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第十六章
588 綺麗なモノ
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( リーフ )
” 多分俺ではない後ろの何かを見ているのだろう。 ”
そう思った俺は特にその事は気にせず、それよりも頭から血を流しボンヤリしているレオンハルトの姿が、悲しくて悲しくて気持ちが沈む。
「 ……レオン。 」
自分が悪役であることも忘れて名を呼び、必死に体を動かそうと藻掻いた。
届かない事も、絶対に交われない事も知っている。
それなのに、必死に動かない体を動かそうともがき続けていると────……。
────ピクっ……。
自分の指が僅かに動いた!
「 ぐっ……うぅぅぅ~……っ! 」
しかし、まるで鉛でも入っているのかと思うほどその腕はズシッと重く、直ぐに落ちそうになるが……俺はフガーッ!!と気合で動かし、レオンハルトに向かって手を伸ばす。
レオン、レオン、レオン、レオン────!!!
心の中で名前を呼びながら、手を少しづつ少しづつ伸ばしていくと、なんとレオンハルトの手もゆっくりと動き、まるで俺の伸ばした手に触れようと手を伸ばしてきた。
あと少し……あと少しで届く……!!
そうして指と指が触れそうになった、その瞬間────……。
ザザァァァッ────ッ。
────ザッ────…………。
また画面は砂嵐にかき消される様に歪み、目の前にいた筈のレオンハルトは消えてしまった。
「 そ、そんな……。 」
届かなかった手を呆然と見ながら、必死に伸ばしたのに届かなかった事実が悲しくて悲しくて……自然と目から涙がボロボロと溢れ出す。
そして消えてしまったレオンの名を、ワンワンと泣きながら叫んでいると、次第に周りは真っ黒な世界へと飲み込まれていった。
…………。
────…………────────。
────────ボソッ……。
────ボソボソッ……ボソ…………。
ボソボソボソッ……ボソッ……………。
真っ暗に染まった空間の至る所から、何やらボソボソと囁く声たちが現れ始めた。
その声達は、男性の声なのか女性の声なのか、はたまた一人が呟いているのか大勢の人間が一斉に呟いているのか……何一つ分からない。
正体不明の声達は、俺の周りをグルグルと回り、何かを訴え続けた────が……?
「 わぁぁぁ────ん!!れうぉぉぉぉ────ん!!
れうぉぉぉ────ん!!レオンが消えちゃったよぉぉぉぉぉ────!! 」
俺のギャンギャン泣いている声によって、その正体不明の声達は全て掻き消されてしまい、その存在すら……俺は認知できていなかった。
そうしてそのまま更に泣き続けた俺の涙は、ポタポタと地面に落ちていき、やがて大きな海になると、どんどんと大きく広がっていく。
" ────っ~~………!!?? "
何かが息を飲むような音と共に、真っ黒な空間はどこまでも続く大きな大きな海に押し流されてしまった。
チャプン……チャプン…………。
足首に感じる冷たい水の感触に気づき、やっと俺は泣き止み周りを見渡す。
その瞬間、目に飛び込んできたのは、明るく照らす太陽とどこまでも続く光り輝く巨大な海であった。
「 ……綺麗だな……。 」
その美しい景色を見つめ、チャプチャプという優しい波の音を耳にしながらフッと思う。
綺麗な景色……見たかったな。
────レオンと一緒に……。
いつもだったらそのまま見惚れてしまう景色であったが、後ろを振り向いてもいないレオンに不安が込み上げ、それを心から楽しめなかった。
俺はまた込み上げてくる涙を必死に堪え、ヒィヒィと小さい悲鳴を上げながら当てもなく歩き出す。
「 レオ~ン、レオ~ン……。 」
まるで迷子の子供の様にレオンの名前を呼び続けていると────……。
「 はい。ここにいますよ。ずっと。
とても綺麗ですね。
────ありがとう。 」
そんな安心する様な声が背後から聞こえたと思ったら、後ろを振り向くその前に、一瞬で世界は真っ白になって……それで……?
…………。
「 リーフ様? 」
レオンの気遣う様な声が聞こえて俺はハッ!と目覚めた。
目の前にはガチガチの硬い胸、身体に巻き付くアナコンダ・アームと馴染み深い締めつけ感。
そして干したての布団の様なレオンの良い匂いがふんわりと香り、思わずクンクンと匂いを嗅ぐ。
ドキドキしてまだ治まりそうにない心臓の鼓動を感じながらゆっくりと顔を上げれば、心配そうに俺を見つめるレオンの顔があった。
今までのは全部夢だった???
狐につままれた様な気分でレオンをボンヤリ見つめながら、先程夢?に出てきたレオンハルトを思い出し、涙が溢れてくる。
そしてダラダラとそれは止まってくれなくて、驚くレオンの身体に縋り付く様に力一杯抱きしめた。
レオンは一瞬ビクッ!と震え、その後は涙や鼻水が服に染みてしまっても気にせず、俺を抱きしめ返してくれる。
そのままヒィヒィと泣きながら、ドシッとしてガリガリではないレオンの胸元に頬ずりすると「 怖い夢でも見ましたか? 」とレオンが心配そうに聞いてきた。
” 夢 ” ────それにしては凄くリアルだった。
きっと黒みつの怖い絵を見たから、無意識にそんな恐ろしい夢を見てしまったのだろう。
そうだ、そうに違いない!
メソメソ泣きながらレオンの体中を触り、その感触にまた涙を流す。
「 そうなんだ。俺、凄く怖い夢を見た……。
レオンがこんなに立派に育ってくれて本当によ”がっだぁ”ぁ”~~。
これからも沢山食べて大きくなるんだよ~。 」
今のレオンの身体をセクハラジジイの様に触りながら " 良かった~良かった~ " と泣く俺を見て、レオンは嬉しくて嬉しくて堪らないと言わんばかりの笑みを浮かべ────「 はい。 」と返事を返してくれた。
” 多分俺ではない後ろの何かを見ているのだろう。 ”
そう思った俺は特にその事は気にせず、それよりも頭から血を流しボンヤリしているレオンハルトの姿が、悲しくて悲しくて気持ちが沈む。
「 ……レオン。 」
自分が悪役であることも忘れて名を呼び、必死に体を動かそうと藻掻いた。
届かない事も、絶対に交われない事も知っている。
それなのに、必死に動かない体を動かそうともがき続けていると────……。
────ピクっ……。
自分の指が僅かに動いた!
「 ぐっ……うぅぅぅ~……っ! 」
しかし、まるで鉛でも入っているのかと思うほどその腕はズシッと重く、直ぐに落ちそうになるが……俺はフガーッ!!と気合で動かし、レオンハルトに向かって手を伸ばす。
レオン、レオン、レオン、レオン────!!!
心の中で名前を呼びながら、手を少しづつ少しづつ伸ばしていくと、なんとレオンハルトの手もゆっくりと動き、まるで俺の伸ばした手に触れようと手を伸ばしてきた。
あと少し……あと少しで届く……!!
そうして指と指が触れそうになった、その瞬間────……。
ザザァァァッ────ッ。
────ザッ────…………。
また画面は砂嵐にかき消される様に歪み、目の前にいた筈のレオンハルトは消えてしまった。
「 そ、そんな……。 」
届かなかった手を呆然と見ながら、必死に伸ばしたのに届かなかった事実が悲しくて悲しくて……自然と目から涙がボロボロと溢れ出す。
そして消えてしまったレオンの名を、ワンワンと泣きながら叫んでいると、次第に周りは真っ黒な世界へと飲み込まれていった。
…………。
────…………────────。
────────ボソッ……。
────ボソボソッ……ボソ…………。
ボソボソボソッ……ボソッ……………。
真っ暗に染まった空間の至る所から、何やらボソボソと囁く声たちが現れ始めた。
その声達は、男性の声なのか女性の声なのか、はたまた一人が呟いているのか大勢の人間が一斉に呟いているのか……何一つ分からない。
正体不明の声達は、俺の周りをグルグルと回り、何かを訴え続けた────が……?
「 わぁぁぁ────ん!!れうぉぉぉぉ────ん!!
れうぉぉぉ────ん!!レオンが消えちゃったよぉぉぉぉぉ────!! 」
俺のギャンギャン泣いている声によって、その正体不明の声達は全て掻き消されてしまい、その存在すら……俺は認知できていなかった。
そうしてそのまま更に泣き続けた俺の涙は、ポタポタと地面に落ちていき、やがて大きな海になると、どんどんと大きく広がっていく。
" ────っ~~………!!?? "
何かが息を飲むような音と共に、真っ黒な空間はどこまでも続く大きな大きな海に押し流されてしまった。
チャプン……チャプン…………。
足首に感じる冷たい水の感触に気づき、やっと俺は泣き止み周りを見渡す。
その瞬間、目に飛び込んできたのは、明るく照らす太陽とどこまでも続く光り輝く巨大な海であった。
「 ……綺麗だな……。 」
その美しい景色を見つめ、チャプチャプという優しい波の音を耳にしながらフッと思う。
綺麗な景色……見たかったな。
────レオンと一緒に……。
いつもだったらそのまま見惚れてしまう景色であったが、後ろを振り向いてもいないレオンに不安が込み上げ、それを心から楽しめなかった。
俺はまた込み上げてくる涙を必死に堪え、ヒィヒィと小さい悲鳴を上げながら当てもなく歩き出す。
「 レオ~ン、レオ~ン……。 」
まるで迷子の子供の様にレオンの名前を呼び続けていると────……。
「 はい。ここにいますよ。ずっと。
とても綺麗ですね。
────ありがとう。 」
そんな安心する様な声が背後から聞こえたと思ったら、後ろを振り向くその前に、一瞬で世界は真っ白になって……それで……?
…………。
「 リーフ様? 」
レオンの気遣う様な声が聞こえて俺はハッ!と目覚めた。
目の前にはガチガチの硬い胸、身体に巻き付くアナコンダ・アームと馴染み深い締めつけ感。
そして干したての布団の様なレオンの良い匂いがふんわりと香り、思わずクンクンと匂いを嗅ぐ。
ドキドキしてまだ治まりそうにない心臓の鼓動を感じながらゆっくりと顔を上げれば、心配そうに俺を見つめるレオンの顔があった。
今までのは全部夢だった???
狐につままれた様な気分でレオンをボンヤリ見つめながら、先程夢?に出てきたレオンハルトを思い出し、涙が溢れてくる。
そしてダラダラとそれは止まってくれなくて、驚くレオンの身体に縋り付く様に力一杯抱きしめた。
レオンは一瞬ビクッ!と震え、その後は涙や鼻水が服に染みてしまっても気にせず、俺を抱きしめ返してくれる。
そのままヒィヒィと泣きながら、ドシッとしてガリガリではないレオンの胸元に頬ずりすると「 怖い夢でも見ましたか? 」とレオンが心配そうに聞いてきた。
” 夢 ” ────それにしては凄くリアルだった。
きっと黒みつの怖い絵を見たから、無意識にそんな恐ろしい夢を見てしまったのだろう。
そうだ、そうに違いない!
メソメソ泣きながらレオンの体中を触り、その感触にまた涙を流す。
「 そうなんだ。俺、凄く怖い夢を見た……。
レオンがこんなに立派に育ってくれて本当によ”がっだぁ”ぁ”~~。
これからも沢山食べて大きくなるんだよ~。 」
今のレオンの身体をセクハラジジイの様に触りながら " 良かった~良かった~ " と泣く俺を見て、レオンは嬉しくて嬉しくて堪らないと言わんばかりの笑みを浮かべ────「 はい。 」と返事を返してくれた。
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