(完結)何か勘違いをしてる婚約者の幼馴染から、婚約解消を言い渡されました

泉花ゆき

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「あんたみたいな人が当主になるなんて、許可が下りるはずがないわ!」

激高するドルシーに対して、私の態度はそっけないものです。
それにしてもこの方、不利な会話に対しての耐性が無いというか何ていうか。
張り続けた虚勢から、今更逃れられないのかもしれませんが。

「そうですね」

それは肯定ではなくて、相槌のような返事。
確かに、そう捉えられても仕方のない、そう言った意味を込めた頷きです。
ただし、この場合の頷きは私の人間性ということではなくて、私の肩書その他への、ですが。

侯爵家の長子とは言え性別が女性、そして未婚。
婚約者も先日失ったばかり。
私がこのまま爵位相続への申請を出しても、その承認が下りる事は限りなく難しいでしょう。

でも。

「ですが、上流貴族の推薦が何件かあれば、幾分それらもマシになるんですよ」

言外に、そう言った用意がある事を伝えてみましたが。
ドルシーは、やはり単純には信じられない様子でした。

「それがどうしたの?」

国の制度でもある爵位に関する推薦。

助力者であり、後ろ盾にもなり得る証明を示すような手続きです。
縁や付き合いだけでは決して承諾されず、こちらがメリットを差し出せないと話にならない取引……

「推薦なんて簡単に出すはずないじゃない」
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