【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第三十八章

1225 訓練店について

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( ベリー )

一握りの実力者しかなれないというAランク傭兵への昇格。


それを聞かされた時は、あまり実感はなかったが、カルロスさんから新しい身分証を貰った時は ” おぉ~…… ” と感動してしまった。


「 Aランクへの昇格おめでとう!

私の目に狂いはなかったわ。あなた達は絶対にいい傭兵になると思っていたから!

────で、話は変わるけど……二人とも可愛いものが大好きなのは変わってないかしら? 」


「 はいっ!お陰様で沢山の可愛いモノに囲まれて幸せです! 」


キュイちゃんがご機嫌でそう答えると、私も横でニッコリ笑って同意を示す。


可愛い洋服やアクセサリー。

お人形や小物や絵本などなど……とにかく目につく可愛いモノを集めては、自分の部屋に飾って眺めたりと、私達は夢に見た生活を送っていた。


休みの日は二人でフリフリエプロンをつけて料理をするのが、現在の私達の密かなマイブームだ。


私達はこうして見事に夢を叶えたのだ。

世の中的には血なまぐさい残虐集団と呼ばれる傭兵という仕事をしながら。


笑顔で答える私達を見て、カルロスさんはニンマリと笑った。


「 そう。ならちょっと提案なんだけど、あなた達副業しないかしら?

ドリンクを飲みながら、楽しくお喋りしましょう!がコンセプトのカフェなんだけど、そのお店が ” 可愛い ” をテーマにしているから、絶対に楽しいと思うわよ♡ 」


「 えっ……???? 」


「 それってまさか……。 」


” ドリンクを飲みながらお喋り ”

それを聞いた瞬間、私達の脳裏には華奢で美しい女性が男の人相手に酒を注ぎながら、ニコニコ笑っているイメージが浮かび上がり、続けて自分のムキムキの腕を見下ろす。


「 ……カルロス支部長……一体何の冗談ですか……。 」


「 もしかして歓楽街を荒らすヤツの討伐依頼ですか? 」


はぁ……とため息をついた私に続き、キュイちゃんも同じく息を吐き出し、討伐依頼だと考えた様だ。

背中にしょっているアックスへ手を掛けようとした、その時、カルロスさんは顎に手を当てキャー!と叫んだ。


「 やだ!もうっエッチ~!そんな高度なお店じゃないわよ~。

イメージ的には仲間同士の飲み会だけど……勿論おいたをしてくるお客もいるかもしれないからBクラス以上の傭兵しかスタッフになれないのよね。

お触りしてこようとした子は骨の10本や20本は折っちゃって大丈夫だから、そのまま追い出してね♡ 」


「 えぇ~……そんなバイオレンスなお店、誰も来ませんよね? 」


その様を想像しながら首を横に振ったが、カルロスさんはそれを否定する様にチッチッチッ!と指を振る。


「 反対よ、反対!大・盛・況!────なんだから~。


お客の殆どが【 獣人族 】よ。

ほら~【 獣人族 】ってむやみに人族の国へ入国できない様に決まっているでしょう?

その< 訓練店 >として認定されているお店なの。 」


「 < 訓練店 >ですか……。 」


獣人は、現在の法律ではある一定の条件を満たせば入国はできるが、特に戦闘職についている獣人の全員がこの< 訓練店 >へか通わなければならない。


理由としては簡単なもので、感情のセーブを学ぶため。


興奮してうっかり一般人族相手に興奮して怪我をさせたり、襲ったりしない様に慣れるために各地に存在しているその< 訓練店 >

それがこのグリモアにあったのか……。

へぇ~と感動しつつ、詳しい話を聞いていくと、既に人族に慣れた獣人が常連さんとして来る事と、定期的に獣人達がジェンス王国から送られてくるので、その相手をしてやって欲しい事、後は4月から沢山の獣人の生徒達がやってくるので、その相手もしてもらいたいとの事を言われた。


「 獣人は人族とはまた違ったコミュニケーション方法を持っているから、人族との接し方を教えないといけないから最初は結構大変なのよ~。

< 訓練店 >として有名なのは、私が店長のグリモアのお店と近くの街では、ウォッカにある宿屋【 地上の楽園 】ね。

とにかくハードな仕事よ~。

戦場と変わりないわね。 」


フフフ~!と脅かす様に説明するカルロスさん。

その話を聞いて、父から以前聞いた獣人という種族について思い出した。


人が即死の攻撃でもピンピンしている鋼の肉体と、魔法に頼らずとも繰り出されるパンチは上級魔法並み。

要はザ・前衛の頂点に立つ様な存在である獣人達は、能力や性格は元々の祖となる動物によって差はあるものの、総じて好戦的であり、戦闘においてはこれ程ない頼もしい存在なのだとか。

ただ人族と比べて理性のタガが外れやすく、更にコミュニケーション方法も独特。

匂いやフィーリングで相手を判断する直感に優れた種族であるため、お互いまずは思いを確かめ合い~……という概念がイマイチ通じない。


そのためその日に求婚してくる事もしばしば。


ゆっくりと相手を知って、仲を深めていく他の他種族から見ると、どうにも受け入れがたいと思う者たちもかなり多い。
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