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「お望み通り、連れてきてやったよ。あんたの娘だ」
「ファテナ!? 良かった、無事だったか」
「お父様……」
弾かれたように顔を上げた父親は、ファテナの顔を確認すると満面の笑みを浮かべた。同じ牢の中には母親と妹の姿もあって、そろって嬉しそうにファテナを見上げた。
地下牢だというからどんな環境なのかと思っていたが、殺風景ながら小綺麗な牢の中はファテナがかつて暮らしていた小屋よりも立派だ。彼らは顔色も良く、服装にも乱れが見られない。酷い扱いを受けていたわけではないことが分かり、ファテナはこっそりと安堵のため息を漏らした。
転がるように立ち上がった父親は、檻の隙間から懸命にファテナに向かって手を伸ばそうとした。
「さあ早く精霊に祈れ、ファテナ。こんな虫けらども、火の精霊の力で燃やし尽くしてしまえ」
「そうよ、風の精霊の力で吹き飛ばしてくれても構わないわよ。この牢ごと破壊してちょうだい」
「早くして、お姉様。こんな狭くて暗い場所に閉じ込められて、あたし息ができなくて死んでしまいそうよ。早くここから出してちょうだい。それから水の精霊に力を借りて全身を綺麗に洗い流したいわ」
口々に訴える家族の言葉に、ファテナは首を振ってあとずさった。ザフィルの言った通り、彼らは自分で精霊を呼ぶことはできないのだろう。だからここにファテナを連れてこいと、言い続けていたのだ。
ぎらぎらとした目で見つめてくる家族は、ファテナがここから救い出してくれると心の底から信じている。
「でき……できません。ごめん、なさい」
「何を言ってるんだ、ファテナ。いつも蝋燭に火を灯していただろう。そこの人間も、少し大きな蝋燭だと思えばいい。きっとよく燃えるぞ。我らウトリド族に手を出せばどうなるか、見せつけてやれ」
「ねぇお姉様、早くしてってば。さっさと終わらせて帰りたいの。あたしの結婚式だって控えてるのよ。あぁ、薬師だけは連れて帰ってもいいわね。頬を火傷したんだけど治りが早かったから、きっとそこそこの腕なんだと思うし」
彼らが自分のことしか考えていないことに気づき、ファテナは愕然とした。襲撃を受けて、ウトリドの民がどうなったのか心配ではないのだろうか。
ファテナが来たことで自分たちの勝利を確信したのか、家族は次々にここでの生活の不満をぶちまけ始める。
食事が粗末なこと、狭い部屋に家族三人押し込められて息苦しいこと、自由もなく暇で、水浴びもできなくて不衛生なこと、脱出を試みて色仕掛けをしたのに誰にも取りあってもらえなかったこと――。
「本当に、うるさいな」
突然響いた低い声に、その場はしんと静まり返る。ファテナのうしろに立っていたザフィルは、ゆっくりと牢の前にやってくると冷たい表情で三人を見下ろした。
「自分たちの置かれた立場もわきまえず、よく喋るな。二度と無駄な口をきけないように、縫い合わせてやろうか」
冗談とは思えないその口調に、三人は慌てたように口をつぐむ。それでもちらちらとファテナに向ける視線は、早く精霊を呼んでここから出せと訴えているようだ。
「残念ながら、精霊はもうあんたらに力を貸すことはない」
「どういう……っ!?」
口を開きかけた父親は、信じられないといった表情で目を見開いた。うしろからザフィルがファテナのかぶっていたベールを剥ぎ取ったので、濃紺に色を変えた髪が露出したのだ。
「ファテナ、おまえその髪は」
「あんたらの巫女姫様は、すでに精霊に見限られてる。俺が純潔を奪ったからな」
「そんな、まさか……」
ファテナとザフィルを確認するように交互に見た父親は、やがてぶるぶると震え始めた。真っ赤な顔で憎しみのこもった視線を向けられて、ファテナは思わずうつむく。
「何のために今まで育ててやったと思ってるんだ。肝心な時に役に立たなくて、何が巫女姫だ。簡単に純潔を失いやがって」
「信じられない、とんだ役立たずじゃないの。私たちは、どうなってしまうの? 今からでも死に物狂いで精霊に祈りなさいよ。あんだけお気に入りの餌だったくせに」
「お姉様、もっと真剣に祈れば精霊は力を貸してくれるわよ。純潔を失ったくらいでお姉様が精霊に嫌われるはずがないでしょう。ウトリドの巫女姫としての誇りを捨ててはいけないわ」
怒ったり嘆いたり宥めたりと、三者三様の反応を見せながらも家族はファテナに精霊を呼べと言い続ける。
「無理……です。もう、精霊の声が聞こえないの。ここにはもう、精霊はいません」
首を振りながらつぶやいたファテナを見て、妹のディアドが絶望したように悲鳴をあげた。
「嫌よ、こんな場所に閉じ込められて一生を終えるなんて。もうすぐ結婚する予定だったのよ、あたしの幸せを返してよ」
「精霊よ、いるんだろう。俺たちを助けてくれ。対価なら、こいつを捧げる。今まで散々食ってきただろう、こいつの命と引き換えに力を貸してくれ」
「そうよ、いつも食っていた餌のことを精霊が忘れるわけないわ。お姉様は巫女姫として精霊に命を捧げ、家族を救うのよ。この上ない栄誉だと思わない? ほらお姉様も精霊に呼びかけなさいよ。この命と引き換えに家族を助けてって」
父親にまっすぐ指差されディアドに縋るように手を伸ばされて、ファテナは目を見開いた。ぎらぎらと血走った目は、家族に対して向けるものとは到底思えない。彼らはファテナの命を捧げてでも自分たちが助かることしか考えていないのだと突きつけられて、胸が苦しい。
ふらりと力が抜け、ファテナはその場にうずくまった。ザフィルがそれを見たあと、勢いよく壁を殴った。バァンと響いた重い音に、さすがに父親たちも言葉を切る。
「この髪を見れば、もう精霊の力を借りられないことは理解できるだろうと思ったが、想像以上に頭が悪いな。あんたたちが選べる道は二つだ。このままここで捕虜として労働しながら過ごすか、ウトリド族消滅の証としてさっさと死ぬか。好きな方を選ばせてやるよ」
「捕虜として生きるなんて……そんなの無理よ。ねぇ、あたしの身体を好きにしていいから、ここから出してよ。そんな痩せこけた身体を抱くより、よっぽど満足させてあげるわよ」
ここから出られないと判断したディアドは、ザフィルに媚びを売る方向に転換したらしい。身体をくねらせ、豊満な胸を強調するように檻に押しつける。
それを冷たい目で一瞥したザフィルは、小さくため息をつくと何の躊躇いもなく腰の剣を抜いた。
「ファテナ!? 良かった、無事だったか」
「お父様……」
弾かれたように顔を上げた父親は、ファテナの顔を確認すると満面の笑みを浮かべた。同じ牢の中には母親と妹の姿もあって、そろって嬉しそうにファテナを見上げた。
地下牢だというからどんな環境なのかと思っていたが、殺風景ながら小綺麗な牢の中はファテナがかつて暮らしていた小屋よりも立派だ。彼らは顔色も良く、服装にも乱れが見られない。酷い扱いを受けていたわけではないことが分かり、ファテナはこっそりと安堵のため息を漏らした。
転がるように立ち上がった父親は、檻の隙間から懸命にファテナに向かって手を伸ばそうとした。
「さあ早く精霊に祈れ、ファテナ。こんな虫けらども、火の精霊の力で燃やし尽くしてしまえ」
「そうよ、風の精霊の力で吹き飛ばしてくれても構わないわよ。この牢ごと破壊してちょうだい」
「早くして、お姉様。こんな狭くて暗い場所に閉じ込められて、あたし息ができなくて死んでしまいそうよ。早くここから出してちょうだい。それから水の精霊に力を借りて全身を綺麗に洗い流したいわ」
口々に訴える家族の言葉に、ファテナは首を振ってあとずさった。ザフィルの言った通り、彼らは自分で精霊を呼ぶことはできないのだろう。だからここにファテナを連れてこいと、言い続けていたのだ。
ぎらぎらとした目で見つめてくる家族は、ファテナがここから救い出してくれると心の底から信じている。
「でき……できません。ごめん、なさい」
「何を言ってるんだ、ファテナ。いつも蝋燭に火を灯していただろう。そこの人間も、少し大きな蝋燭だと思えばいい。きっとよく燃えるぞ。我らウトリド族に手を出せばどうなるか、見せつけてやれ」
「ねぇお姉様、早くしてってば。さっさと終わらせて帰りたいの。あたしの結婚式だって控えてるのよ。あぁ、薬師だけは連れて帰ってもいいわね。頬を火傷したんだけど治りが早かったから、きっとそこそこの腕なんだと思うし」
彼らが自分のことしか考えていないことに気づき、ファテナは愕然とした。襲撃を受けて、ウトリドの民がどうなったのか心配ではないのだろうか。
ファテナが来たことで自分たちの勝利を確信したのか、家族は次々にここでの生活の不満をぶちまけ始める。
食事が粗末なこと、狭い部屋に家族三人押し込められて息苦しいこと、自由もなく暇で、水浴びもできなくて不衛生なこと、脱出を試みて色仕掛けをしたのに誰にも取りあってもらえなかったこと――。
「本当に、うるさいな」
突然響いた低い声に、その場はしんと静まり返る。ファテナのうしろに立っていたザフィルは、ゆっくりと牢の前にやってくると冷たい表情で三人を見下ろした。
「自分たちの置かれた立場もわきまえず、よく喋るな。二度と無駄な口をきけないように、縫い合わせてやろうか」
冗談とは思えないその口調に、三人は慌てたように口をつぐむ。それでもちらちらとファテナに向ける視線は、早く精霊を呼んでここから出せと訴えているようだ。
「残念ながら、精霊はもうあんたらに力を貸すことはない」
「どういう……っ!?」
口を開きかけた父親は、信じられないといった表情で目を見開いた。うしろからザフィルがファテナのかぶっていたベールを剥ぎ取ったので、濃紺に色を変えた髪が露出したのだ。
「ファテナ、おまえその髪は」
「あんたらの巫女姫様は、すでに精霊に見限られてる。俺が純潔を奪ったからな」
「そんな、まさか……」
ファテナとザフィルを確認するように交互に見た父親は、やがてぶるぶると震え始めた。真っ赤な顔で憎しみのこもった視線を向けられて、ファテナは思わずうつむく。
「何のために今まで育ててやったと思ってるんだ。肝心な時に役に立たなくて、何が巫女姫だ。簡単に純潔を失いやがって」
「信じられない、とんだ役立たずじゃないの。私たちは、どうなってしまうの? 今からでも死に物狂いで精霊に祈りなさいよ。あんだけお気に入りの餌だったくせに」
「お姉様、もっと真剣に祈れば精霊は力を貸してくれるわよ。純潔を失ったくらいでお姉様が精霊に嫌われるはずがないでしょう。ウトリドの巫女姫としての誇りを捨ててはいけないわ」
怒ったり嘆いたり宥めたりと、三者三様の反応を見せながらも家族はファテナに精霊を呼べと言い続ける。
「無理……です。もう、精霊の声が聞こえないの。ここにはもう、精霊はいません」
首を振りながらつぶやいたファテナを見て、妹のディアドが絶望したように悲鳴をあげた。
「嫌よ、こんな場所に閉じ込められて一生を終えるなんて。もうすぐ結婚する予定だったのよ、あたしの幸せを返してよ」
「精霊よ、いるんだろう。俺たちを助けてくれ。対価なら、こいつを捧げる。今まで散々食ってきただろう、こいつの命と引き換えに力を貸してくれ」
「そうよ、いつも食っていた餌のことを精霊が忘れるわけないわ。お姉様は巫女姫として精霊に命を捧げ、家族を救うのよ。この上ない栄誉だと思わない? ほらお姉様も精霊に呼びかけなさいよ。この命と引き換えに家族を助けてって」
父親にまっすぐ指差されディアドに縋るように手を伸ばされて、ファテナは目を見開いた。ぎらぎらと血走った目は、家族に対して向けるものとは到底思えない。彼らはファテナの命を捧げてでも自分たちが助かることしか考えていないのだと突きつけられて、胸が苦しい。
ふらりと力が抜け、ファテナはその場にうずくまった。ザフィルがそれを見たあと、勢いよく壁を殴った。バァンと響いた重い音に、さすがに父親たちも言葉を切る。
「この髪を見れば、もう精霊の力を借りられないことは理解できるだろうと思ったが、想像以上に頭が悪いな。あんたたちが選べる道は二つだ。このままここで捕虜として労働しながら過ごすか、ウトリド族消滅の証としてさっさと死ぬか。好きな方を選ばせてやるよ」
「捕虜として生きるなんて……そんなの無理よ。ねぇ、あたしの身体を好きにしていいから、ここから出してよ。そんな痩せこけた身体を抱くより、よっぽど満足させてあげるわよ」
ここから出られないと判断したディアドは、ザフィルに媚びを売る方向に転換したらしい。身体をくねらせ、豊満な胸を強調するように檻に押しつける。
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