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第六章(ライトノア学院試験編、ソフィアとアゼリア、レイドとメル、リリアとサイモンとの出会い)
(ソフィア)303 世界を変える存在
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(ソフィア)
最初、レオン様を目にした時、私は今までに感じたことのない不思議な感覚を味わった。
そこに誰かいるの???
目でははっきりとその姿が見えているのに、その存在を感知できない。
そんな不思議な感覚を覚え、そんな事があるはずない!────と目を凝らしてみると……今度感じるのはくっきりと引かれた何かの『境界線』だ。
その存在にこれ以上近づいてはいけない、進めばもう二度とこの世には戻ってこれない。
そんな漠然とした未知の不安や焦燥感……そして人の禁忌を犯してしまうというよく分からない恐怖感を、私の心に一瞬で与えた。
『人ならざるもの』
そんな言葉が頭をよぎったが、しかしそれは一瞬で消え去った。
リーフ様という存在を通して見るそのレオン様は、普通……とは言い難いが、少なくともよく分からない恐怖感があっという間に飛散してしまったからだ。
リーフ様の奴隷である『レオン』様。
私にとって、同じ『人』を奴隷にするという行為はどうしても受け入れがたい事ではあったが、彼らの関係性は少なくとも嫌悪するような暴力的なものは無いようだし、奴隷である方のレオン様からは、少なくとも悪い感情的なものは感じない。
むしろ、主人であるリーフ様の方が暴力的な行為をされているくらいだ。
そんな2人の関係性にホッとするのと同時に、レオン様に最初に抱いた不思議な感覚は気の所為だったのだろうとそう思っていたのだが……その後、突如晒されたレオン様の容姿に私は崩れ落ちそうになった。
呪いの象徴ともいえる『黒』一色の髪と瞳、左半身には私程度ではその恐ろしさすら感知できないほどの恐ろしい呪詛の言葉の数々。
そしてそんな個人で抱えるのには重すぎるそれを抱えながら、平然とした態度と何一つ感情が読めない空虚な目……。
そのどれもが耐えられないくらいの恐怖を引き連れて私を襲い、フラッと倒れそうになったところをアゼリアが支えてくれたが、それがなければ1人で立っていることも出来ない。
そんな私を支えてくれているアゼリアも気丈に立っているが、勿論震えていた。
「嫌な感覚の正体は……呪いだったのか……。」
アゼリアは恐怖を祓うかのように言い捨て、レオン様を睨む。
私も同様に震えながらも、これがこの国にとって脅威となる存在か否かを見極めなければと奮起し、スキル<祖質鑑定>を発動した。
そうしてレオン様を『見た』その瞬間────────……突然会場中がまるで一瞬で夜に変わったように黒く染まり、私はたった1人その場に立ち尽くしていた。
「ここは一体……アゼリア?」
いつも傍らにいるアゼリアの名前を口に出すも、反応がない。
それどころか、あんなにも沢山の人がいたのに、誰一人いない様だ。
それに気づくと、耐えきれない程の恐怖が私の身を襲い、崩れ去る様にその場にへたり込むと、徐々に私という『個』が『黒』に溶かされ消えていくのが分かった。
手の感覚が、足の感覚が、末端の方から消えていく……。
────怖い!
怖くて怖くて堪らない!!
自分の存在が消えるという原始的な恐怖を前に、私は必死に手を閉じたり開いたりして『存在している事』を確かめようとしたが……そんな感覚も直ぐに消え、周囲の『黒』に成すすべもなく私は消されていった。
震える事しかできない私は、『私』が消えていくのを残された目で黙って見ていると……。
────……ぶ~……あぅっ~……。
そんな赤子のぐずる声?が後ろの方から聞こえてきたので、私はゆっくりとそちらへ視線を向ける。
するとそこには50~60代くらいだろうか……?
特に突出した特徴がない茶色い髪、スッキリした顔に、鼻の頭にはそばかすという何処にでもいそうな特徴の……でも瞳だけは黒に近い茶色という珍しい色をしている男性が立っていて、その手のには小さな赤ん坊を抱いていた。
どうやら、今のぐずるような声はその手に抱かれた赤ん坊から発せられたらしい。
その赤ん坊は神の色とされている銀色の髪をしていて、その髪はこの真っ黒な空間でキラキラと光り輝いている。
そしてまるで神様?と勘違いするほど美しい顔立ちをしていて、神々しさまで感じる赤ん坊であった。
しかし……ジッとこちらを見つめてくる目はゾッとするほど冷たく、外見から受けるイメージとは正反対とも言える恐ろしいイメージを私に与えてきた。
「よ~しよし、======は、いい子いい子。さぁ、そろそろネンネしようか。」
赤ん坊を抱いている男性が突然この場に全く相応しくないのんびりとした声でそう言うと、私を刺し続ける恐ろしいイメージは一瞬で消え去る。
そしてそのおじ様は赤ん坊を揺すり始め、時に振り回し、上にポ~ンと投げたりして更には見たことのない変なステップを踏む。
この人は、この『黒』が見えないのだろうか……?
あんなゾッとするくらいに美しく、そして恐ろしい赤ん坊を前に何も感じないのだろうか?
様々な事を考えてしまい、心配になったが……?
────ニコッ……!
赤ん坊は笑った。
冷たい表情から一変、天使の様な幸せ一杯の笑顔で……。
そしてその後、瞬きすれば一瞬で景色は変わり、今度は一面真っ白な世界に変わる。
頭がついていけない状況でどこを見ても真っ白なその世界を見回していると……目の前に、背を向けた1人の男性が立っているのに気づいた。
銀色のキラキラと輝くような髪、背はとても高く軍神を思わせる様な体格と雰囲気。
黒いマントを羽織り、上半身は簡素な白銀の鎧を身につけている。
その格好はアルバード王国の騎士団と似たデザインで、もしかして騎士団員だろうか?と思ったが、こんな髪色をしている者はそもそもこの世にいないはずと思い直した。
一体このお方は……?
その人物にゆっくりと視線を走らせていると────私は、はっ!と息を飲む。
この方……右手が無い。
最初、レオン様を目にした時、私は今までに感じたことのない不思議な感覚を味わった。
そこに誰かいるの???
目でははっきりとその姿が見えているのに、その存在を感知できない。
そんな不思議な感覚を覚え、そんな事があるはずない!────と目を凝らしてみると……今度感じるのはくっきりと引かれた何かの『境界線』だ。
その存在にこれ以上近づいてはいけない、進めばもう二度とこの世には戻ってこれない。
そんな漠然とした未知の不安や焦燥感……そして人の禁忌を犯してしまうというよく分からない恐怖感を、私の心に一瞬で与えた。
『人ならざるもの』
そんな言葉が頭をよぎったが、しかしそれは一瞬で消え去った。
リーフ様という存在を通して見るそのレオン様は、普通……とは言い難いが、少なくともよく分からない恐怖感があっという間に飛散してしまったからだ。
リーフ様の奴隷である『レオン』様。
私にとって、同じ『人』を奴隷にするという行為はどうしても受け入れがたい事ではあったが、彼らの関係性は少なくとも嫌悪するような暴力的なものは無いようだし、奴隷である方のレオン様からは、少なくとも悪い感情的なものは感じない。
むしろ、主人であるリーフ様の方が暴力的な行為をされているくらいだ。
そんな2人の関係性にホッとするのと同時に、レオン様に最初に抱いた不思議な感覚は気の所為だったのだろうとそう思っていたのだが……その後、突如晒されたレオン様の容姿に私は崩れ落ちそうになった。
呪いの象徴ともいえる『黒』一色の髪と瞳、左半身には私程度ではその恐ろしさすら感知できないほどの恐ろしい呪詛の言葉の数々。
そしてそんな個人で抱えるのには重すぎるそれを抱えながら、平然とした態度と何一つ感情が読めない空虚な目……。
そのどれもが耐えられないくらいの恐怖を引き連れて私を襲い、フラッと倒れそうになったところをアゼリアが支えてくれたが、それがなければ1人で立っていることも出来ない。
そんな私を支えてくれているアゼリアも気丈に立っているが、勿論震えていた。
「嫌な感覚の正体は……呪いだったのか……。」
アゼリアは恐怖を祓うかのように言い捨て、レオン様を睨む。
私も同様に震えながらも、これがこの国にとって脅威となる存在か否かを見極めなければと奮起し、スキル<祖質鑑定>を発動した。
そうしてレオン様を『見た』その瞬間────────……突然会場中がまるで一瞬で夜に変わったように黒く染まり、私はたった1人その場に立ち尽くしていた。
「ここは一体……アゼリア?」
いつも傍らにいるアゼリアの名前を口に出すも、反応がない。
それどころか、あんなにも沢山の人がいたのに、誰一人いない様だ。
それに気づくと、耐えきれない程の恐怖が私の身を襲い、崩れ去る様にその場にへたり込むと、徐々に私という『個』が『黒』に溶かされ消えていくのが分かった。
手の感覚が、足の感覚が、末端の方から消えていく……。
────怖い!
怖くて怖くて堪らない!!
自分の存在が消えるという原始的な恐怖を前に、私は必死に手を閉じたり開いたりして『存在している事』を確かめようとしたが……そんな感覚も直ぐに消え、周囲の『黒』に成すすべもなく私は消されていった。
震える事しかできない私は、『私』が消えていくのを残された目で黙って見ていると……。
────……ぶ~……あぅっ~……。
そんな赤子のぐずる声?が後ろの方から聞こえてきたので、私はゆっくりとそちらへ視線を向ける。
するとそこには50~60代くらいだろうか……?
特に突出した特徴がない茶色い髪、スッキリした顔に、鼻の頭にはそばかすという何処にでもいそうな特徴の……でも瞳だけは黒に近い茶色という珍しい色をしている男性が立っていて、その手のには小さな赤ん坊を抱いていた。
どうやら、今のぐずるような声はその手に抱かれた赤ん坊から発せられたらしい。
その赤ん坊は神の色とされている銀色の髪をしていて、その髪はこの真っ黒な空間でキラキラと光り輝いている。
そしてまるで神様?と勘違いするほど美しい顔立ちをしていて、神々しさまで感じる赤ん坊であった。
しかし……ジッとこちらを見つめてくる目はゾッとするほど冷たく、外見から受けるイメージとは正反対とも言える恐ろしいイメージを私に与えてきた。
「よ~しよし、======は、いい子いい子。さぁ、そろそろネンネしようか。」
赤ん坊を抱いている男性が突然この場に全く相応しくないのんびりとした声でそう言うと、私を刺し続ける恐ろしいイメージは一瞬で消え去る。
そしてそのおじ様は赤ん坊を揺すり始め、時に振り回し、上にポ~ンと投げたりして更には見たことのない変なステップを踏む。
この人は、この『黒』が見えないのだろうか……?
あんなゾッとするくらいに美しく、そして恐ろしい赤ん坊を前に何も感じないのだろうか?
様々な事を考えてしまい、心配になったが……?
────ニコッ……!
赤ん坊は笑った。
冷たい表情から一変、天使の様な幸せ一杯の笑顔で……。
そしてその後、瞬きすれば一瞬で景色は変わり、今度は一面真っ白な世界に変わる。
頭がついていけない状況でどこを見ても真っ白なその世界を見回していると……目の前に、背を向けた1人の男性が立っているのに気づいた。
銀色のキラキラと輝くような髪、背はとても高く軍神を思わせる様な体格と雰囲気。
黒いマントを羽織り、上半身は簡素な白銀の鎧を身につけている。
その格好はアルバード王国の騎士団と似たデザインで、もしかして騎士団員だろうか?と思ったが、こんな髪色をしている者はそもそもこの世にいないはずと思い直した。
一体このお方は……?
その人物にゆっくりと視線を走らせていると────私は、はっ!と息を飲む。
この方……右手が無い。
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