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第二十七章
926 痛いほど分かる
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(メル)
確かにハッピーで明るいイメージがある【シュペリンの踊り猫】とは180度違った陰鬱な雰囲気のある内容に、同じ作者と言われれば首を捻ってしまう。
ただそれは置いておいて、とりあえず確かにその絵本に出てくる主人公の外見はあの怖いヤツにそっくりだと思った。
しかし────……。
神様というにはあの怖いヤツはドロドロし過ぎていて、ピンとこない。
どちらかといえば『邪神』の方が正しい様な気がする……。
レイドと共に首をグイ~と傾けていると、それを聞いたモルトとニールがなんとも言えぬ難しい顔をしている事に気づいた。
「……二人とも……変な顔……。」
「何だ、何だ~?二人ともあんまり好きじゃねぇ話だったのか?」
メルとレイドは複雑な顔のまま唸り出した二人にそう問うと、二人は重そうな口で静かに語りだす。
「いや……なんだか、凄く怖い話だと思ってな……。
特に前半部分、主人公が迫害される理由とそれを疑問に思わない人々の描写が怖い。」
「それ、主人公目線の話じゃないっすよね……?
一人の人間が迫害される世界が皆の幸せな世界って……良く考えればすごく怖い世界っすよ。
俺にはその光の神子が何か恐ろしいモノの様な気がしてならないっす。
それに……。」
────ブルルッ……!
体を大きく震わせたニールが、まるで寒いかの様に自分の腕を何度も擦ると、モルトも同様に小さく震えながら言った。
「……俺にはその『地上の人々』の気持ちがちょっと分かるんだ。きっとあのままだったら俺も………………。
それで最後はどうしようもなくなった所で我にかえって、後悔して……結局何も出来ずに絶望のまま命を終えていたと思う。」
「怖すぎるっす……。じゃあレオンが仮にこの絵本の主人公だったら、おんなじことをしていた俺たちは真っ先に殺されるっすね。
これが自業自得、因果応報ってやつっすか……。」
ズズン……と目に見えて凹むニールにモルトは苦笑いを漏らす。
「それは仕方ないさ。甘んじてそれを受け入れるのは加害者の義務というヤツだからな。
ただ、レオンなら『リーフ様の役に立っている内は生かしておこう』とか言いそうじゃないか?
良かったな、ニール。俺たちはリーフ様のお役に立っているうちは殺されないらしい。」
「めちゃくちゃ言いそうっす。なら、俺たちは寿命いっぱいまで生きられそうっすね~。」
二人はパチンッと指を鳴らし、ナイスアイデア!と言わんばかりに笑った。
そのやり取りを見ていたレイドは酷く驚いた顔をしながらサァァ~……と青ざめる。
「お……お前ら……あのおっかないヤツに石を投げるとか……自殺願望でもあったのか?」
ビクビク、オドオドするレイドに二人は揃って「「してない(っす)!」」と答えたが、その直後「「でもあのままだとしていたかも……。」」と気まずそうに答えた。
その瞬間、モルトとニールを抱っこしていたベリーちゃんとキュイちゃんが突然プルプルと震えだしたので、メル達は二人に注目する。
「何だ??二人共寒いのか?」
のんびりと尋ねたレイドの質問に答える前に、ベリーちゃんとキュイちゃんがモルトとニールを背後から思い切り抱きしめた。
────メキメキメキ~~!!
モルトとニールの体から不穏な音が聞こえてきて、二人の顔色は真っ白。
それに気づいてないのか、ベリーちゃんとキュイちゃんが興奮した様子で叫ぶ。
「何だか知的で素敵!絵本の内容をこんなに気にしてくれた人、初めて!」
「年下なのにクールな考え!なんて素敵な子たちなの~!」
キャキャッ!と凄く喜んだ二人にそのまま抱きしめられて……モルトとニールは気絶してしまった。
そんな出来事があった後、メルとレイドは無事に故郷に帰り、ライトノア学院の試験結果を今か今かと待ち続ける。
そして届いたその結果は、見事合格!
喜ぶ両親と驚く街の人達に見送られ、メル達は再びグリモアへと向かった。
分かってはいたが、当然あのネズミの男リーフと怖いやつレオン、そしてモルトとニールも合格者として入学式にいて、メル達はめでたく同級生という立場をゲット。
共に学院生活を送るわけだが、その生活は一言で言えば『ファンタジック』!
驚きと感動の連続で、感情の休む暇なく日々を過ごす事になった。
楽しい!
嬉しい!
でも……悔しい……。
素晴らしく充実した日々の中でも、まだメルの答えは見つからない。
答えを持っているかもと思ったリーフは、『こうである!』と人に教える事はしない人であった。
しかし『普通』が邪魔するあらゆるモノを吹き飛ばし、自分で選択する『自由』を与えてくれる人だったから、周りの人達は次々と自分の信じる正義を見つけて、その方向へと進んでいく。
そんな皆をボンヤリ見ていると、不意にベリーちゃんとキュイちゃんに教えてもらった絵本、【審判の神人】に出てきた光の神子を思い出した。
確かにハッピーで明るいイメージがある【シュペリンの踊り猫】とは180度違った陰鬱な雰囲気のある内容に、同じ作者と言われれば首を捻ってしまう。
ただそれは置いておいて、とりあえず確かにその絵本に出てくる主人公の外見はあの怖いヤツにそっくりだと思った。
しかし────……。
神様というにはあの怖いヤツはドロドロし過ぎていて、ピンとこない。
どちらかといえば『邪神』の方が正しい様な気がする……。
レイドと共に首をグイ~と傾けていると、それを聞いたモルトとニールがなんとも言えぬ難しい顔をしている事に気づいた。
「……二人とも……変な顔……。」
「何だ、何だ~?二人ともあんまり好きじゃねぇ話だったのか?」
メルとレイドは複雑な顔のまま唸り出した二人にそう問うと、二人は重そうな口で静かに語りだす。
「いや……なんだか、凄く怖い話だと思ってな……。
特に前半部分、主人公が迫害される理由とそれを疑問に思わない人々の描写が怖い。」
「それ、主人公目線の話じゃないっすよね……?
一人の人間が迫害される世界が皆の幸せな世界って……良く考えればすごく怖い世界っすよ。
俺にはその光の神子が何か恐ろしいモノの様な気がしてならないっす。
それに……。」
────ブルルッ……!
体を大きく震わせたニールが、まるで寒いかの様に自分の腕を何度も擦ると、モルトも同様に小さく震えながら言った。
「……俺にはその『地上の人々』の気持ちがちょっと分かるんだ。きっとあのままだったら俺も………………。
それで最後はどうしようもなくなった所で我にかえって、後悔して……結局何も出来ずに絶望のまま命を終えていたと思う。」
「怖すぎるっす……。じゃあレオンが仮にこの絵本の主人公だったら、おんなじことをしていた俺たちは真っ先に殺されるっすね。
これが自業自得、因果応報ってやつっすか……。」
ズズン……と目に見えて凹むニールにモルトは苦笑いを漏らす。
「それは仕方ないさ。甘んじてそれを受け入れるのは加害者の義務というヤツだからな。
ただ、レオンなら『リーフ様の役に立っている内は生かしておこう』とか言いそうじゃないか?
良かったな、ニール。俺たちはリーフ様のお役に立っているうちは殺されないらしい。」
「めちゃくちゃ言いそうっす。なら、俺たちは寿命いっぱいまで生きられそうっすね~。」
二人はパチンッと指を鳴らし、ナイスアイデア!と言わんばかりに笑った。
そのやり取りを見ていたレイドは酷く驚いた顔をしながらサァァ~……と青ざめる。
「お……お前ら……あのおっかないヤツに石を投げるとか……自殺願望でもあったのか?」
ビクビク、オドオドするレイドに二人は揃って「「してない(っす)!」」と答えたが、その直後「「でもあのままだとしていたかも……。」」と気まずそうに答えた。
その瞬間、モルトとニールを抱っこしていたベリーちゃんとキュイちゃんが突然プルプルと震えだしたので、メル達は二人に注目する。
「何だ??二人共寒いのか?」
のんびりと尋ねたレイドの質問に答える前に、ベリーちゃんとキュイちゃんがモルトとニールを背後から思い切り抱きしめた。
────メキメキメキ~~!!
モルトとニールの体から不穏な音が聞こえてきて、二人の顔色は真っ白。
それに気づいてないのか、ベリーちゃんとキュイちゃんが興奮した様子で叫ぶ。
「何だか知的で素敵!絵本の内容をこんなに気にしてくれた人、初めて!」
「年下なのにクールな考え!なんて素敵な子たちなの~!」
キャキャッ!と凄く喜んだ二人にそのまま抱きしめられて……モルトとニールは気絶してしまった。
そんな出来事があった後、メルとレイドは無事に故郷に帰り、ライトノア学院の試験結果を今か今かと待ち続ける。
そして届いたその結果は、見事合格!
喜ぶ両親と驚く街の人達に見送られ、メル達は再びグリモアへと向かった。
分かってはいたが、当然あのネズミの男リーフと怖いやつレオン、そしてモルトとニールも合格者として入学式にいて、メル達はめでたく同級生という立場をゲット。
共に学院生活を送るわけだが、その生活は一言で言えば『ファンタジック』!
驚きと感動の連続で、感情の休む暇なく日々を過ごす事になった。
楽しい!
嬉しい!
でも……悔しい……。
素晴らしく充実した日々の中でも、まだメルの答えは見つからない。
答えを持っているかもと思ったリーフは、『こうである!』と人に教える事はしない人であった。
しかし『普通』が邪魔するあらゆるモノを吹き飛ばし、自分で選択する『自由』を与えてくれる人だったから、周りの人達は次々と自分の信じる正義を見つけて、その方向へと進んでいく。
そんな皆をボンヤリ見ていると、不意にベリーちゃんとキュイちゃんに教えてもらった絵本、【審判の神人】に出てきた光の神子を思い出した。
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