【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十六章

1446 生きてて楽しいのかね?

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( オリビア )

私は、元々持っているこの凶暴的な欲望、欲求を抱えてずっと生きていかなければならない。

そして、その命じるまま生きてきたのが父と母。

ひたすら叶わぬ欲望を抱えて生きていくのは、とてもつらい事で……でもそれに従い、何の罪もない者たちを傷つけては心は死ぬ。

だから私にとって、生きる事はとてもとても辛い事なのだが────……。


          
なんだ、 ” 悪 ” を使、こんなにあっさり解決するじゃないか。



────ブシャッ!!

吹き出た血で身を汚しながら、私は笑ってしまった。


こんな酷い状況で見えた、新たな私の道。


愉快のまま戦い続け、とうとうお仲間全員をその場に沈めてやると……父が怒りの形相で私を睨む。


「 んん~?オリビアぁぁぁ~、なぁぁぁ~に調子に乗ってんの?

あれれ~?もしかして、俺、舐められてる? 」


父は戯けた様子でそう言ったが相当キている様で……思い切りジーナを投げ飛ばした。

しかし、それを街の人達は必死で受け止めてくれたため怪我はない様だ。


よかった……。


ポカンとしているジーナを見て、ホッとした後、直ぐに剣を構えて父へと攻撃を仕掛ける。

しかし、それは軽く避けられてしまい、そのまま同じく剣を抜いた父との打ち合いへと突入した。


「 へぇ~。一応俺の子だな。

戦闘の才能はある。 」


「 ……っ……それは……っどう……もっ!! 」


ゼイゼイと息を乱す私とは違い、父は余裕そうだ。

何一つ攻撃は届かない……遊んでいるのだ。


「 ……っくっそ……!! 」


悪態をつきながら、一気に勝負を掛けようと前に踏み出そうとしたのだが……その前に父が間合いに入り込み、私の腹に強烈なキックをお見舞いしてきた。


「 ────がっ……! 」


「 ば~か。そんなクソみたいな攻撃、当たるかよ。 」


呼吸が止まる程の攻撃だったが、父は続けて前のめりになった私の背中に踵を落とし、完全に地面に沈ませる。

その後は、倒れた私を蹴る、殴る!の猛攻撃をしながら大声で笑い続け、その場には私を殴る打撃音と父と母の笑い声が響いた。


「 あ……ぐぐ……。 」


うめき声しか出ない私を父は嬉しそうに眺め、まるで街の人々に見せつける様に首を掴んで持ち上げる。


「 今までは~娘だと思って、一応は特別扱いしてやったんだぜ?

でも最近調子に乗っているみたいだし、もうお前いらねぇ~わ。

最初の生贄はお前決定~♬

さぁ、楽しいショーの始まりだ~。 」


父はニヤニヤしながら母の方を見た。

すると、母は同じく笑いながら、ピュイッ!と口笛を吹く。


< 淫妖血人の資質> (ユニーク固有スキル)

< マリオネット支配 >

スキル< ブラッティー・セックス >で創り出した血でモンスターを魅了状態にし、意のままに操る事ができるデバフ系スキル

その成功率は、自身の魔力、魔力操作、器用さ、魅力値、美しさ、自信によって決定する

( 発現条件 )

一定以上の魔力、魔力操作、器用さ、魅力値、美しさ、自信を持つこと

一定数以上の他者との交わりの経験値を持つこと

一定以上の残忍、非情、性欲、他害欲求がある事



口笛の音がなった直後、街の門の方からガチャンッ!!という大きな音がした。

恐らくは先ほど言っていたモンスター< 貪食・アナコンダ >が街に侵入してきたに違いない。

それに気づいた街の人達の顔色は一気に青ざめた。


「 ほ~ら、入ってきたぜ~?可愛い可愛いヘビちゃんが♡

ほらほら~。誰でもいいから犠牲にすれば、そいつが食われている間に逃げられるかもしれねぇぞ~?

とりあえず、こいつが食われている間に考えろよ。

まぁ、そんなに大した時間はないけどな♡ 」


「 フフッ。早いもの勝ち~♬ 」


街の人達を煽る様な言葉を吐く父と母に、カッ!と血が上る。


こんなクソみたいな事をしただけでは飽き足らず、被害者同士をいがみ合わせて、更に楽しむつもりだ!


「 や……め……ろ……っ……。クソ……野郎っ……! 」


私の首を掴んでいる父の手を握りしめそう呟くと……父はパッ!とその手を離し、落ち行く私の体を────思い切り蹴飛ばした!


「 グフ……っ!! 」


勿論なすすべもなくふっ飛ばされ、そのまま地面に伏せた私の元へ、父が一瞬で飛んできて、そのまま頭を踏みつける。

踏まれた頭からは、ミシミシ……という嫌な音がした。


そして痛みに呻く私を見下ろし、父はハァ~……と大きなため息をつく。


「 力のねぇヤツって、生きていて楽しいのかねぇ?

やりたいこと全部我慢して、お友達ごっこしねぇと生きていけねぇなんざ、地獄じゃん。

可哀想だよな~哀れだよな~。

そんなの死んだ方がマシだろう?

だから終わりを与えてやる俺って、優しい~♬ 」


無様に転がる私や守備隊達、そして震えている街の人々を見回しながら満足そうにそう言い放った父。

その時私の脳裏に浮かんだのは、自分に痛みや辛いしか与えてこない、あのドロドロの大地と……それを癒やしてくれた泉の存在であった。
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