のせい?そう考えれば辻褄があう!

その途端にゲームの世界に戻り幼児になっていたのでした。

「おかあたまぁ。。。」
アラフォーの喪女からの金髪美少女!転生万歳!今度こそ結婚子育てしてみせる!

「おかぁたまがしんじゃうゆめみたのっ」
「おとぅたまがおにいたまをつれてくるの」
「おとぅたまはおにいたまにおうちをつがせたいからほんとうのこどもっていわないの」
「うそがばれちゃうからおかぁたましんじゃうの。べてぃのこともじゃまだからおしろにぽいされちゃうの。
がっこうにもいかせてもらえないでおうじさまのためにってずーっとおべんきょうとしちゅむしてたのに、おにいたまがべてぃがおうじさまのしんじつのあいのひとにいじわるしたってべてぃわるいひとだっていじわるしてないのにころされちゃうの。おかぁたまもべてぃもしんじつのあいじゃないからってしんじゃうの」


まだ存命の祖父母の家に行き、恐ろしい夢を見たと、嘘を混ぜつつ義兄の事を話した。
結婚前に父に恋人がいたことを知っていた祖父母は顔面蒼白になり、義兄の存在を突き止め、両親は離婚しました。
お母様が亡くなったのは流行り病でしたが、宮廷勤めの父と離縁して王都を離れ領地に移った為、病には罹らず、女公爵として領地の切り盛りをしています。我が国は女性でも叙爵出来るので私も将来は婿養子をもらい公爵家を継ぐ予定です。

公爵家の跡取りとして早くから英才教育を施され、何十回と王太子妃教育を施され、前世の知識も小出しにした私は学園に入学する頃には無双状態!絶賛婿養子募集中にいつも周りは親衛隊で固められているの。
義兄の失脚でいとしのハニーちゃん(男爵令嬢の愛称)が学園に現れなかったせいか周りをちょろちょろする第一王子を自慢の縦ロールで払いのけ学園の女王として学生生活をエンジョイしたのでした。




PS.義兄は実家に出戻った父と再会し、平民となりながらも親子仲良く暮らしているそうです。

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