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19 あれれ?
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(イシ)
「ヒカリ君!ヒカリ君!!」
境界線の下の大きな溝、向こう岸に繋がっていた細い糸を見事に渡り切った俺は、なんとかヒカリ君がいる側へ辿り着くことができた。
そしたら勿論全力ダッシュ!!
ヒカリ君が落ちちゃう!落ちちゃう!
慌てて遠ざかっていく背中に手を伸ばすと、ハッ!!と意識は現実世界へ。
俺は手を伸ばし、テントの天井を掴もうと、指をウニョウニョ動かしていた。
「あ、あれ……??」
また変な夢でも見たようで一瞬ボケ~っとしてしまった後、自分が何でテントで寝ていたかを必死に思い出す。
すると途端に襲いくるのは、ムカムカとする胸焼けに、ガンガン痛む頭……。
これは────。
「あ、二日酔いか。これ。」
アイリーン達が何を入れたかは知らないが、多分激しく酔っ払う類の薬に違いないと確信した。
アイツらは明日……いや!一週間おやつなしだ!
流石に洒落にならないイタズラにププン!と怒っていると、さっきの夢を思い出し、突然何だか嫌な感覚が身体に走る。
しかし……完全無敵の勇者に何があるというのか?
そう思い直すと、ないな~い!と言いながら笑って起き上がった、その時────キラキラと光る細い糸が手に絡み付いているのに気がついた。
「あ、あれ??コレってまさか……夢の中にあった糸……?」
嫌な感覚はどんどんどんどんと強くなっていき、痛む頭を押さえつけて直ぐに立ち上がる。
そしてその細い糸を視線で辿っていくと、どうやら森の方へと続いている様だった。
それは何なのか?
それを考えるより先に、俺は近くにグチャッと落ちていたびちょびちょの服を一瞬で着込み、テントの中を飛び出す。
そして────その糸が導くまま、全力で走っていった。
「……っハァ!……ハァッ!……ッ。」
全力疾走に息は乱れ、汗はダラダラと地面に落ちていく。
辿っている糸はどんどん森の奥へと続いて行き、まだ先は見えない様だ。
「どこに繋がっているんだろう……。まさか……ヒカリ君に……?」
進むにつれて周囲は薄暗くなっていったが、周りにモンスターの気配が全然しない事からヒカリ君が通った後だということが分かり、ゾクッとした。
『さすが勇者様よね~!強すぎてモンスターの方が逃げ出すんだから!』
以前アイリーン達がハートを飛ばしながら言っていたので、間違いなくこの先にヒカリ君がいるはず。
「…………ヒカリ君。」
とにかくひたすら走り続ける俺の頭の中に、突然この先にいるであろうヒカリ君を褒め称える言葉が、次々と聞こえてきた。
『勇者様は凄い!』
『勇者様はカッコいい!』
『勇者様は完璧だ!』
『勇者様は────勇者様は────……。』
「我が儘!意地悪!生活力ゼロ!気に入らないと直ぐ皿投げてくるし、俺はそのせいで毎日満身創痍だ!でも……。」
何だかんだ力はセーブしてくれてる事は知ってる。
頭の中の声達に混じって、俺は俺の感じたままのヒカリ君について語った。
そして、ゼイゼイ息を大きく乱しながら、よく皿を当てられるオデコを擦る。
だってアホみたいに強いモンスターを一撃の人がさ、俺に皿投げたら……俺の体なんて花火みたいに吹き飛ぶに決まってる。
何だかんだで、俺に結界も張ってモンスターから攻撃されない様に守ってくれるし……。
ご飯に文句も言わないし、ちゃんと洗濯物入れに服を入れてくれるし……。
苦しくてゲホゲホしながら、ニヤッと笑った。
「勇者様は結構いい奴!これでいいや!」
結論をバシっ!と出した俺は、息苦しさに耐え、そのまま突っ走る!
◇◇◇◇
「……ハァ……ハァ……っあ……あれは……?」
そうしてやっとの事で光る糸の先……それに繋がっているヒカリ君を見つけたのだが、巨大な熊と象のミックス?らしき生物の姿もその前にあり、急いで足を止めた。
────あっ!戦いの最中!
直ぐに邪魔にならない様に、近くの岩の近くに隠れ、チラッとその様子を盗み見る。
そして次の攻撃をどちらかが仕掛けた瞬間、俺は速やかに引き返さなければと思いながら、汗を拭った。
以前キュアが言っていたが、ヒカリ君は自分の力が強すぎて相手の気配を辿るのが少し苦手なのだそうだ。
そのせいで『弱い&魔力ゼロ!』な俺は、結構近くにいてもほぼ気づかれない。
つまりつまり~!戦いに巻き込まれても気づいて貰えない!
自分の最弱っぷりを改めて認識させられ、グスン……と鼻を啜った。
変なタイミングで気づいて、ヒカリ君が不利になっては申し訳ない。
そのため、ここは全力で戦線離脱しなければ……。
そう思って慎重にヒカリ君の様子を伺っていたのだが……何故かヒカリ君は剣も構えないし、それどころか動かない。
…………??そういう戦闘スタイル??
戦闘経験など、小学生の頃にした生ぬる~く殴り合ったポカスカポカスカ喧嘩くらいしかした事ないため、この世界のスタンダード戦法が分からない。
そのためそういう『相手を油断させる為のポーズ』か何かかと思ったのだが……突然目の前にまたあの変な夢の世界が広がって、目の前にはヒカリ君の背中が。
そしてその直ぐ前には大きな崖があって────そこから伸びている黒い手がヒカリ君を掴もうと一斉に手を伸ばしてきた!
「────ヒカリ君!!」
俺はその瞬間、躊躇いなくヒカリ君の背に手を伸ばした。
◇◇◇◇
~~~~…………。
────パカッ……。
突然意識が急上昇し、目を開けばヒカリ君の背中は消えていて……そこに映るのは真っ白な天井であった。
「?????」
一瞬思考がついていかずに体を動かそうとすると……。
ピキピキ────っ!!!
未だかつて味わった事がないほどの痛みが体を襲い、あえなく撃沈。
あまりの痛みに呻き声をあげながら、俺が横たわっているのが何処ぞやのフカフカベッドの上で、更にベッドの脇に誰かが座っていることに気づいた。
「……あれ……?ヒカリ君……。」
座っていた人物はヒカリ君だ。
だが、その顔はいつもみたいに無表情じゃなくて、何だかよく分からない顔をしている。
怒りとか悲しみとか、単体の感情では表せない感じ?というか……色々混じってて何を考えているのか分からなかった。
「あの────……「なんでさぁ……。」
突然話を遮られて思わず黙ると、ヒカリ君はそのまま顔を下に下げていく。
だから顔が見えなくなって余計に考えている事が分からなくなってしまったが、ヒカリ君はそのまま淡々と話を続けた。
「何であんな事したの?…………本当に馬鹿すぎて理解できない。
どうしてあんな場所にいたか知らないけど、あんな岩ごとき当たったって、俺は傷一つつかないのに……。」
岩と聞き、俺はやっと直前の記憶を思い出す。
そっか……俺、飛んでくる岩にぶつかって吹っ飛ばされたんだ……。
「ヒカリ君!ヒカリ君!!」
境界線の下の大きな溝、向こう岸に繋がっていた細い糸を見事に渡り切った俺は、なんとかヒカリ君がいる側へ辿り着くことができた。
そしたら勿論全力ダッシュ!!
ヒカリ君が落ちちゃう!落ちちゃう!
慌てて遠ざかっていく背中に手を伸ばすと、ハッ!!と意識は現実世界へ。
俺は手を伸ばし、テントの天井を掴もうと、指をウニョウニョ動かしていた。
「あ、あれ……??」
また変な夢でも見たようで一瞬ボケ~っとしてしまった後、自分が何でテントで寝ていたかを必死に思い出す。
すると途端に襲いくるのは、ムカムカとする胸焼けに、ガンガン痛む頭……。
これは────。
「あ、二日酔いか。これ。」
アイリーン達が何を入れたかは知らないが、多分激しく酔っ払う類の薬に違いないと確信した。
アイツらは明日……いや!一週間おやつなしだ!
流石に洒落にならないイタズラにププン!と怒っていると、さっきの夢を思い出し、突然何だか嫌な感覚が身体に走る。
しかし……完全無敵の勇者に何があるというのか?
そう思い直すと、ないな~い!と言いながら笑って起き上がった、その時────キラキラと光る細い糸が手に絡み付いているのに気がついた。
「あ、あれ??コレってまさか……夢の中にあった糸……?」
嫌な感覚はどんどんどんどんと強くなっていき、痛む頭を押さえつけて直ぐに立ち上がる。
そしてその細い糸を視線で辿っていくと、どうやら森の方へと続いている様だった。
それは何なのか?
それを考えるより先に、俺は近くにグチャッと落ちていたびちょびちょの服を一瞬で着込み、テントの中を飛び出す。
そして────その糸が導くまま、全力で走っていった。
「……っハァ!……ハァッ!……ッ。」
全力疾走に息は乱れ、汗はダラダラと地面に落ちていく。
辿っている糸はどんどん森の奥へと続いて行き、まだ先は見えない様だ。
「どこに繋がっているんだろう……。まさか……ヒカリ君に……?」
進むにつれて周囲は薄暗くなっていったが、周りにモンスターの気配が全然しない事からヒカリ君が通った後だということが分かり、ゾクッとした。
『さすが勇者様よね~!強すぎてモンスターの方が逃げ出すんだから!』
以前アイリーン達がハートを飛ばしながら言っていたので、間違いなくこの先にヒカリ君がいるはず。
「…………ヒカリ君。」
とにかくひたすら走り続ける俺の頭の中に、突然この先にいるであろうヒカリ君を褒め称える言葉が、次々と聞こえてきた。
『勇者様は凄い!』
『勇者様はカッコいい!』
『勇者様は完璧だ!』
『勇者様は────勇者様は────……。』
「我が儘!意地悪!生活力ゼロ!気に入らないと直ぐ皿投げてくるし、俺はそのせいで毎日満身創痍だ!でも……。」
何だかんだ力はセーブしてくれてる事は知ってる。
頭の中の声達に混じって、俺は俺の感じたままのヒカリ君について語った。
そして、ゼイゼイ息を大きく乱しながら、よく皿を当てられるオデコを擦る。
だってアホみたいに強いモンスターを一撃の人がさ、俺に皿投げたら……俺の体なんて花火みたいに吹き飛ぶに決まってる。
何だかんだで、俺に結界も張ってモンスターから攻撃されない様に守ってくれるし……。
ご飯に文句も言わないし、ちゃんと洗濯物入れに服を入れてくれるし……。
苦しくてゲホゲホしながら、ニヤッと笑った。
「勇者様は結構いい奴!これでいいや!」
結論をバシっ!と出した俺は、息苦しさに耐え、そのまま突っ走る!
◇◇◇◇
「……ハァ……ハァ……っあ……あれは……?」
そうしてやっとの事で光る糸の先……それに繋がっているヒカリ君を見つけたのだが、巨大な熊と象のミックス?らしき生物の姿もその前にあり、急いで足を止めた。
────あっ!戦いの最中!
直ぐに邪魔にならない様に、近くの岩の近くに隠れ、チラッとその様子を盗み見る。
そして次の攻撃をどちらかが仕掛けた瞬間、俺は速やかに引き返さなければと思いながら、汗を拭った。
以前キュアが言っていたが、ヒカリ君は自分の力が強すぎて相手の気配を辿るのが少し苦手なのだそうだ。
そのせいで『弱い&魔力ゼロ!』な俺は、結構近くにいてもほぼ気づかれない。
つまりつまり~!戦いに巻き込まれても気づいて貰えない!
自分の最弱っぷりを改めて認識させられ、グスン……と鼻を啜った。
変なタイミングで気づいて、ヒカリ君が不利になっては申し訳ない。
そのため、ここは全力で戦線離脱しなければ……。
そう思って慎重にヒカリ君の様子を伺っていたのだが……何故かヒカリ君は剣も構えないし、それどころか動かない。
…………??そういう戦闘スタイル??
戦闘経験など、小学生の頃にした生ぬる~く殴り合ったポカスカポカスカ喧嘩くらいしかした事ないため、この世界のスタンダード戦法が分からない。
そのためそういう『相手を油断させる為のポーズ』か何かかと思ったのだが……突然目の前にまたあの変な夢の世界が広がって、目の前にはヒカリ君の背中が。
そしてその直ぐ前には大きな崖があって────そこから伸びている黒い手がヒカリ君を掴もうと一斉に手を伸ばしてきた!
「────ヒカリ君!!」
俺はその瞬間、躊躇いなくヒカリ君の背に手を伸ばした。
◇◇◇◇
~~~~…………。
────パカッ……。
突然意識が急上昇し、目を開けばヒカリ君の背中は消えていて……そこに映るのは真っ白な天井であった。
「?????」
一瞬思考がついていかずに体を動かそうとすると……。
ピキピキ────っ!!!
未だかつて味わった事がないほどの痛みが体を襲い、あえなく撃沈。
あまりの痛みに呻き声をあげながら、俺が横たわっているのが何処ぞやのフカフカベッドの上で、更にベッドの脇に誰かが座っていることに気づいた。
「……あれ……?ヒカリ君……。」
座っていた人物はヒカリ君だ。
だが、その顔はいつもみたいに無表情じゃなくて、何だかよく分からない顔をしている。
怒りとか悲しみとか、単体の感情では表せない感じ?というか……色々混じってて何を考えているのか分からなかった。
「あの────……「なんでさぁ……。」
突然話を遮られて思わず黙ると、ヒカリ君はそのまま顔を下に下げていく。
だから顔が見えなくなって余計に考えている事が分からなくなってしまったが、ヒカリ君はそのまま淡々と話を続けた。
「何であんな事したの?…………本当に馬鹿すぎて理解できない。
どうしてあんな場所にいたか知らないけど、あんな岩ごとき当たったって、俺は傷一つつかないのに……。」
岩と聞き、俺はやっと直前の記憶を思い出す。
そっか……俺、飛んでくる岩にぶつかって吹っ飛ばされたんだ……。
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追いかけてくるまで説明ハイリマァス
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