まねをしてくる令嬢に婚約者を取られたので、偽りの情報で破滅させます

泉花ゆき

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けれども、私のその態度すら、ライアン様の目には加害者としての芝居としか受け取られなかったようで。

「彼女は君と違って、心が清らかで僕の助けを必要としている。君のように一人で何でもこなして……他人の弱さを笑うような女に、僕の隣に立つ資格はない」

私は震える唇を噛み締めました。
……心が清らかでないのは、きっとそうなのでしょう。
今私の胸の内側は、疑念と落胆が渦巻いています。

(人の弱さを笑ったことなどないと、あなたにだけは分かっていてほしかった……)

……一人で何もかもをこなしているだなんて、そんなことはありません。けれども自立しようと身を律していることが、彼にとっては罪だったのでしょうか。

メアリィ様のように泣いて縋り……彼の、弱き人を助けたいと。その願望を満たしてあげなかったことが、私の間違いだったというのでしょうか。

何も言えないでいる私の前で、用は済んだとばかりにライアン様は息を吐きます。

「行こう、メアリィ。こんな場所に長居しては君の気分が悪くなってしまう……ああ、その荷物は僕が持とう。足元に気をつけて……」

「はい、ライアン様……っ。愛しております……」
 
「僕もだよ、メアリィ……」

呼び出した場所をこんな所、と言い捨てて。そして、そこに私を置いていく二人の会話は続きます。

「ライアン様に私を選んでもらえて、とっても嬉しいわ」

「そうか……僕も、君と一緒になれて嬉しいよ。……そうだな、これから美味しいお茶でも飲みに行かないか?」

二人は仲睦まじげに腕を組み、私を部屋の隅に追いやったままで出口へと歩き出しました。
私の視界は涙で歪んだままです。……足の力が抜けて、その場に崩れ落ちそうになりました。

(こんな……理由の分からない内に……婚約破棄だなんて……)

けれど、打ちひしがれている私の前で。……理由の分からないことは、更に続くこととなるのです。


「あれ………?」

今まさに、二人で扉を出ようとしていたその時。

今まで、あんなに愛しそうにライアン様に寄り添っていたメアリィ様……彼女が突然、扉の前で立ち止まったのです。

そこでは、ライアン様が優しくメアリィ様の背中に手を添えていました。

「どうしたんだい、メアリィ?顔色が悪いようだけれど、やはりあの女のせいで疲れてしまったんだね。さあ、早くここを出よう」

ライアン様はどこまでも甘い声で彼女を気遣いました。

けれど、メアリィ様はその手に触れられるのをひどく嫌がるように、身をよじって距離を置いたのです。

「……あの。触らないでいただけます?」

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