【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十七章

622 初の合同演習、完

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( リーフ )

最後はマービン君を励ましたのだがその瞬間、周りの生徒達がブブッ────!!!と物凄い勢いで吹き出し、大爆笑を始めてしまった。

裸で磔にされている男子生徒や顔に落書きされた女子生徒まで腹を抱えて笑う姿に、俺はふ~……と呆れるようなため息をつく。


皆ねぇ~笑っているけど、いずれ性の問題で躓く日がくるからね?


男性は男性で、強~い煩悩と惚れた女性を大事にしたいという気持ちに挟まれ悩む日々に。

女性は女性で男性の煩悩を適度に発散させつつ、他に目を向けさせない様努力する日々に。(……って女友達が言ってた。)


男女の性事情は、ことごとくすれ違うなって自分の体験談でも他を見ていても心底思うもん、俺。


エッチした~いという気持ちと、相手を大事にしたい気持ち。

そして自分のポリシー、性の価値観、こだわり……。


その全てを思い出して、フゥ……と哀愁漂う笑みを浮かべていると、サイモンが、突然 ” は~い! ” と手を上げる。


「 僕はぁ~リーフ様のためなら全部脱ぎま~す! 

いつでも言って下さいね~♡ 」


手を合わせ頬につけながらニコニコ~!と笑うサイモンだが……サイモンは男だ。


これはありがとうと言うべき……?


少し悩んでいると、リリアちゃんまで「 私もいつでも脱ぎま~す。見たい時は言って下さいね? 」と言ってニッコリ。

すると、一年生達が次々と手をビシッ!と上げては「 は~い!俺も脱ぎま~す! 」「 私も私も~。 」とワイワイ騒ぎ出してしまった。


とっくにシニア世代の俺としてはそんな軽はずみな発言は……と叱りつけたかったが、ここでせっかくの悪役のイメージを壊すわけにはいかないと、悪役に相応しい悪い笑みを浮かべる。


「 うむっ!俺が見たいと言った時には全員脱ぐのだ! 」


堂々と言い放ってやると、ムッとしたレオンが服を脱ぎだそうとしたので、直ぐにポポーンっ!と飛びついて阻止した。


「 レオンの洋服姿は一番かっこいい!黒マントも黒くて素敵~♬ 」


子守唄の様にそう歌って、なんとか気持ちを鎮める。


「 わ、私は、しっ、下着まで……なら……っ! 」


まだ服から手を外していないレオンをひたすら鎮めていると、ソフィアちゃんが、モジモジしながら手を挙げた。

そこですかさず待ったを掛けたのは、アゼリアちゃんだ。


「 いけません!ソフィア様!

わ、私が代わりに脱ぎましょう!い……いかがでしょうか……? 」


「「 筋肉ゴリラの下着など見苦しい。 」」


ポポポッ!と顔を赤らめて、俺に言うアゼリアちゃんだったが────すかさず横から飛び出すマリオンとクラーク君の重なった声のせいで、またしてもバチバチと火花と怒号が飛ぶ。


伯爵家3人組は今日も絶好調。


ギャーギャーと罵り合いながら喧嘩する3人を見て、"  喧嘩良き良き~ ! "  とレオンにしがみつきながら保護者モードでほっこりしていると────……。


「 お~い、そろそろ授業終わりだぞ~。 」


クルト先生の声が遠くの方から聞こえた。



なんと、もうそんな時間。

歳をとると時間が早く感じるのって何でなんだろうねぇ?


やれやれ~と悲しみに明け暮れながら、俺はモルトとニールに頼み磔台を撤去してもらうと、自由になった裸の男子生徒達は身を寄せ合って必死に体を隠す。


プルプル、オドオド……。


その姿は豪雪の中耐えるペンギンのヒナ達の様……。


流石にこのまま帰すのは可哀想かと考えていると、リリアちゃんが「 私にお任せを……。 」と言って一冊の魔導書を召喚した。




<錬合師の資質>  (ノーマル固有スキル)

< 登録図鑑 >

今まで発見し全て解析を終えた物質の情報を自動ストックすることのできる特殊系スキル。

ただし知力が低いと発動せず、更にその知力の値の分だけしか容量を持てないため扱いが非常に難しい。

(発現条件) 

一定以上の知力、知識を持つ事

一定回数以上疑問を持ち解決する事、かつ物質の解析経験がある事




( シークレット固有スキル )

< 創造構成 >

スキル< 登録図鑑 >に載っている物質を創り出すことができる創造系スキル。

ただし、その物質の原理構成全てを細部まで頭の中に描き、それを組み立てるための知力、魔力、魔力操作が必要であり失敗すれば分裂爆発を起こす恐れがあるため注意が必要。

難易度が高い物質ほどその成功率は低く、知識が高いほどその成功率はUPする。

(発現条件)

スキル< 登録図鑑 >を持つこと

一定以上の知力、知識、魔力、魔力操作があること

一定以上の知識欲、知的探究心、好奇心、冷静、努力値、を持つこと




リリアちゃんが出現した魔導書の様な物を持ちながら地面にそっと触れると、そこからニョキニョキニョキ~と太い茎が生えてきて、やがて────……。


────ポンッポンッポポーンっ!!


ポップコーンが弾ける様な音を立てて、座布団の様な大きさの葉っぱが沢山咲いた。


” ────おおおお~!!! ”


俺も他の皆も感動してそれを見上げていると、リリアちゃんはその大きな葉っぱをペリッと引きちぎり、それをペンギンのヒナの群れの様に集まっている男子生徒達に向かってピラピラと振る。


「 順番……ね? 」


ニコッと笑うリリアちゃん。


三年生達は必死に手で下半身を隠しながら、真っ赤な顔でリリアちゃんの前に大人しく並び、葉っぱを貰っては自身の腰にそれを巻いていく。


まるで葉っぱのおむつを履いた集団になってしまった中で、マービン君だけは葉っぱを貰いにこず全裸でボケ~としているもんだから、俺が葉っぱの先でこちょこちょと顔をくすぐってみたが応答なし。


大丈夫かな??


そう思いながら力なくだらんとしている手にギュッ!と葉っぱを握らせてあげると、それをジッ……と見下ろすマービン君。

その後、何故か頭に帽子の様に乗せて、素っ裸のままフラフラと闘技場から出て言ってしまった。


お象さん丸見えだけなんだけど……。


少々心配になったが、まぁ、男がちょっと裸を見られるくらいどうってことないだろうと思ったのと、その後直ぐに「「 マ、マ~ビン様ぁ~!! 」」と言って取り巻きらしき2人が追っていったので大丈夫そうだと判断する。


するとそれに続くように三年生達が「 お、覚えてろよ~! 」「 うわぁぁ~ん!!もうお嫁にいけな~い!!絶対許さないんだからぁぁ!! 」などと、悪役の様な言葉を叫びながら同じく走り去っていった。


そしてその全員が去ってしまうと、今まで鎮痛な面持ちで下を向いていたクルト先生とルーン先生が一斉に吹き出し、更にヒーヒーと腹を抱えて大笑いしだしてしまい話も出来ぬ状況に……。


そうして初の『 合同演習 』は────グダグダのまま、こうして幕を閉じた。
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