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8 可愛いは……
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役所から医務室に戻り、エリスを発見したニナは両手を上げて「ててーん」と言い、目の前で子供の姿になる。エリスは衝撃を受けて持っていた書類を落とした。
「エリス―、今日からニナさんはしばらくニナちゃんだから」
「な、な……」
「どうよ、このしゅがたー」
「な、なんて可愛い……」
エリスはそっと近寄りニナをぎゅうと抱きしめる。
「つまり、元の成人ニナさんは可愛くないんだなあ」
「いいえ、そんなことはないわ。ただ、どうしてかしら、これがニナのあるべき姿の様な気がしてならないの」
それを聞いてニナは少しぎくりとする。何故ならニナは普段から「自分は成人だ」と言い聞かせて自分を抑圧している。周りからはそう見えないかもしれないが、相当無理して背伸びしているのだ。
それを見透かされていたのかと不安になる。ニナの正確な年齢は本人でさえわからない。しかし、発見されてから十年以上は経過している。ならば精神もそれ相応に成長しなければならないのだが、現実はそうなっていない。ニナの心はずっと幼いまま。
強い魔力を持つ者は稀に人より少し長く生きることがあり、その様な者は精神の成長も緩やかという例がある。ニナはそれに相当するのではないかと、前々から言われていた。そうだしても言動が幼過ぎるとも言われているが……。
どちらにせよ、彼女は長生き説を認める事を拒否し、周囲にも知らせていない。特に、学園でエリスと出会ってからは。自分とエリスの生きる時間が少しずれているなんて、いつか先にエリスが死ぬかもしれないなんて、信じたくなくて、必死に自分は少し魔力が強いだけの普通の人間なのだと己に言い聞かせているだ。
「エリス―、それは流石にニナさんに失礼なんだな」
「そう……ね、ごめんなさい、ニナ。でも、どうして突然子供の姿に?」
エリスはニナが禁術の使用を許可されていることを知っている為、そこには突っ込まないでいたが、後ろで見ていて顔を青くしたアルカが口を挟む。
「それは禁術だろう。使うと捕まってしまうよ」
「ニナちゃんってば特別だから平気なんだな、これが」
ニナの所属を知っているアルカだが、流石に禁術は不味いと思ったのだろう、しかしニナの平然とした態度を見て少し考えてから、
「ニナちゃん程の実力なら許可も下りるもんなんだね。だけど、これからずっとその姿なら、兵士全員にニナちゃんが禁術使用許可がある程の実力だと知られるという事だ。いいのかい?」
「そもそもなんでだまってたんだっけ」
きょとんと首を傾げるニナに釣られてアルカも首を傾げる。
「もう、ニナったら忘れたの? 中央の魔術師団本拠地で最初は可愛がられてたけど、実力を知られて恐れられたのがショックだったんでしょう?」
「はっ、そんなことがあった気がしゅる……」
実力は申し分ないニナだが、一応軍人としての基礎的な知識は詰め込んでおけと命じられて、先に辺境へ向かう事になったエリスと離れ離れにさせられたのだ。落ち込むニナを見て哀れに思った魔術師団の軍人たちは彼女に優しくしてやり、ニナは年上だらけの魔術師団でマスコット的存在となった。あちこちで可愛がられ、お菓子で餌付けされ、甘やかされた。それはニナにとって初めての経験でとてもいい気分になった。
しかし、それは長く続かなかった。とある任務に同行したニナは皆に褒めてもらおうと魔力減少の国宝級魔導具を外されて以降初めて破壊魔法をはりきって使い、暗殺対象とその関係者一同を破壊したのだが、ドン引きされたのだ。あまりにも強い力で塵も残らず「シュンッ」と音を立てて消滅した人間を見て、その威力と対象のみの存在そのものを破壊する精緻さに、誰もが恐怖を抱いた。
結果、誰もちやほやしてくれなくなり、恐れられて孤独に過ごしたニナはしおしおになって辺境で待つエリスの元にやってきたのだった。
「あー、エリスがいたらそれでいいからわしゅれてたー」
エリスが笑みを深め、両手でニナの頬を包みムニムニする。ニナも「んふふ」と嬉しそうにする。
「それじゃあ、私から甥のアルバに報告しておこうかね。いちいち会う人間に事情を話すのも大変だろう、あいつにニナちゃんが禁術を使っても問題ない人物なんだと周知させるよう言って置くよ」
「ありがとんおばちゃん」
「こら、ニナ、お礼はちゃんと言いなさい。ありがとうございます、アルカさん」
城へ向かうアルカに対し礼をするエリスを見上げて、ニナもぺこりと真似をした。その光景をみてアルカもついつい微笑む。
「本当に、エリスの言う通り、ニナちゃんのあるべき姿な気がするわねえ」
再びぎくりとするニナは慌てて「ちゃわい」と唇を尖らせた。アルカが去ってからニナが胸を張る。
「甘やかしてくれるのはエリスだけで良いから、存分に兵士のおっさんらを怯えさせてやりゅー」
「あらあら、今は過去のことをすっかり忘れているだけで、実際にまた怯えられたら辺境に来た当初みたいにしおしおになるんじゃないかしら」
クスクスと可笑しそうにエリスが笑う。「平気だもーん」とニナはもっと胸を反らすのだった。
辺境軍兵士や城で働く者達にニナが禁術を使用しても問題無いことが知らされると、エリスやニナの想像とは違うことが起きた。
「ニナちゃん、凄い魔術師だったのか?」
「いや、あんなに小さいんだぞ」
「つーか、もっとちっこくなって可愛いよな」
「変身魔術って元の姿と乖離させればさせるほど難易度上がるんだろ?」
「元の姿を幼くしただけだから、簡単ってことか」
「じゃあ、凄くないんじゃないか?」
「けど、なら何で許可が下りるんだよ」
「それは……可愛いから?」
「「「それだ」」」
所謂『可愛いは正義』それは魔術師団も例外ではないのだと、辺境での魔術師団イメージがおかしいことになった瞬間であった。
□
それから、城に住むことになったエリスの様子を辺境伯が伺いにやってきても、
「エリス、困りごとは無いか? 何かあれば気軽に私に相談してくれ」
「ありがとうございます、今の所は何も」
「えりしゅーだっこちてー」
「あらあら、ニナったら」
会話する二人に無理矢理ニナが割り込み強制終了させるのだ。
仕事終わりのエリスを労いに来ても、
「エリス、疲れていないか」
「辺境伯様こそ」
「えりしゅ、ご飯マダー、おなかしゅいたー」
「あらあら、ニナったら」
休日にお茶など誘いに来ても、
「エリス、今日は天気が良い、中庭で……」
「えりしゅ! きょうはニナちゃんにおへやでほんよみきかせて!」
「あらあら、ニナったら仕方ないわね。すみません辺境伯様、ニナがこう言うので……」
城ですれ違って雑談しようとしても、
「エリス……」
「えりしゅ! トイレつちゅれてって!」
「あらあら、ニナったら」
ニナを抱き上げて去るエリスの背を見詰めながら辺境伯が「くっ」と悔し気に呻く。
「エリスとの距離が以前よりも遠い……! 何故だ……!」
辺境伯の隣で秘書官アルバがぼそりと呟いた。
「何故も何も、ニナさんがあの姿になればエリスさんの溺愛が増すのは予想できたでしょう。そのつもりで変身魔術を使う事にしたのでしょうし」
「予想できたならば言え」
「お教えした所で何が出来たのです」
呆れの溜息を隠さないアルバに対し、咎めもせずに返答できない辺境伯は再び呻く。
「そもそも、外見は童であろうとも、中身は成人ではないか。体だけでなく精神まで退行して、ニナは恥ずかしくないのか。エリスも何故見た目さえ幼ければ愛情が増すのか」
辺境伯はエリスの事が好き過ぎるあまり、エリスしか見えていない。だから、ニナの存在を忘れがちで、どれだけエリスがニナに依存しているかを正確に測れていない。
「それを直接ニナさんにお伺いしてみては?」
「……できない……! おそらくニナは幼児らしく泣いて、エリスがあやし、無視されるどころか、エリスの私に対する印象が悪くなる」
ほう、色惚けてもその程度の思考は出来るのかと素直に関心したアルバは、どれだけ己の中で辺境伯の株が下がっているのかと内心で笑ってしまう。
「……? どうしたアルバ」
「いえ、何も」
──あぶない、色惚けても主は主。馬鹿にするのもほどほどにしないと。
誤魔化すようにアルバは少し助言する。
「エリスさんへ積極的になることをやめれば、雑談くらいは許してくれるようになるかもしれません。お二人が城に住むことになった初日にニナさんが『聖女騒動が収まるまで安全な住まいを提供してくれているのは少しだが感謝する』と私におっしゃっていましたので」
「何、それは本当か」
「ええ」
「エリスの顔を見る回数が減るのは辛いが、雑談さえ許されない今も辛いからな。お前の言う通りにしてみよう、ありがとうアルバ」
提供してくれる安全な住まいが城で無ければ、例えば基地内の使っていない建物であったら下心無し、本心からエリスの身を案じていると判断して好感度が上がったのに、ともニナが言っていたことは黙って置くアルバだった。
「エリス―、今日からニナさんはしばらくニナちゃんだから」
「な、な……」
「どうよ、このしゅがたー」
「な、なんて可愛い……」
エリスはそっと近寄りニナをぎゅうと抱きしめる。
「つまり、元の成人ニナさんは可愛くないんだなあ」
「いいえ、そんなことはないわ。ただ、どうしてかしら、これがニナのあるべき姿の様な気がしてならないの」
それを聞いてニナは少しぎくりとする。何故ならニナは普段から「自分は成人だ」と言い聞かせて自分を抑圧している。周りからはそう見えないかもしれないが、相当無理して背伸びしているのだ。
それを見透かされていたのかと不安になる。ニナの正確な年齢は本人でさえわからない。しかし、発見されてから十年以上は経過している。ならば精神もそれ相応に成長しなければならないのだが、現実はそうなっていない。ニナの心はずっと幼いまま。
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「エリス―、それは流石にニナさんに失礼なんだな」
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エリスはニナが禁術の使用を許可されていることを知っている為、そこには突っ込まないでいたが、後ろで見ていて顔を青くしたアルカが口を挟む。
「それは禁術だろう。使うと捕まってしまうよ」
「ニナちゃんってば特別だから平気なんだな、これが」
ニナの所属を知っているアルカだが、流石に禁術は不味いと思ったのだろう、しかしニナの平然とした態度を見て少し考えてから、
「ニナちゃん程の実力なら許可も下りるもんなんだね。だけど、これからずっとその姿なら、兵士全員にニナちゃんが禁術使用許可がある程の実力だと知られるという事だ。いいのかい?」
「そもそもなんでだまってたんだっけ」
きょとんと首を傾げるニナに釣られてアルカも首を傾げる。
「もう、ニナったら忘れたの? 中央の魔術師団本拠地で最初は可愛がられてたけど、実力を知られて恐れられたのがショックだったんでしょう?」
「はっ、そんなことがあった気がしゅる……」
実力は申し分ないニナだが、一応軍人としての基礎的な知識は詰め込んでおけと命じられて、先に辺境へ向かう事になったエリスと離れ離れにさせられたのだ。落ち込むニナを見て哀れに思った魔術師団の軍人たちは彼女に優しくしてやり、ニナは年上だらけの魔術師団でマスコット的存在となった。あちこちで可愛がられ、お菓子で餌付けされ、甘やかされた。それはニナにとって初めての経験でとてもいい気分になった。
しかし、それは長く続かなかった。とある任務に同行したニナは皆に褒めてもらおうと魔力減少の国宝級魔導具を外されて以降初めて破壊魔法をはりきって使い、暗殺対象とその関係者一同を破壊したのだが、ドン引きされたのだ。あまりにも強い力で塵も残らず「シュンッ」と音を立てて消滅した人間を見て、その威力と対象のみの存在そのものを破壊する精緻さに、誰もが恐怖を抱いた。
結果、誰もちやほやしてくれなくなり、恐れられて孤独に過ごしたニナはしおしおになって辺境で待つエリスの元にやってきたのだった。
「あー、エリスがいたらそれでいいからわしゅれてたー」
エリスが笑みを深め、両手でニナの頬を包みムニムニする。ニナも「んふふ」と嬉しそうにする。
「それじゃあ、私から甥のアルバに報告しておこうかね。いちいち会う人間に事情を話すのも大変だろう、あいつにニナちゃんが禁術を使っても問題ない人物なんだと周知させるよう言って置くよ」
「ありがとんおばちゃん」
「こら、ニナ、お礼はちゃんと言いなさい。ありがとうございます、アルカさん」
城へ向かうアルカに対し礼をするエリスを見上げて、ニナもぺこりと真似をした。その光景をみてアルカもついつい微笑む。
「本当に、エリスの言う通り、ニナちゃんのあるべき姿な気がするわねえ」
再びぎくりとするニナは慌てて「ちゃわい」と唇を尖らせた。アルカが去ってからニナが胸を張る。
「甘やかしてくれるのはエリスだけで良いから、存分に兵士のおっさんらを怯えさせてやりゅー」
「あらあら、今は過去のことをすっかり忘れているだけで、実際にまた怯えられたら辺境に来た当初みたいにしおしおになるんじゃないかしら」
クスクスと可笑しそうにエリスが笑う。「平気だもーん」とニナはもっと胸を反らすのだった。
辺境軍兵士や城で働く者達にニナが禁術を使用しても問題無いことが知らされると、エリスやニナの想像とは違うことが起きた。
「ニナちゃん、凄い魔術師だったのか?」
「いや、あんなに小さいんだぞ」
「つーか、もっとちっこくなって可愛いよな」
「変身魔術って元の姿と乖離させればさせるほど難易度上がるんだろ?」
「元の姿を幼くしただけだから、簡単ってことか」
「じゃあ、凄くないんじゃないか?」
「けど、なら何で許可が下りるんだよ」
「それは……可愛いから?」
「「「それだ」」」
所謂『可愛いは正義』それは魔術師団も例外ではないのだと、辺境での魔術師団イメージがおかしいことになった瞬間であった。
□
それから、城に住むことになったエリスの様子を辺境伯が伺いにやってきても、
「エリス、困りごとは無いか? 何かあれば気軽に私に相談してくれ」
「ありがとうございます、今の所は何も」
「えりしゅーだっこちてー」
「あらあら、ニナったら」
会話する二人に無理矢理ニナが割り込み強制終了させるのだ。
仕事終わりのエリスを労いに来ても、
「エリス、疲れていないか」
「辺境伯様こそ」
「えりしゅ、ご飯マダー、おなかしゅいたー」
「あらあら、ニナったら」
休日にお茶など誘いに来ても、
「エリス、今日は天気が良い、中庭で……」
「えりしゅ! きょうはニナちゃんにおへやでほんよみきかせて!」
「あらあら、ニナったら仕方ないわね。すみません辺境伯様、ニナがこう言うので……」
城ですれ違って雑談しようとしても、
「エリス……」
「えりしゅ! トイレつちゅれてって!」
「あらあら、ニナったら」
ニナを抱き上げて去るエリスの背を見詰めながら辺境伯が「くっ」と悔し気に呻く。
「エリスとの距離が以前よりも遠い……! 何故だ……!」
辺境伯の隣で秘書官アルバがぼそりと呟いた。
「何故も何も、ニナさんがあの姿になればエリスさんの溺愛が増すのは予想できたでしょう。そのつもりで変身魔術を使う事にしたのでしょうし」
「予想できたならば言え」
「お教えした所で何が出来たのです」
呆れの溜息を隠さないアルバに対し、咎めもせずに返答できない辺境伯は再び呻く。
「そもそも、外見は童であろうとも、中身は成人ではないか。体だけでなく精神まで退行して、ニナは恥ずかしくないのか。エリスも何故見た目さえ幼ければ愛情が増すのか」
辺境伯はエリスの事が好き過ぎるあまり、エリスしか見えていない。だから、ニナの存在を忘れがちで、どれだけエリスがニナに依存しているかを正確に測れていない。
「それを直接ニナさんにお伺いしてみては?」
「……できない……! おそらくニナは幼児らしく泣いて、エリスがあやし、無視されるどころか、エリスの私に対する印象が悪くなる」
ほう、色惚けてもその程度の思考は出来るのかと素直に関心したアルバは、どれだけ己の中で辺境伯の株が下がっているのかと内心で笑ってしまう。
「……? どうしたアルバ」
「いえ、何も」
──あぶない、色惚けても主は主。馬鹿にするのもほどほどにしないと。
誤魔化すようにアルバは少し助言する。
「エリスさんへ積極的になることをやめれば、雑談くらいは許してくれるようになるかもしれません。お二人が城に住むことになった初日にニナさんが『聖女騒動が収まるまで安全な住まいを提供してくれているのは少しだが感謝する』と私におっしゃっていましたので」
「何、それは本当か」
「ええ」
「エリスの顔を見る回数が減るのは辛いが、雑談さえ許されない今も辛いからな。お前の言う通りにしてみよう、ありがとうアルバ」
提供してくれる安全な住まいが城で無ければ、例えば基地内の使っていない建物であったら下心無し、本心からエリスの身を案じていると判断して好感度が上がったのに、ともニナが言っていたことは黙って置くアルバだった。
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