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第四十六章
1456 私はオリビア!
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( オリビア )
「 さぁの?姿形はお主と同じくらいの少年の姿に見えるが……あの様な生き方、並外れた精神力ではできぬじゃろうて。
目的も分からん。 」
「 ……あいつの目……父と母と同じ類のモノだった……。
人を害して楽しむ心を持っているのは間違いない。 」
「 うむ……。 」
人が苦しむ姿を見るのが楽しくて楽しくてたまらない。
加虐に対する愉快、快感……恐らくは私同様、生まれながらの ” 悪 ” の心を持っている。
それをヘンドリクも分かっているのだろう。
それに関しては肯定したが……その後ボソボソと納得しきれない様子で喋り始めた。
「 確かに同種なんじゃが……しかし、あやつが手を掛けるのは、ある一定以上の悪人だけなんじゃよ。
そうせざるを得ないスキルなのか……それとも他に何かしらの理由があるのか……。
ただ一つ言えるのは────……。 」
ヘンドリクは言葉を一度切り、私を真正面から見つめる。
そして今度はボソボソとした声ではなくハッキリとした声で言った。
「 人を殺める事に正当性というモノはない。
じゃが、何が正しいか正しくないか、自分がどうしたいのかは……自分でしっかり決めて生きていかねばならん。
何の選択肢を選んでも ” 辛い ” は必ずあるもんじゃ。
だからこれから自分の全てを使い、選んでいくといい。
ヤツが選んだ道は修羅の道。
常に孤独と共に歩み、真っ暗な道をひたすら進むしかできない道じゃ。
ワシなら途中で自分を見失うじゃろうな……。メンタル弱々なんで。 」
大男が自分の体を抱きしめヨヨヨ……とわざとらしく体を震わせる姿は気持ち悪かったが……言いたかった言葉はしっかり受け取ったつもりだ。
圧倒的な ” 悪の力 ” を使い、同じ力を持つ ” 悪 ” を倒し続ける事。
その人生には一生孤独がつきまとう。
「 …………。 」
私はヘンドリクから視線を外し、自分の握った拳を見下ろす。
私にも同じく加虐による快楽の心があって、きっと一生これは私の人生につきまとうだろう。
そしてその心は、父と母が助けを求めても助けず……それによる後悔も懺悔もなかった。
むしろ爽やかな気持ちと、これから苦しんで生きながらえるであろう二人を想うと最高に楽しい気分になる程だ。
では────……そんな私の選ぶ道は……?
私の視線は拳から、後ろで心配そうに見上げてくるジーナへ移り、そして街の人達へと移っていった。
お互いの無事とこれから怯える事なく暮らせる事に、お互い抱きしめ合いながら歓喜する街の人達……。
それを見ると口元には笑みが浮かんだ。
「 私は…… ” 悪 ” が許せない。
全部ぶっ殺してやりたいと思っている。
でも……きっとあの少年と同じ道へは行けないと思う。
だから────これから探す。
自分の元から持っている気質と、今の自分の両方が幸せになれる生き方を……。 」
「 そうか……。 」
ヘンドリクはフッと笑い、そしてそこら中に散らばるモンスターの死骸とそれに食われた母と父のお仲間たちの残骸を見渡し、ハァ~……と大きなため息をつく。
「 全く……。生きていても死んでもそこら中を汚す奴らじゃわい……。
片付ける方の身になってもらいたいもんじゃ……。 」
ブツブツと文句を言いながら歩きだそうとしたヘンドリクに「 あのっ!! 」と大声を上げて引き止めた。
そして振り向いたヘンドリクを見つめ返しながら大声で叫ぶ。
「 私はあのクズ共の娘だ!
そしてあいつらと同じ様な他害の衝動が常にある!!
でも私は……それに負けない様に生きていきたい……っ。
そのためには力がいる。
戦うための力が……。 」
どんなに ” 悪 ” に心は抗えても、それを排除するには力がいる。
物理的な ” 力 ” が────。
そうしないと大事なモノは何も守れない。
だから私はその力が欲しい!
その場に膝をつき、思い切り地面に頭をつけた。
そして……何も反応を返さないヘンドリクに向かって更に叫ぶ。
「 だからどうか私に強くなるための方法を教えてください!!
お願いしますっ!!! 」
土下座をしたまま動かない私を見て、ヘンドリクは「 ふむ……。 」と呟くと、スタスタと歩いて私の目の前で止まった。
「 親の因果は非常に強力な恨みの念となってお主を苛む。
時には酷い八つ当たりや理不尽な想いもするだろう。
それでもお主は────この世界に憎しみを持たずにいられると思うか? 」
静かに問われた言葉によって、私は今までの人生の一つ一つを振り返る。
生まれてからずっと暴力に支配され、愛など一つも与えられず、慈悲もなく生きてきた。
苦しくて辛くて…… ” なぜ自分だけ? ” と全てを恨み、憎んだ。
でも────……。
「 はい。
だって世界はとても綺麗なんだと……もう知っていますから。 」
キッパリとそう告げると、ヘンドリクからは嬉しそうな笑いが聞こえ、突然腕を捕まれ立たされる。
それに驚き目を丸くすると、ヘンドリクはバチンッとウィンクをした。
「 お主は痩せっぽっちだし、傷だらけじゃな。
あのろくでなし共に相当酷い扱いをされてきたようじゃが、それでも復讐者の目をしておらん。
ワシはそれを尊敬しよう。
弟子は取らぬ主義を通してきたが……お主がそれを破った第一号になってしもうたな。 」
「 ────~っ!! 」
その言葉が嬉しくて、思わず泣きそうになったが、必死でこらえる。
そしてそんな私を見てヘンドリクが「 お主の名は? 」と尋ねてきた。
「 私は────オリビア! 」
「 さぁの?姿形はお主と同じくらいの少年の姿に見えるが……あの様な生き方、並外れた精神力ではできぬじゃろうて。
目的も分からん。 」
「 ……あいつの目……父と母と同じ類のモノだった……。
人を害して楽しむ心を持っているのは間違いない。 」
「 うむ……。 」
人が苦しむ姿を見るのが楽しくて楽しくてたまらない。
加虐に対する愉快、快感……恐らくは私同様、生まれながらの ” 悪 ” の心を持っている。
それをヘンドリクも分かっているのだろう。
それに関しては肯定したが……その後ボソボソと納得しきれない様子で喋り始めた。
「 確かに同種なんじゃが……しかし、あやつが手を掛けるのは、ある一定以上の悪人だけなんじゃよ。
そうせざるを得ないスキルなのか……それとも他に何かしらの理由があるのか……。
ただ一つ言えるのは────……。 」
ヘンドリクは言葉を一度切り、私を真正面から見つめる。
そして今度はボソボソとした声ではなくハッキリとした声で言った。
「 人を殺める事に正当性というモノはない。
じゃが、何が正しいか正しくないか、自分がどうしたいのかは……自分でしっかり決めて生きていかねばならん。
何の選択肢を選んでも ” 辛い ” は必ずあるもんじゃ。
だからこれから自分の全てを使い、選んでいくといい。
ヤツが選んだ道は修羅の道。
常に孤独と共に歩み、真っ暗な道をひたすら進むしかできない道じゃ。
ワシなら途中で自分を見失うじゃろうな……。メンタル弱々なんで。 」
大男が自分の体を抱きしめヨヨヨ……とわざとらしく体を震わせる姿は気持ち悪かったが……言いたかった言葉はしっかり受け取ったつもりだ。
圧倒的な ” 悪の力 ” を使い、同じ力を持つ ” 悪 ” を倒し続ける事。
その人生には一生孤独がつきまとう。
「 …………。 」
私はヘンドリクから視線を外し、自分の握った拳を見下ろす。
私にも同じく加虐による快楽の心があって、きっと一生これは私の人生につきまとうだろう。
そしてその心は、父と母が助けを求めても助けず……それによる後悔も懺悔もなかった。
むしろ爽やかな気持ちと、これから苦しんで生きながらえるであろう二人を想うと最高に楽しい気分になる程だ。
では────……そんな私の選ぶ道は……?
私の視線は拳から、後ろで心配そうに見上げてくるジーナへ移り、そして街の人達へと移っていった。
お互いの無事とこれから怯える事なく暮らせる事に、お互い抱きしめ合いながら歓喜する街の人達……。
それを見ると口元には笑みが浮かんだ。
「 私は…… ” 悪 ” が許せない。
全部ぶっ殺してやりたいと思っている。
でも……きっとあの少年と同じ道へは行けないと思う。
だから────これから探す。
自分の元から持っている気質と、今の自分の両方が幸せになれる生き方を……。 」
「 そうか……。 」
ヘンドリクはフッと笑い、そしてそこら中に散らばるモンスターの死骸とそれに食われた母と父のお仲間たちの残骸を見渡し、ハァ~……と大きなため息をつく。
「 全く……。生きていても死んでもそこら中を汚す奴らじゃわい……。
片付ける方の身になってもらいたいもんじゃ……。 」
ブツブツと文句を言いながら歩きだそうとしたヘンドリクに「 あのっ!! 」と大声を上げて引き止めた。
そして振り向いたヘンドリクを見つめ返しながら大声で叫ぶ。
「 私はあのクズ共の娘だ!
そしてあいつらと同じ様な他害の衝動が常にある!!
でも私は……それに負けない様に生きていきたい……っ。
そのためには力がいる。
戦うための力が……。 」
どんなに ” 悪 ” に心は抗えても、それを排除するには力がいる。
物理的な ” 力 ” が────。
そうしないと大事なモノは何も守れない。
だから私はその力が欲しい!
その場に膝をつき、思い切り地面に頭をつけた。
そして……何も反応を返さないヘンドリクに向かって更に叫ぶ。
「 だからどうか私に強くなるための方法を教えてください!!
お願いしますっ!!! 」
土下座をしたまま動かない私を見て、ヘンドリクは「 ふむ……。 」と呟くと、スタスタと歩いて私の目の前で止まった。
「 親の因果は非常に強力な恨みの念となってお主を苛む。
時には酷い八つ当たりや理不尽な想いもするだろう。
それでもお主は────この世界に憎しみを持たずにいられると思うか? 」
静かに問われた言葉によって、私は今までの人生の一つ一つを振り返る。
生まれてからずっと暴力に支配され、愛など一つも与えられず、慈悲もなく生きてきた。
苦しくて辛くて…… ” なぜ自分だけ? ” と全てを恨み、憎んだ。
でも────……。
「 はい。
だって世界はとても綺麗なんだと……もう知っていますから。 」
キッパリとそう告げると、ヘンドリクからは嬉しそうな笑いが聞こえ、突然腕を捕まれ立たされる。
それに驚き目を丸くすると、ヘンドリクはバチンッとウィンクをした。
「 お主は痩せっぽっちだし、傷だらけじゃな。
あのろくでなし共に相当酷い扱いをされてきたようじゃが、それでも復讐者の目をしておらん。
ワシはそれを尊敬しよう。
弟子は取らぬ主義を通してきたが……お主がそれを破った第一号になってしもうたな。 」
「 ────~っ!! 」
その言葉が嬉しくて、思わず泣きそうになったが、必死でこらえる。
そしてそんな私を見てヘンドリクが「 お主の名は? 」と尋ねてきた。
「 私は────オリビア! 」
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