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ディアドの結婚式を翌月に控えて、ウトリドの村はいつもより浮ついた空気が流れている。集落のあちこちにもディアド好みのきらびやかな飾りつけが着々と施されていき、普段よりも華やかだ。
ファテナは、会場に設置する大量の蝋燭に火を灯すように言われていて、そのあまりの多さに目を見張った。挙式の日は夜通しお祝いの宴が開かれる予定だが、夜でも真昼のような明るさを保つつもりらしい。きっと数日かけて灯すことになるだろう。
更に、ファテナは婚礼衣装に刺繍をするようにと母親に命じられた。花嫁の衣装には母親や姉妹が幸せを願って刺繡を施すことが一般的だが、全て任せると言われてしまったのだ。
ファテナが刺繍をした方が、精霊の加護をより多く得られそうだからともっともらしい理由をつけていたけれど、母親は苦手な針仕事を押しつけたかっただけなのだろう。時間のかかる細かな花模様を指定されて、ファテナは以前よりも小屋に籠る時間が増えた。
同じ体勢をとりつづけたせいで凝り固まった肩を解しながら、ファテナは衣装を広げた。睡眠時間を削って刺繍を続けているものの、ようやく半分近くまできたところだ。完成はまだ遠い。
眠気と疲れでしょぼしょぼする目を擦りながら、ファテナは立ち上がって伸びをする。そろそろ休まないと、明日起きられなくなるかもしれない。
その時、ふいに精霊が激しくざわめいた。
「……どうしたの?」
こんな夜更けに精霊が騒ぐなんて、初めてのことだ。早口で何か囁いている言葉に耳を澄ませたファテナは、眉を顰めた。
「何があったの? もっとゆっくり話して、聞き取れないわ」
そわそわとした様子でざわめく精霊の声は、いつもと違って何を言っているのか聞き取れない。断片的に聞こえてきた内容から、誰かが来たと言っているような気がして、ファテナは首をかしげつつ小屋の外へ出てみることにした。
真っ暗な夜の闇の中に訪問者と思しき姿はなく、やはり聞き間違いだっただろうかと思った時、ふと何かの匂いがした。
それは何かが焦げるような臭いと、甘ったるい匂い。果実とも花とも違うその香りは、甘いのにどこか不快だ。眉を顰めつつ焦げた臭いの方に意識を向け、ファテナは落ち着きなく周囲を見回した。
精霊は相変わらず騒いでいて、やはり何を言っているのかよく分からない。そんなことは生まれて初めてで、ファテナは混乱しながら臭いの出どころを探すために歩き出した。
「姫様……!」
歩き出してすぐに、駆け寄ってきた村人の男数人と出会った。皆一様に顔がこわばっており、何かがあったと察知したファテナは嫌な予感に思わず胸を押さえる。
「一体何が」
「長の館に、火が……。単なる火事かもしれませんが、敵襲の可能性も」
「な……っ」
信じられない言葉に目を見開くも、この状況で冗談を言うわけもない。男たちは、消火のために井戸の水を汲みに来たのだという。
「姫様はご無事でよかった。俺たちは消火のために館へ戻りますが、姫様は避難を。ニダールの家に女子供を集めていますので、そちらに向かってください」
一人の男が案内のために付き添ってくれると言うのを断って、ファテナは一歩前に踏み出した。
「私も一緒に行きます。井戸の水を使うよりも、私が精霊に祈った方がきっと早いわ」
「危険です、姫様。火の勢いが強く、長やディアド様たちの安否もまだ分かっていないのですよ」
「それなら、なおさら私が行かなければならないわ。私だって長の娘ですもの」
「ですが」
「先に行くから、あなたがたは水を汲んできて」
ここで言いあっていても、時間が過ぎるだけだ。ファテナは止めるように何か言いかけた男の言葉を最後まで聞かずに、館に向かって駆け出した。
館が近づくにつれて焦げ臭さは濃くなり、真っ黒い煙があたりにたちこめて視界が悪くなってくる。
辿り着いた館はすでに半分ほどが炎に包まれていて、近づくだけで熱風に煽られる。予想はしていたが、あかあかと燃え盛る炎はファテナが灯した火ではない。火の精霊の力を介さない、火打石を使ったもの。これでは、ファテナが火の精霊に祈っても効果はない。
ウトリド族は、精霊の力を介さない火を使うことはない。精霊と共に生きているから、普通の火は野蛮なものだと考えているのだ。だから、この火は間違いなく外部の何者かが使ったものだ。
敵襲の可能性と信じられない光景に目を見開いたファテナは、それでも震える手を組むと水の精霊に呼びかけた。
力を貸してほしいと、今ここに大量の水か雨を降らせてほしいと願うが、身体が震えて思考がまとまらない。わずかばかりの水が館を覆う炎に降り注ぐものの、その勢いを抑えることができない。
「もっと……もっと水を」
必死で精霊に呼びかけても、火を消すほどの水はあらわれない。
目の前で轟音をたてて玄関部分が焼け落ちるのを見て、ファテナは思わず悲鳴をあげた。家族だけでなく、館には長に仕えて働く者がたくさんいたはずだ。彼らは無事なのだろうか。
恐怖を吹き飛ばすように激しく首を振って、ファテナは拳を握りしめると館の方に駆け出そうとした。
その瞬間、うしろから強く腕を掴まれて引き戻される。
「おっと、危ないな」
「離してっ」
「自分から火に飛び込むなんて自殺行為だよ、巫女姫様」
飄々とした口調に違和感を覚えて、ファテナは眉を顰めて腕を掴んだ相手を振り返った。ウトリド族の者かと思っていたが、声に聞き覚えがない。
明るい炎に照らされて浮かび上がったのは、全く知らない若い男だった。ウトリドの民は皆、暗い色の髪を持つはずなのに、目の前の男は眩しいほどの金の髪をしている。
「誰……?」
「残念ながら、今はおしゃべりをしてる時間はないんだ。またあとでな、巫女姫様」
言葉を封じるように、男は大きな手でファテナの口元を覆った。柔らかな布が唇に当たり、甘い香りがする。
小屋を出た時に一瞬感じた甘い香りはこれだと思い当たるものの、ファテナの身体からはどんどん力が抜けていって言葉を発することができない。
崩れ落ちそうになったファテナの身体を、男はひょいっとかつぎ上げた。まるで荷物のように抱えられ、抵抗したいのに身体が動かない。頭がぼうっとして視界がだんだんとぼやけていき、ファテナはそのまま意識を失った。
ファテナは、会場に設置する大量の蝋燭に火を灯すように言われていて、そのあまりの多さに目を見張った。挙式の日は夜通しお祝いの宴が開かれる予定だが、夜でも真昼のような明るさを保つつもりらしい。きっと数日かけて灯すことになるだろう。
更に、ファテナは婚礼衣装に刺繍をするようにと母親に命じられた。花嫁の衣装には母親や姉妹が幸せを願って刺繡を施すことが一般的だが、全て任せると言われてしまったのだ。
ファテナが刺繍をした方が、精霊の加護をより多く得られそうだからともっともらしい理由をつけていたけれど、母親は苦手な針仕事を押しつけたかっただけなのだろう。時間のかかる細かな花模様を指定されて、ファテナは以前よりも小屋に籠る時間が増えた。
同じ体勢をとりつづけたせいで凝り固まった肩を解しながら、ファテナは衣装を広げた。睡眠時間を削って刺繍を続けているものの、ようやく半分近くまできたところだ。完成はまだ遠い。
眠気と疲れでしょぼしょぼする目を擦りながら、ファテナは立ち上がって伸びをする。そろそろ休まないと、明日起きられなくなるかもしれない。
その時、ふいに精霊が激しくざわめいた。
「……どうしたの?」
こんな夜更けに精霊が騒ぐなんて、初めてのことだ。早口で何か囁いている言葉に耳を澄ませたファテナは、眉を顰めた。
「何があったの? もっとゆっくり話して、聞き取れないわ」
そわそわとした様子でざわめく精霊の声は、いつもと違って何を言っているのか聞き取れない。断片的に聞こえてきた内容から、誰かが来たと言っているような気がして、ファテナは首をかしげつつ小屋の外へ出てみることにした。
真っ暗な夜の闇の中に訪問者と思しき姿はなく、やはり聞き間違いだっただろうかと思った時、ふと何かの匂いがした。
それは何かが焦げるような臭いと、甘ったるい匂い。果実とも花とも違うその香りは、甘いのにどこか不快だ。眉を顰めつつ焦げた臭いの方に意識を向け、ファテナは落ち着きなく周囲を見回した。
精霊は相変わらず騒いでいて、やはり何を言っているのかよく分からない。そんなことは生まれて初めてで、ファテナは混乱しながら臭いの出どころを探すために歩き出した。
「姫様……!」
歩き出してすぐに、駆け寄ってきた村人の男数人と出会った。皆一様に顔がこわばっており、何かがあったと察知したファテナは嫌な予感に思わず胸を押さえる。
「一体何が」
「長の館に、火が……。単なる火事かもしれませんが、敵襲の可能性も」
「な……っ」
信じられない言葉に目を見開くも、この状況で冗談を言うわけもない。男たちは、消火のために井戸の水を汲みに来たのだという。
「姫様はご無事でよかった。俺たちは消火のために館へ戻りますが、姫様は避難を。ニダールの家に女子供を集めていますので、そちらに向かってください」
一人の男が案内のために付き添ってくれると言うのを断って、ファテナは一歩前に踏み出した。
「私も一緒に行きます。井戸の水を使うよりも、私が精霊に祈った方がきっと早いわ」
「危険です、姫様。火の勢いが強く、長やディアド様たちの安否もまだ分かっていないのですよ」
「それなら、なおさら私が行かなければならないわ。私だって長の娘ですもの」
「ですが」
「先に行くから、あなたがたは水を汲んできて」
ここで言いあっていても、時間が過ぎるだけだ。ファテナは止めるように何か言いかけた男の言葉を最後まで聞かずに、館に向かって駆け出した。
館が近づくにつれて焦げ臭さは濃くなり、真っ黒い煙があたりにたちこめて視界が悪くなってくる。
辿り着いた館はすでに半分ほどが炎に包まれていて、近づくだけで熱風に煽られる。予想はしていたが、あかあかと燃え盛る炎はファテナが灯した火ではない。火の精霊の力を介さない、火打石を使ったもの。これでは、ファテナが火の精霊に祈っても効果はない。
ウトリド族は、精霊の力を介さない火を使うことはない。精霊と共に生きているから、普通の火は野蛮なものだと考えているのだ。だから、この火は間違いなく外部の何者かが使ったものだ。
敵襲の可能性と信じられない光景に目を見開いたファテナは、それでも震える手を組むと水の精霊に呼びかけた。
力を貸してほしいと、今ここに大量の水か雨を降らせてほしいと願うが、身体が震えて思考がまとまらない。わずかばかりの水が館を覆う炎に降り注ぐものの、その勢いを抑えることができない。
「もっと……もっと水を」
必死で精霊に呼びかけても、火を消すほどの水はあらわれない。
目の前で轟音をたてて玄関部分が焼け落ちるのを見て、ファテナは思わず悲鳴をあげた。家族だけでなく、館には長に仕えて働く者がたくさんいたはずだ。彼らは無事なのだろうか。
恐怖を吹き飛ばすように激しく首を振って、ファテナは拳を握りしめると館の方に駆け出そうとした。
その瞬間、うしろから強く腕を掴まれて引き戻される。
「おっと、危ないな」
「離してっ」
「自分から火に飛び込むなんて自殺行為だよ、巫女姫様」
飄々とした口調に違和感を覚えて、ファテナは眉を顰めて腕を掴んだ相手を振り返った。ウトリド族の者かと思っていたが、声に聞き覚えがない。
明るい炎に照らされて浮かび上がったのは、全く知らない若い男だった。ウトリドの民は皆、暗い色の髪を持つはずなのに、目の前の男は眩しいほどの金の髪をしている。
「誰……?」
「残念ながら、今はおしゃべりをしてる時間はないんだ。またあとでな、巫女姫様」
言葉を封じるように、男は大きな手でファテナの口元を覆った。柔らかな布が唇に当たり、甘い香りがする。
小屋を出た時に一瞬感じた甘い香りはこれだと思い当たるものの、ファテナの身体からはどんどん力が抜けていって言葉を発することができない。
崩れ落ちそうになったファテナの身体を、男はひょいっとかつぎ上げた。まるで荷物のように抱えられ、抵抗したいのに身体が動かない。頭がぼうっとして視界がだんだんとぼやけていき、ファテナはそのまま意識を失った。
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