【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

文字の大きさ
438 / 1,649
第十章

422 執事

しおりを挟む
( レオン )

力のコントロールは完璧に出来るようになった。

俺はリーフ様の願いを叶えることができたのだ!

喜び、誇らしい気持ち、褒めて欲しい気持ちが後から後から溢れでて、直ぐに会いにいこう!と思ったが────1つ問題が残っている。

  
このは持ち帰らなければならないのか……。


そんな気持ちがムクムクと顔を出し足を止め、先程 "  使って  "  バラバラになってしまったモノ達を見下ろす。


そして更に……俺は先程スキル< 多次元ボックス( ??? )>から出した大量の玩具達が転がっている場所へと視線を向けた。


” 落とし物は落とし主へ返却 ” 


そのルールに従い、今足元に転がっているモノ達に街で  "  使った  "  奴ら全員を返してやったのに……。

その落とし主がいなくなってしまった場合は、落とし主ごと全て俺が持ち帰らなければならないのか……?


どうするべきかと考えながら、とりあえず多次元ボックス内へ足元の転がっているモノを4つ全て収納すると、さっき出してしまった残りも一旦回収するため、そちらへ歩き出そうとした、その時────……。

俺が創り出した空間の外に、見知った魔力反応を持った沢山の小動物やモンスター達がいる事に気づいた。


確かこの反応はリーフ様の邸にいるあの執事の男の……。


それを思い出しながら、俺はスキル< 無限迷子( ??? )>を解除し、元の次元軸へと帰還する。

すると、執事は直ぐに俺の存在に気づいたらしく一匹の< 伝電鳥 >が近くの木の枝に止まった。


《 レオン君!無事な様で何よりだ!

リーフ様やモルト君、ニール君も全員無事かね!? 》


鳥から聞こえるのはその執事の声。

リーフ様という言葉にピクリと反応し、常に貼り付けている俺の ” 目 ” から絶えず送られてくる視覚情報に意識を集中する。


すると楽しそうな様子で細いの、太いのと一緒にゲームに興じている様子が見えたので、問題ない事を伝えてやると、ホッと息を吐く音が鳥から聞こえた。


《 そうかっ……!それは良かった……。

────レオン君、落ち着いて聞いてくれ。

今、そちらの状況は非常に良くない。


現在、最高ランクの実力を持った者達が街に潜伏し、リーフ様の暗殺を目論んでいるようなんだ。

ドノバンがそちらに着くまでなんとか4人で持ちこたえてほしい。

……しかし、相手は恐ろしく強い上に数から見ても絶望的だ。


とにかく逃げることに徹し時間を稼ぐしかないだろう。 》


最高ランクの実力を持った者達……??


真剣な雰囲気は伝わるが、俺は、はて?と首を捻る。


そんな者達が街にいるのか……?


一応探知魔法で世界中を隈なく探したが、そんな反応は一切無し。

タイミング的には合っているので、恐らく俺が ” 使った ” 奴らだと思うのだが……。


「 リーフ様に付き纏っていた奴らのことか?

街の中に数十人、街の外に4人ほどいたが……。 」


《 ……!!恐らくそいつらだ!まだ動き出す前という事か……。

…………もしや何かトラブルでもあったのかもしらんな。

どちらにせよチャンスだ。奴らが動き出す前に脱出しよう!


まずは────。 》


「 そいつらならもう動くことはないが……殺さない方が良かったか? 」


執事の男が何かに使いたかったのかもしれないと思い、尋ねてみたのだが、そのままシン……と沈黙してしまった。

その様子を不思議に思いながらも、とりあえず答えを待っていたのだが……。


《 ……すまないが、少し待ってくれ。 》


白い鳥はそう言い、突如バサッと飛んでいったかと思えば、直ぐにスイ~と同じ木の枝に戻ってきた。


《 ……森に転がっている沢山の死体は、全てレオン君がやったのかな? 》


この次元軸に戻る際、きちんとあちら側に放置していた壊れたモノ達達も一緒にここに戻したので、少し離れた場所に全て転がっている。

俺はコクリと頷いた。


《 …………そうか……。 》


執事の男が返事を返した後、シン……と沈黙が続いたが、時間にして10秒くらいだろうか?
その沈黙はその執事の男の何かを吹っ切ったような、フゥ!という息を吐く音で終わりを告げる。


《 ……いや、まぁ……無事なら何でもいい。

本当に良かった。


しかし、安心するのはまだ早い。

一番厄介な< 神の戯れ >の4人の姿はなかった。

恐らくまだ何処かに…… 》

     
「 あぁ、か? 」

    
人数的にで間違いないだろうと、俺が多次元ボックスからついさっき収容したモノを4つ、全て出してドサドサと地面に落とすと────執事はまた沈黙した。


しおりを挟む
感想 274

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

無能と呼ばれた婚約者は王を完成させる〜替え玉婚約者のはずが、強すぎる王太子に手放してもらえません〜

統子
BL
兄の身代わりとして王太子の婚約者になった伯爵家次男リュシー。 嘘の名を名乗ったはずが、冷静で誠実な王太子リオンは彼を「力の装置」としてではなく、対等な伴侶として扱おうとする。 本物になりたいと願う替え玉と、完成された王太子の静謐な王宮ロマンス。

処理中です...