【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十七章

1466 はい、登場!

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( イザベル )

ゾロゾロと次から次へと迫りくるモンスター達を見渡し、大きなため息をつく。


きりがないな……。


まだまだ後方にズラリと見えるモンスターたちを睨みつけ、うんざりしたが……自身の仕える主人を想い気を引き締めた。


「 主人が戦っている中、ここを通しては臣下の名がすたるというもの……。

それに────……。 」


モワモワ~と思い浮かぶのは、主人であるリーフ様の後ろでボンヤリと立っている黒い木偶の坊。

その姿を思い出すと、ムカー!!と怒りの感情が燃え上がる。


「 おのれっ!!あの忌々しい化け物がっ!! 」


その怒りの感情のまま、うおおおぉぉぉ────!!とモンスターの先頭に飛び出すと、スキル『 風読み 』を乱発し、次々とモンスター共を斬り伏せていった。

そんな私の怒気に戸惑ったのか、モンスター達は警戒を強めて一旦大きく後退をする。

その姿を見て、私はフンッと鼻で笑った。


「 信念無くしてただ暴れまわる獣集団め。

リーフ様が呪いの化け物を倒すまで大人しくしていろ。 」


あらかた目立つ奴らは倒し、後は残党共を────と思ったその時、ここから約2kmほと先、そこになにやら正体不明の魔力反応を感じ、更にそこから多数の魔力反応が出現したのを感じて舌打ちをする。


「 あれが呪災の卵の能力の一つか……。なんと厄介な。 」


父上が言っていた、モンスターを生み出すまさに無敵の能力。

それは戦闘が激しくなるにつれて数が増えていくはずだと言っていたが……つまりこれから戦いは更に激しさを増していくはずだ。


私はフッと短く息を吐くと、その戦いに参加している仲間たちを想う。

そして剣を握り直すと、また有象無象と向かい来るモンスター達へ視線を向けたその時────……。


「 イザベルさんは僕が守────る!! 」


勇ましい声と共に、トウっ!という声が頭上から聞こえてきたと思ったら、何者かが空に空いた穴から落ちてきた。

そしてそのまま、両手に持つ二丁のクロスボウをモンスター達の集団へ向ける。

すると────そこら中に黒い渦の様に出現し、周辺にいるモンスター達は一瞬にして吸い込まれてしまった。



< 捻れ人の資質 >( ユニーク固有スキル )

< 次元統一 >

今いる次元に穴を開け、多次元の入口を開ける空間系特殊スキル

多次元の入口は渦を巻いており、周囲のモノを全て吸い込みねじ切れてしまう

(発現条件) 

一定以上の魔力、魔力操作、無邪気、情熱、熱血値がある事

一定回数以上< 多次元ボックス >を使用する事

一定以下の精神汚染度で、かつ空間系能力を使った戦闘で勝利した経験値がある事



超広範囲型の攻撃スキル。

しかもジェーンと同じ空間系能力だが、戦闘特化タイプ……。


嫌になるほど覚えがあったその能力に一瞬動きを止めると、その二丁のクロスボウを持った人物はクルッと振り向き、輝くような笑顔を見せてきた。


赤みの強い紫色の髪をサイドだけ長くした、二十代半ばくらいの青年。

顔はそれなりに整っているが、ちゃらついた雰囲気で台無し、かつ不快な気持ちしかわかない。


【 ジェンスター家 】現当主

< シャルル・ディー・ジェンスター >


「  …………。 」


隠す事なく不快感を顔に出しているというのに、そいつは嬉しそうにニコニコと笑いながら跪いた。


「 ────で、いつ結婚式しますか? 」


「 相変わらず気味の悪い男だ……。 」


ゾゾ~ッ……!!

背筋に悪寒が走り、顔からは血の気が引く。


シャルルとの出会いは、確か初めてドノバンに修行をつけてもらった日から。


当時一緒に修行をした日々があったのだが、その頃はだいぶ貴族特有の傲慢さが目立つ男だったと思う。


” 伯爵家……しかも、領地も持たぬ落ちぶれ貴族の分際で、父上に修行をつけてもらえる事を有り難く思え。 ”


” 全く……父上も愚かな事だ。

学生の頃からの付き合いかなんだか知らないが、あんな何を考えているか分からぬ女狐の様な男に誑かされて……。 ”


悪意に満ち溢れた目と言動で攻撃され、だいぶ歳が上のシャルル相手に私がどうしたかと言うと……まぁ、完膚なきまでに負かしてやった。


正直弱すぎて相手にならないレベル。

自分をボコボコにして、更に完全無視を貫く私を見て、シャルルは陸に打ち上げられた魚の様に震え始める。

ちなみに、そんなシャルルの姿を見た実の父親であるドノバンはというと、殴られコブだらけになった顔を指差し ” ぶどうみてぇ~ww!! ” と腹を抱えて笑っていた。

するとその直後、シャルルは気絶してしまったため、家へと強制送還。

しばらくは姿を見せなかった。


” あいつ、周りの影響でちょっとおかしくなっててよ~。

ちょっとカルパスにお灸を添えてもらおうかと思って連れてきたんだが……まさかこんな年下のイザベルに負けるとはなぁ。

さぁ、これから這い上がれっかね~。 ”


ハハ~!と笑うドノバンに、父上に面倒事を押し付けるなと憤慨したのだが……まさか、こんな変化を遂げて戻って来るとは、誰も思わなかった。
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