【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第五十一章

1550 王賞の制約

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( リーフ )

ニッコリ笑いながら心の中では ” ありがとう。 ” 

そのままご機嫌で歩き続けたが……ここで少し違和感がむくむくと表に出てきた。


あれ??そういえば、どうして剣王の< ジェノス >さんはいないんだろう??


キョロキョロとエドワード派閥っぽい人たちを見回したが、やはりそれらしき人はいない。


もしかして、この後に登場する人物だったのだろうか……??


多少納得しかねる事に首を傾げたが、王様の前に到着したので、一旦それを頭の隅に置いておく。

そしてそこで跪く────前に、後ろでポケ~としているレオンとガンを付けているあげ玉を先に座らぜた。


” えぇ~……なんで頭下げるの~?? ”


不満タラタラのあげ玉に、” しっ! ” すると、黒みつが空気を読んで、リボンの形からバッテンマークになってくれて、その行動を止める。

すると、渋々とだが大人しくなったので、俺は胸に手を当て跪くと────ニコラ王から俺達に声が掛かった。


「 面をあげよ、国を救いし救世主殿。

そして────……。 」


お許しが出たので顔を上げると……ニコラ王は微笑んでいたが、俺の後ろのレオンに対しては、怯えの様なモノが見える。


ニコラ王はイシュル神をとても大事にしているため、物語の中では黒い髪と呪いの半身を持つレオンに対し、尋常ならぬ恐怖を抱いていた。

そのため正常な対応が全くできずに、レオンハルトに対する環境は悪化の一途を辿ってしまったというわけだ。


自分の人生と共に歩んできた価値観は、そうは変えられない。

だからニコラ王がレオンに恐怖する事はある程度は仕方ない事といえるが、果たして……?


固唾をのんで成り行きを見守っていると、ニコラ王はその恐怖をグッと自分の中に押し込み、王としての態度を崩す事なくレオン達に向けて言った。


「 救世主と共に戦いし、レオン殿、あげ玉殿、黒みつ殿も面をあげよ。 」


” え~?僕達別に顔を下げてないけど~?? ”


そんな事を言いたげな顔でポケ~としているレオンとあげ玉の頭を掴んで、とりあえず頷かせとく。

不思議そうな顔をしている二人を置いて、ニコラ王はその場に集まった人たち全員へゆっくりと視線を合わせていったので、俺もそれに便乗して視線を回していくと……なんだか本当に世界って不思議だなと思った。


一人一人の沢山の想いがあって、それが集まって今の世界ってもんがある。


どれが正しいとか間違っているとかなんて、俺には分からない。


正しい、正しくないって凄く難しい。

でも…………。


俺はアルバード英雄記にて、皆が辿るはずだった未来を思い浮かべ、ニヤッと笑った。


誰かにだけ正しい世界が辿る運命は、とても残酷なモノだった。

そこには絶望ばかりがあって、恐怖が全ての人達から選択する自由と感情を根こそぎ奪い、最後は…………。


「 確かにそんな世界は無価値なんだろうなと思うよ、俺は。 」


ボソッと呟いた言葉は小さく、誰にも聞こえない。

それを防いだ事に後悔はない────が……。


俺は自分の起こしてしまった事の大きさに、ブルッと震えた。


つい衝動的に動いてしまったが、これから一体どんな未来の補正が起こるのかは未定。

だからこれからは話の大筋は変えない様にしないと……。


ブルブル震える俺が寒いのかと勘違いしたレオンが、俺を抱っこしようとしてきたが、すかさずバッテンマークの黒みつをその頭にくっつけておいた。

それを見てもニコラ王は怒る事なく、そのまま皆に向かって声をあげる。


「 此度はこの国始まって以来の未曾有の大厄災がおきたにも関わらす、死者数ゼロという奇跡が起こった。

これはすべて呪いに打ち勝ってくれた救世主様と、この国全ての者達のお陰であると私は思っている。

まずは礼を言おう。

ありがとう。 」


王からの感謝の言葉に、全員が胸に手を当て頭を下げた。

勿論俺もレオンとあげ玉の頭を掴んで一緒に下げておく。

そうして全員が頭をあげたタイミングで、ニコラ王は話を続けた。


「 その中でも特に尽力してくれた者達に、私は【 王賞の制約 】を授けようと思う。 」


【 王賞の制約 】

歴史的に見ても偉大な功績を残した者に対し、王の名の下に、可能な限りの望むものを与える制約

この制約を破ったり、邪魔をする様な事があれば、最も重い重罪として裁ける権利が発生する


ニコラ王が胸に人差し指と中指をつけ目を閉じると、周りの人たちも同じ様にそのポーズをしたので、俺も便乗した。

目を閉じているから、もうレオンとあげ玉はいいやと自分だけにしておくと、その後すぐにニコラ王は目を開け、片手を上に挙げた。


「 そして此度の戦いは、我が国の者達だけではなく、他国の者達の力も大きかった故、私は他国にも、感謝の気持ちを伝えたい。

よって協力してくれた全ての国にも【 王賞の制約 】を授けようと思う。

ジェンス王国の王< ライアン >殿!

ガンドレイド王国の王< レギン >殿!

レイティア王国の女王< コレット >殿!

この度は協力して頂き、この国の王として感謝を申し上げる! 

ありがとう! 」


ニコラ王の話が終わると、上に挙げていた手は下がり、その瞬間ニコラ王のちょうど上に3つの巨大スクリーンが浮かび上がる。

そこにはそれぞれ別の人が映っていて、その正体を知った俺は ” あっ!! ” と叫んだ。
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