こんな私ですが、勇者って呼んでもらえないですか?

赤茄子

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03:受付嬢

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 『ナタ村』
それがこの村の名前らしい。

「そして、この村の受付嬢を務めさせていただきますカティと申します。
どうぞよろしくお願い致します」

 妙に恭しく、両手を前に組んで
お辞儀をした彼女からは、
淑やかな印象を受けざるおえなかった。

 数分前の元気で無邪気な姿はまるでどこかへ消えてしまったようだ。

「……こちらこそ、
よろしくお願いします」

「はいっ!よろしく
お願いされましたっ!」

 あ、戻った。

「いやぁ~あの口調疲れるんですよぉ制作側も初っ端の挨拶を、全受付嬢共通の雛形で済ますなっての。
キャラ分けはちゃんとやれよって感じですよねぇ~」

 どうも、キャラ作りが雑な事にご乱心なようだ。

「……あの、キャラ分けってことは、ソフトの個体によって、受付嬢の仕様が異なるってことですか?」

「そうですねぇ……ふむふむ?
『受付嬢は髪型から性格まで多種多様なパターンがあります。その中でソフトダウンロード時にランダムに形成されます。』だそうです。 へぇ」

 カティは、頑張って概要説明書を
音読してくれた。

 ……わざわざカンペ読ませるとは演出凝ってるなぁ。

「あっ!ちなみに決められているのは最初だけで、私達には人工知能が搭載されているので今ここにいるカティは
世界に一つだけのカティですよ!!!
良かったですね!!!!」

 恩着せがましいわ

「あと、既に名前を言い合った友なんですから、敬語なんて辞めてくださいねっ!」

 ……突然で申し訳ないが、
読者のみなさん。

 コミュニケーション能力を
母胎に置いてきた陰キャが、
人と会話する時に困るシチュエーションはどれか当ててもらいたい。

1、相手が自分とは真逆で超ハイテンション。

2、「なんでいつも敬語なの?敬語やめて喋ってよww」って言ってくる。

3、実は気にしている陰キャである事をいじってくる。

さぁ、どれでしょう?

 正解はーーーードゥルルルルルゥゥージャンッ!

 全部でしたーー!!

 はい。そうなんですよ。
1は一緒にいるだけで疲れるし、
2、3に関しては割とグサッとくる、
コンプレックスに塩を塗る
ワードなんですよ。

 みなさんも陰キャさんと
会話する時はぜひ気を
使ってくださいね。

 カティは今、上記の2つを
満たしている。
もしコンプリートされたなら、もう自分の精神力は砕けてしまうだろう。

 きっともう立ち上がれない。
俺の心は儚い硝子のハートなのだ。

 硝子のハートって言えば、なんとなく良く聞こえるよね。

「おやおや?反応がありませんねぇ?別に、見た目が陰キャっぽいからって行動まで影薄ーくしなくてもいいんですよ?(笑)」

 パリーンッ! 聞こえるはずの
ない音が、聞こえて欲しく
なかった音が、頭の中で駆け巡った。

「……」

「おやぁ~?まさか、真性の陰キャさんでしたか!いやはや、大変申し訳ございませんっ!

まさか、ホンモノさんだっとは露とも知らず」

 この子、まだ俺のメンタル殺しに
来てるよ死体蹴りとは趣味が悪い。

「……もう帰る」

「ああっ!待って待って!!私が悪かったです!遊びすぎました!!ほらっ今からクエスト行きましょう!ね?ね?」

 ゲーム内で人工知能少女にからかわれ、
泣く高校生。新たな黒歴史の誕生である。

「さぁ!クエストの説明を
したいと思います!」
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