【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十章

1299 約束しよう

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( マービン )


「 ────数年前から……いや、もっと前からかもしれない。
          
突然色んな所に、まるでがお散歩する様に姿を現し始めたんだ。


不思議な事に、心の中に入る時の抵抗を一切感じない様で、本当にフッと現れては消えてしまう……。


姿形も見かける度に違って、赤ん坊の姿の時もあれば君くらいの年の時もあった。

青年の姿の時もあれば、人間じゃない時もあるんだよね……。


そういえば、前にマービンの前に現れた時は、おじいさんの姿だった。

             
” 人 ” でも竜でもない……は一体何なんだろう?? 」

                        
本当に不思議そうな顔をする白い飛竜を見ながら、俺はあの時俺を引っ張った、暴力じいさんの事を思い出した。


的外れな説教をし、笑うだけ笑ってマイペースに去っていったじいさん。

思い出せば思い出すほど ” 誰かさん ” そっくりなそいつに、気がつけばクックックと笑っていた。


「 ” 人 ” でも竜でもないなら、答えは決まっているじゃないか。

アレは、多分俺達があまりにも不甲斐ないから、わざわざ怒りにきた ” 神様 ” だろうよ。 」


「 えぇっ!! 」


白い飛竜は驚いた様だが、直ぐに納得したのか頷き「 神様って結構暴力的なんだね……。 」としみじみ呟く。

それがおかしくて声を上げて笑うと、俺は白い飛竜の前にドスンッと座った。


白い飛竜はそんな俺を見て、自分もドスンと座り込み、俺達はお互いしっかり目を合わせる。

           
「 ……なぁ、もし俺が側に行っていたら、お前たち飛竜はどうなっていた? 」


白い飛竜は一瞬間を開けた後、淡々と答えた。


「 ” 強き者 ” にしか従わない竜のプライドを守るため、全員が自害するつもりだった。

アチラ側の世界に行ってしまった者を、僕たちは ” 弱き者 ” と言い、抗い続ける者を ” 強き者 ” と呼ぶ。 」


「 ……そうか。 」


何一つ見えてなかった自分。

見せかけだけの愛に縋り、自分に向けられていた愛情にも、叫び続けてくれた飛竜達の想いも、俺は何一つ分かっていなかった。


そのくせ自分は、自分を ” 見て ” くれない父と母を、飛竜達や周りの人々を……そしてこの世界そのものを憎んでいたのだ。


自分は ” 都合のいいモノ ” しか見ないくせに、そんな自分を ” 見て ” など、自分は本当に愚か者だ。



” 俺、散歩大好きだからさ!

まだまだ見たことない場所が一杯あるから、そろそろ見に行くよ。 ”


じいさんの言ってた言葉が頭に浮かび、世界の広さを実感する。


俺が見ていた世界など、大海の砂一粒。

世界は広く、沢山の見た事ないモノで溢れている。


今度こそ自分が見たいモノだけじゃなく、沢山のモノを見て、じいさんに自慢してやる。


「 なぁ、お前のやりたい事って何? 」


目の前に座る白い飛竜を真っ直ぐ見つめながら問うと、白いひは考えながらそれに応えた。


「 う~ん……。そうだなぁ~。

色んな景色を見たいな。

今まで見た事ないモノならなんでも楽しいと思う。

でも一生掛けても見きれないだろうな。

世界って広いから。」


キラキラと目を輝かせる白い飛竜に、ニヤッと笑う。


「 ほほぅ?そうか。

俺は今まで随分と狭い世界にいた様でな、ちょうどこれから色々な所へ行く予定だ。

きっと沢山の新しい景色が見れるだろう。

そんな俺について来れば、飛竜だけでは見れない景色も……見れるかもしれんぞ。

どうだ?そう思わないか? 」


チラチラッ!!


白い飛竜の様子を伺いながらそう提案を持ちかけると、ソイツはブーッ!!と大きく吹き出した。

そして笑いながらゴロゴロ転がるのに腹が立ったが、仕方なく見守る。

すると笑いがやっと収まった後、白い飛竜は輝く様な笑顔を見せてきた。


「 君ってホントに素直じゃないね!


でも────うん!その通りだ!

飛竜一匹だと見える景色って狭くなっちゃうから、君といる方が沢山みれるよね。

とっても楽しそうだ! 」


白い飛竜はそのままフワッと飛び上がると、人では聞き取れぬ言葉を呟く。

すると、俺達を中心に巨大な魔法陣が足元に浮かび上がった。


「 じゃあマービン、僕と約束してパートナーになろう。

あ、でも ” 約束 ” したら、二度となしにはできないよ。

だから番のメスは飛竜が好きな人にしないとだめになるからね~。

大丈夫? 」


「 いや……なんだ、その下らない確認は……。 」


もっと他に重要な事があるのでは??

呆れながら白い飛竜を見ると、そいつはプンプンと頭から湯気を飛ばしながら不機嫌そうに尻尾を振る。


「 すごく大事な事だよ!

そのせいでドロドロ離縁した当主も飛竜もいたんだからさ!

僕だって人間嫌いな飛竜のメスとは番になれなくなるし……。

だからマービン! ” 約束 ” しよう!


お互いパートナーには理解ある番を作る事。

そして、マービンは僕に ” 新しい世界 ” を見せてくれる事!

これから死ぬまで、ずっとだ! 」

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