(完結)婚約破棄されたので、二人の破滅を手助けしてあげました

泉花ゆき

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ざわっ、と空気が動きました。
一部の貴族が落ち着かない様子で互いに視線を交わします。
エドワードは、どのように言ってこの方々たちをお集めになったのかしら。
ろくでもない……そう呼ばれてしまうような面々が、多くいるようには思われたけれど。

この場が、単なる恋愛騒動では済まされないことを……これだけの人間が集っていながら、ようやく今になって理解した様子でした。

「ま、待て!」

そこへきて、ようやくエドワードが声を上げました。焦りの色が混じった声。

「そ、そんなもの……形式の問題だ。私はこうして公に宣言した、王都の社交界が証人だ!既成事実があれば、陛下も否やとは言えぬはず……っ!」

彼の声は必死でしたが、どこか自分を信じ込みたいような響きを帯びていました。
その様子に、一瞬だけ哀れみのようなものを感じてしまったのも確かです。
けれども……このような舞台に引きずり出されてしまったこと。
その汚泥をすすがなくてはなりませんから。

「既成事実、ですか?」

私は静かに問い返しました。

「……あなたは、陛下の御意志よりも自分の演出を優先なさるのですね」

扇を口元に当てて微笑を深くすると、エドワードの顔が青くなっていくのがよくわかります。

「そんなつもりはないと言ってるだろう!」

「まあ……それではお尋ねしますけれど。あなたが公に宣言したというこの場に、陛下の名を冠した印がありましたか。あるいは、王家の代理人でも招かれていたのかしら?」

「……そ、それは……」
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