1,315 / 1,649
第四十章
1299 約束しよう
しおりを挟む
( マービン )
「 ────数年前から……いや、もっと前からかもしれない。
突然色んな所に、まるで何かがお散歩する様に姿を現し始めたんだ。
不思議な事に、心の中に入る時の抵抗を一切感じない様で、本当にフッと現れては消えてしまう……。
姿形も見かける度に違って、赤ん坊の姿の時もあれば君くらいの年の時もあった。
青年の姿の時もあれば、人間じゃない時もあるんだよね……。
そういえば、前にマービンの前に現れた時は、おじいさんの姿だった。
” 人 ” でも竜でもない……アレは一体何なんだろう?? 」
本当に不思議そうな顔をする白い飛竜を見ながら、俺はあの時俺を引っ張った、暴力じいさんの事を思い出した。
的外れな説教をし、笑うだけ笑ってマイペースに去っていったじいさん。
思い出せば思い出すほど ” 誰かさん ” そっくりなそいつに、気がつけばクックックと笑っていた。
「 ” 人 ” でも竜でもないなら、答えは決まっているじゃないか。
アレは、多分俺達があまりにも不甲斐ないから、わざわざ怒りにきた ” 神様 ” だろうよ。 」
「 えぇっ!! 」
白い飛竜は驚いた様だが、直ぐに納得したのか頷き「 神様って結構暴力的なんだね……。 」としみじみ呟く。
それがおかしくて声を上げて笑うと、俺は白い飛竜の前にドスンッと座った。
白い飛竜はそんな俺を見て、自分もドスンと座り込み、俺達はお互いしっかり目を合わせる。
「 ……なぁ、もし俺がアチラ側に行っていたら、お前たち飛竜はどうなっていた? 」
白い飛竜は一瞬間を開けた後、淡々と答えた。
「 ” 強き者 ” にしか従わない竜のプライドを守るため、全員が自害するつもりだった。
アチラ側の世界に行ってしまった者を、僕たちは ” 弱き者 ” と言い、抗い続ける者を ” 強き者 ” と呼ぶ。 」
「 ……そうか。 」
何一つ見えてなかった自分。
見せかけだけの愛に縋り、自分に向けられていた愛情にも、叫び続けてくれた飛竜達の想いも、俺は何一つ分かっていなかった。
そのくせ自分は、自分を ” 見て ” くれない父と母を、飛竜達や周りの人々を……そしてこの世界そのものを憎んでいたのだ。
自分は ” 都合のいいモノ ” しか見ないくせに、そんな自分を ” 見て ” など、自分は本当に愚か者だ。
” 俺、散歩大好きだからさ!
まだまだ見たことない場所が一杯あるから、そろそろ見に行くよ。 ”
じいさんの言ってた言葉が頭に浮かび、世界の広さを実感する。
俺が見ていた世界など、大海の砂一粒。
世界は広く、沢山の見た事ないモノで溢れている。
今度こそ自分が見たいモノだけじゃなく、沢山のモノを見て、じいさんに自慢してやる。
「 なぁ、お前のやりたい事って何? 」
目の前に座る白い飛竜を真っ直ぐ見つめながら問うと、白いひは考えながらそれに応えた。
「 う~ん……。そうだなぁ~。
色んな景色を見たいな。
今まで見た事ないモノならなんでも楽しいと思う。
でも一生掛けても見きれないだろうな。
世界って広いから。」
キラキラと目を輝かせる白い飛竜に、ニヤッと笑う。
「 ほほぅ?そうか。
俺は今まで随分と狭い世界にいた様でな、ちょうどこれから色々な所へ行く予定だ。
きっと沢山の新しい景色が見れるだろう。
そんな俺について来れば、飛竜だけでは見れない景色も……見れるかもしれんぞ。
どうだ?そう思わないか? 」
チラチラッ!!
白い飛竜の様子を伺いながらそう提案を持ちかけると、ソイツはブーッ!!と大きく吹き出した。
そして笑いながらゴロゴロ転がるのに腹が立ったが、仕方なく見守る。
すると笑いがやっと収まった後、白い飛竜は輝く様な笑顔を見せてきた。
「 君ってホントに素直じゃないね!
でも────うん!その通りだ!
飛竜一匹だと見える景色って狭くなっちゃうから、君といる方が沢山みれるよね。
とっても楽しそうだ! 」
白い飛竜はそのままフワッと飛び上がると、人では聞き取れぬ言葉を呟く。
すると、俺達を中心に巨大な魔法陣が足元に浮かび上がった。
「 じゃあマービン、僕と約束してパートナーになろう。
あ、でも ” 約束 ” したら、二度となしにはできないよ。
だから番のメスは飛竜が好きな人にしないとだめになるからね~。
大丈夫? 」
「 いや……なんだ、その下らない確認は……。 」
もっと他に重要な事があるのでは??
呆れながら白い飛竜を見ると、そいつはプンプンと頭から湯気を飛ばしながら不機嫌そうに尻尾を振る。
「 すごく大事な事だよ!
そのせいでドロドロ離縁した当主も飛竜もいたんだからさ!
僕だって人間嫌いな飛竜のメスとは番になれなくなるし……。
だからマービン! ” 約束 ” しよう!
お互いパートナーには理解ある番を作る事。
そして、マービンは僕に ” 新しい世界 ” を見せてくれる事!
これから死ぬまで、ずっとだ! 」
「 ────数年前から……いや、もっと前からかもしれない。
突然色んな所に、まるで何かがお散歩する様に姿を現し始めたんだ。
不思議な事に、心の中に入る時の抵抗を一切感じない様で、本当にフッと現れては消えてしまう……。
姿形も見かける度に違って、赤ん坊の姿の時もあれば君くらいの年の時もあった。
青年の姿の時もあれば、人間じゃない時もあるんだよね……。
そういえば、前にマービンの前に現れた時は、おじいさんの姿だった。
” 人 ” でも竜でもない……アレは一体何なんだろう?? 」
本当に不思議そうな顔をする白い飛竜を見ながら、俺はあの時俺を引っ張った、暴力じいさんの事を思い出した。
的外れな説教をし、笑うだけ笑ってマイペースに去っていったじいさん。
思い出せば思い出すほど ” 誰かさん ” そっくりなそいつに、気がつけばクックックと笑っていた。
「 ” 人 ” でも竜でもないなら、答えは決まっているじゃないか。
アレは、多分俺達があまりにも不甲斐ないから、わざわざ怒りにきた ” 神様 ” だろうよ。 」
「 えぇっ!! 」
白い飛竜は驚いた様だが、直ぐに納得したのか頷き「 神様って結構暴力的なんだね……。 」としみじみ呟く。
それがおかしくて声を上げて笑うと、俺は白い飛竜の前にドスンッと座った。
白い飛竜はそんな俺を見て、自分もドスンと座り込み、俺達はお互いしっかり目を合わせる。
「 ……なぁ、もし俺がアチラ側に行っていたら、お前たち飛竜はどうなっていた? 」
白い飛竜は一瞬間を開けた後、淡々と答えた。
「 ” 強き者 ” にしか従わない竜のプライドを守るため、全員が自害するつもりだった。
アチラ側の世界に行ってしまった者を、僕たちは ” 弱き者 ” と言い、抗い続ける者を ” 強き者 ” と呼ぶ。 」
「 ……そうか。 」
何一つ見えてなかった自分。
見せかけだけの愛に縋り、自分に向けられていた愛情にも、叫び続けてくれた飛竜達の想いも、俺は何一つ分かっていなかった。
そのくせ自分は、自分を ” 見て ” くれない父と母を、飛竜達や周りの人々を……そしてこの世界そのものを憎んでいたのだ。
自分は ” 都合のいいモノ ” しか見ないくせに、そんな自分を ” 見て ” など、自分は本当に愚か者だ。
” 俺、散歩大好きだからさ!
まだまだ見たことない場所が一杯あるから、そろそろ見に行くよ。 ”
じいさんの言ってた言葉が頭に浮かび、世界の広さを実感する。
俺が見ていた世界など、大海の砂一粒。
世界は広く、沢山の見た事ないモノで溢れている。
今度こそ自分が見たいモノだけじゃなく、沢山のモノを見て、じいさんに自慢してやる。
「 なぁ、お前のやりたい事って何? 」
目の前に座る白い飛竜を真っ直ぐ見つめながら問うと、白いひは考えながらそれに応えた。
「 う~ん……。そうだなぁ~。
色んな景色を見たいな。
今まで見た事ないモノならなんでも楽しいと思う。
でも一生掛けても見きれないだろうな。
世界って広いから。」
キラキラと目を輝かせる白い飛竜に、ニヤッと笑う。
「 ほほぅ?そうか。
俺は今まで随分と狭い世界にいた様でな、ちょうどこれから色々な所へ行く予定だ。
きっと沢山の新しい景色が見れるだろう。
そんな俺について来れば、飛竜だけでは見れない景色も……見れるかもしれんぞ。
どうだ?そう思わないか? 」
チラチラッ!!
白い飛竜の様子を伺いながらそう提案を持ちかけると、ソイツはブーッ!!と大きく吹き出した。
そして笑いながらゴロゴロ転がるのに腹が立ったが、仕方なく見守る。
すると笑いがやっと収まった後、白い飛竜は輝く様な笑顔を見せてきた。
「 君ってホントに素直じゃないね!
でも────うん!その通りだ!
飛竜一匹だと見える景色って狭くなっちゃうから、君といる方が沢山みれるよね。
とっても楽しそうだ! 」
白い飛竜はそのままフワッと飛び上がると、人では聞き取れぬ言葉を呟く。
すると、俺達を中心に巨大な魔法陣が足元に浮かび上がった。
「 じゃあマービン、僕と約束してパートナーになろう。
あ、でも ” 約束 ” したら、二度となしにはできないよ。
だから番のメスは飛竜が好きな人にしないとだめになるからね~。
大丈夫? 」
「 いや……なんだ、その下らない確認は……。 」
もっと他に重要な事があるのでは??
呆れながら白い飛竜を見ると、そいつはプンプンと頭から湯気を飛ばしながら不機嫌そうに尻尾を振る。
「 すごく大事な事だよ!
そのせいでドロドロ離縁した当主も飛竜もいたんだからさ!
僕だって人間嫌いな飛竜のメスとは番になれなくなるし……。
だからマービン! ” 約束 ” しよう!
お互いパートナーには理解ある番を作る事。
そして、マービンは僕に ” 新しい世界 ” を見せてくれる事!
これから死ぬまで、ずっとだ! 」
172
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
無能と呼ばれた婚約者は王を完成させる〜替え玉婚約者のはずが、強すぎる王太子に手放してもらえません〜
統子
BL
兄の身代わりとして王太子の婚約者になった伯爵家次男リュシー。
嘘の名を名乗ったはずが、冷静で誠実な王太子リオンは彼を「力の装置」としてではなく、対等な伴侶として扱おうとする。
本物になりたいと願う替え玉と、完成された王太子の静謐な王宮ロマンス。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる