【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第三十二章

1044 スタンティン家の戦い

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( ニコラ )

レイモンド家の領内の守備やトラブル解決は、基本街々に駐在する守備隊とレイモンド家の専属私兵団【 四柱 】が担当していたのだが、【 四柱 】は、現当主に従う事を拒否し、先代のドルトンに忠誠を誓ったまま。


そんな現レイモンド家の戦力を支えているのが、スタンティン家の魔道具なのである。


つまり、スタンティン家の魔道具で何とか領内を守っているレイモンド家は、この戦いでスタンティン家が倒れでもすれば大打撃を受ける。

それは他の利益を優先している貴族達も同じで、大なり小なりこの魔道具に頼っている経営をしている所も多い。


” 息子さえも犠牲にして自分たちの生活を支えろ。 ”


それを義務とほざく者達にとって、自分以外の他者は恐らく魔道具と同義。

それは自身の子供さえも……。


私は視線を、再度騒ぎ続けるロイドとローズに戻す。


彼らの現在の ” 魔道具 ” は、魔法の才能に恵まれた自分たちの息子であるクラークだ。

その息子が家をかつての栄光に溢れた時に戻してくれると信じている。


魔道具に頼り、息子に頼り、自分たちの手足を全く動かさず全力でより掛かるその姿は────何と醜いモノなのだろうと思った。


オルガノとアリシアはそんな醜い者達の声など聞こえてない様子で立ち上がり、オルガノは胸のポケットから< 完全版通信器 >を取り出し魔力を流す。

するとそれは淡い白い光を発し、フワッと宙に浮かんだ。

< 完全版通信器 >

< 簡易式通信器 >の上位通信用魔道具

耳に取り付けて使う、もしくはそのまま宙に浮かべておけばスピーカーモードとしても使える優れもの。

予め設定しておいた相手と自由に会話する事ができる。

外部からのジャミングなどにより情報が盗まれる対策もしっかりついているため安心して使えるが、お値段が高い事から安易に手は出せず、基本は大きな部隊や貴族の間で使われる事が多い



「 全ての< 戦闘用飛行魔道具 >と< サポート用飛行魔道具 >を直ちに起動させよ!!

更に【 魔道具部隊 】の全戦闘用魔道具の使用を許可する。

これよりグリモアとその周辺地域、更に各自担当している我が領内への出陣を命じる。

< 魔道路ポインター >の魔力チャージのため、貯蓄分の全ての< 魔力電池 >と【 魔力供給 】班も全員出動せよ。

────急げっ!!! 」


『 ────────はっ!!! 』



< 魔力電池 >

魔力をチャージしストックしておける魔道具


< 魔力供給班 >

魔力量の多い者達で編成された魔力を供給するのに特化した部隊

魔力が大量に必要となる魔法や魔道具の使用、維持のため出動し、その力を奮う



「 なっ、なぁぁぁぁぁぁぁ────────っ!!!!?? 」


声を掛け続けていたロイドとローズは大声で叫び、その後絶句。

それは勿論エドワードも他のエドワード派閥の者達も同じくだ。


【 魔道具部隊 】はスタンティン家が独自に持っている戦力で、戦闘用魔道具を使う事に長けた者達で編成される大部隊である。

更に大きな戦闘にしか投入されない< 戦闘用魔道具 >や< サポート魔道具 >、大量に魔力を使う< 魔道路ポインター >を使うなど、スタンティン家は総力を持ってこの戦いに身を投じるつもりである事が言わずとも分かった。


「 アリシア。とりあえず< 戦闘用飛行魔道具 >1000はいけるか? 」


「 誰にモノを言っているの?

空は私の独壇場よ。 」


オルガノが挑発的にアリシアに尋ねると、アリシアは貴族女性とは思えぬ凶悪な笑みを浮かべ、スキルを発現した。



<魔空航士の資質>(ユニーク固有スキル)

< 戦の空道 >

魔道具と名のつく戦闘用魔道具を遠隔操作で操る事ができる操作系戦闘スキル

魔力と魔力操作により操作できる数が決まり、器用さによって精度が上がる

空のフィールドに限り、術者の全ステータスを反映したパワーUPをし有利属性を得る事ができる

(発現条件)

 一定以上の魔力、魔力操作、器用さ、知力、魔道具の知識、好戦、魔道具の操作経験値、空を舞台とした戦闘経験値を持つこと



スキルが発動した瞬間、アリシアの周りには小さなスクリーンが大量に浮かび上がり、それぞれ別の景色を映し出す。

1000の戦闘用飛行魔道具を操るなど相当な魔道具使いでなければできぬ芸当。

流石は魔道具使いの第一人者、スタンティン家の者と言わざるを得ないが、元々アリシアは学院生の頃からその才能を遺憾なく発揮していた生徒であったと聞く。

そしてそれは夫である現当主オルガノも同じ。


「 流石はアリシアだ。学院生の頃を思い出す。

だが……私もサポートなら君には負けないぞ。 」


オルガノは懐かしそうに目を細めた後、アリシア同様ニヤっと好戦的な笑みを浮かべながらパチンッと指を弾いた。


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