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 再びザフィルが熱を放つまでの間、ファテナはほとんど絶頂し通しで、ようやく彼が離れていったあとも、小刻みに身体を震わせていた。
 崩れ落ちるように倒れ込んだファテナが荒い呼吸を整えていると、ザフィルが立ち上がって机の上に置いてあった水差しを手に戻ってくる。
「水だ。飲めるか」
「ん……」
 力の入らない身体を緩慢な動きで起こそうとしていると、ザフィルが抱き起こしながら唇を重ねてきた。舌でこじ開けられた唇の間からひんやりとした水が流れ込んできて、ファテナは飢えを満たすように喉を鳴らして飲み下した。熱くなった身体を冷やすように、水が染み渡っていくようだ。
 水差しの中身がなくなっても、まるで口内に残った水を分け与えるように舌を絡められて、ファテナは一度落ち着いたはずの身体の熱がまた広がっていくのを感じていた。
 それに気づいたのか、すぐそばにあるザフィルの唇が弧を描く。
「まだまだ、足りないよな?」
 聞いておきながら答えを待たずに、ザフィルはファテナの身体を四つん這いにさせると、今度は背後からのしかかるようにして貫いた。蕩けきった身体は慣らさずとも根元まであっという間に飲み込み、昂りを歓迎するように強く締めつける。挿入だけでまた達してしまったファテナは、縋りつくように敷布を強く握りしめた。
「……ぁふ、んんっ」
「この体勢だと、更に締まるな」
 耳元で、ザフィルが笑み混じりにつぶやく。背後から抱きしめられるような体勢のためか、ザフィルの体温をいつもより強く感じてファテナは思わず満足げな吐息を漏らした。
「あんたはここが好きだろう。一緒に可愛がってやる」 
 そう言って、ザフィルが秘部に手を伸ばし、蜜にまみれた花芽を指先で弾いた。その瞬間ファテナの身体はびくんと大きく弾む。強すぎる快楽から逃げようとするものの、うしろからしっかりと抱きしめられている上に、楔のようにファテナの身体を貫く熱棒のせいでほとんど動くことができない。
 敷布を握ることでなんとかやり過ごそうとするのを見透かしたのか、更に強く腰を押しつけられて、秘部からはぴしゃりと飛沫が飛び散った。
 耐えきれずに上半身を寝台に預けたファテナを追いかけるように、ザフィルがうしろから身体を密着させる。支えきれずに下半身も崩れ落ちれば、ぐっと腰を押しつけられて更に挿入が深くなった。
「ふぁ……、んぅ、あぁっ」
 身動きができない状態で、与えられる快楽を全て受け止めることになったファテナは、頭が白くなるほどの快感に飲み込まれてひたすらに嬌声をあげ続けた。

 最奥に熱い欲望を注ぎ込まれ、ファテナは震える吐息を漏らしながら全身の力を抜いた。背後で、ふうっと長い息を吐いたザフィルが身体を起こす気配を感じて、ファテナはゆっくりと顔を上げる。 
 立て続けに抱かれた身体は重怠く、休息と眠りを欲している。だが、ザフィルはまだファテナを寝かせる気がないらしい。
「まだ終わりじゃない。ほら、腰を上げろ」
 命じられて、ファテナはのろのろと腰を浮かした。余韻でまだひくつく秘部にザフィルが指を入れて、中に放った精を掻き出すように動かす。
「ひぅ……ん、ぁ指、止まって……」
「そんなこと言って、まだ物欲しげに締めつけてるくせに」
「ぅあ、そんな、知らな……っあぁ」
 ぐりっと中で円を描くように動かされて、ファテナの腰が跳ねる。白濁と混じってあふれる蜜は、ザフィルの手首あたりまで垂れていた。
 再び覆いかぶさってきたザフィルに貫かれて、ファテナは掠れた声をあげた。身体に力が入らなくて、もはやザフィルの思うがままに揺さぶられ続けることしかできない。
 手足は重くてたまらないのに、身体の中だけは敏感で、ザフィルのものがお腹の奥底でびくびくと脈動していることすらよく分かる。
 途切れそうな意識の中で、ファテナは胎内の熱と握られた手のぬくもりだけを感じていた。
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