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番外編1 せいそうかつどう
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エリスとニナが辺境伯の城に住まいを移してからしばらく経った時。
「ニコのぱんたべたい」
二人が街で暮らしていた時に行きつけであったパン屋、ベーカリーニコのパンが食べたいとニナは言い出した。
「そうね、最近食べてないものね」
買いに行きたいが、エリスは聖女騒動により外へ出る事が難しい。そしてニナに一人で買いに行かせるのも不安だった。なにせパン屋の一人息子であるエドはニナに懸想しているものの素直になれない態度をしてしまい、ニナはそれに気が付かず取っ組み合いの喧嘩をしかけて関節技をお見舞いしたりするのだ。一人で行かせて喧嘩になるとパン屋ご夫婦に申し訳ない。
「たべたーい、たべたーい」
地面に寝転がり足をバタつかせるニナ。どうしようと、困っていた時、ふと気が付く。エド少年は学校に通っているという。今日は平日だ。昼間は学校に行っているだろう。
現在の時刻はお昼すぎ、今から行ってすぐに帰ってくればニナとエド少年は会わないかもしれない。
「ニナ、お金を渡すからパンを買ってきてくれる?」
「いいの!?」
「ええ、でも、寄り道せずにパンを買ったらすぐに帰ってくること。できる?」
「うん!」
ニナはエリスに用意して貰ったポシェットを肩に掛けてから街へ繰り出した。魔術師団の外套はポシェットからお金を出す時邪魔なので羽織らなかった。
□
素早くパン屋にたどり着いたニナは元気よく扉を開ける。
「おばさーん、ぱんくださーい」
「あら、ニナちゃん! 久しぶりだね。最近来ないから心配してたんだよ」
「ちょっと住処が遠くなったし、色々バタバタしてるのだ」
「そうかい、元気なら良かったよ。今丁度、クロワッサンが焼き上がったところなんだ。買っていくかい?」
「焼きたて! うん! 十個くれ!」
パン屋のおばさんから紙袋を受け取ってお金を支払う。紙袋はクロワッサンの熱で温かい。焼きたてをエリスに食べて欲しいニナは急いで帰ることにした。
パン屋を出た時、路地裏の方へふわふわの犬が入っていくのが見えた。首輪をしており毛並みがとても綺麗なので、あきらかに飼い犬だ。だが周りに飼い主らしき人は見当たらない。迷子か脱走だろうか。心配になったニナは付いて行ってしまった。
今ニナは良い匂いのするパンを持っている。パンをあげたら犬は付いてくるかなと思ったのだ。付いてきたら警邏の詰所に迷子犬として届ければいい。
だが、犬はてってけと路地裏の奥へ奥へと進んでいく。
「まてー! いぬー!」
ニナは更に犬を追いかけてゆく。
「ん? あれって……」
その姿を学校から帰宅する為に近道を使っていたエド少年が目撃した。そして、ニナが向かった方は奥に治安のよくない貧民街があると気付く。貧民街というより最早非合法組織の根城であるその場所。珍しい銀髪のニナは間違いなく目立つ。人攫いに遭遇したら危ない。
「おい! 待てニナ!」
エド少年は声を出して追いかけるがニナは犬に夢中で気が付かない上、とても足が速い。追いつかない。見失わないギリギリの距離で追いかけることしかできない。そうしている間に貧民街に入ってしまった。
「いぬー!」
貧民街であることを理解していないニナは呑気に大声を出す。すぐに貧民街の住人の目が彼女に集まる。エド少年はやばいと思うがニナに大きく声を掛けても一向に振り向いて貰えない。どうすればいいんだと焦っていると、ふとニナが足を止めているのに気が付いた。
様子を伺うと、貧民街の住人の足元に犬が止まっていた。犬は男の靴をふんふん匂っている。
「おっさーん、その犬迷子だから届けるから貸してー」
貧民街の男は足元の犬へ視線を向ける。そして犬の首輪を掴んで持ち上げる。首が閉まって犬は苦しそうだ。
「あっ何すんの!」
「良いトコの嬢ちゃんかぁ? 犬が欲しけりゃ、迷惑料寄越しな。靴が犬臭くなっちまった」
「はあ意味わからんて」
ニナが返事すると物陰から複数の男が現れた。エド少年は本格的にヤバいと感じるが恐怖で動くことができない。
「おっ遠くからじゃ分からなかったが綺麗な顔してるな」
「当たりだ。高く売れるぞ」
そう言ってニナに襲い掛かろうとした、その時、複数の男の心臓部が空洞となり体が崩れ落ちる。
「せいとうぼーえー」
「なっコイツ魔法が使えるのか!?」
動揺した男は大声で仲間を呼んだ。ずらずらとあちこちからガラの悪い男が駆け付けた。
「犬こっちに寄越せ。そしたら許す」
「この人数相手に強がりか? こっちにも魔法使える奴は居るんだよ!」
ニナがクイクイッとジェスチャーするが男は鼻で笑って犬を放り投げた。犬は上手く着地できず地面にぶつかって「キャイン」と鳴いた。
「あっ! どうぶつあいごいはんでーす!」
ニナがそう言うと、ニナ近くの男たちは肉塊となり弾けた。動揺する周囲。ニナは犬に駆け寄り抱っこする。犬は前足を怪我したようだ。
「ゆるすまじ」
ニナの呟きと共に、最初にニナが声を掛けた男の居た横の柱が一つ爆散した。建物が崩壊を始める。
「なんだ!?」
「逃げろ!」
動揺した集団の中を縫うように進みエド少年はニナに近づいた。
「ニナ! 大丈夫か!」
「おや、エド坊や」
「ここはやばいんだ、逃げるぞ」
「やばいとは?」
「ここは悪い奴しかいないんだよ! 危ないんだ!」
「みんな悪いやつ? でも野良犬野良猫野良鼠とかは悪いやつじゃないよー」
「は? 何いってんだ? まあ、ここの奴は何でも食うから動物はここに入って来ても食われて居ねえけど……」
「なんだと」
ニナは立ち上がり宣言する。
「じゃあ、おぶつはしょうどくじゃー」
ニナは歩きはじめる。ニナが通る度、人間が肉塊となって散ってゆく。そして建物は派手に爆散してゆく。逃げ惑う人々。
「おらおらしねー」
エド少年は絶句した。どう考えても、ニナがこれをやっている。彼女が歩くと周りが崩壊している。
そうだ、ニナは成人だと言っていた。それに普段はどこから入手したのか魔術師団の外套を羽織っていた。まさか、本当に成人で魔術師団の魔術師だったのかと。
平民にはそうそう居ない、銀髪の少女。性格にやや難ありだが見た目で完全に一目惚れだった。エド少年の初恋だった。だが、パン屋の息子で普通の少年であるエドに、ニナは手に余る。現に今でさえ、止めることもできず、圧倒され呆然と見る事しか出来ない。
エド少年の初恋は見事に砕け散った、いや、ニナが爆散していたのだった。
□
「えりしゅーごめーん……」
何故か城が騒がしくなり、どことなく不安になっていたエリスはニナが無事帰って来てホッとする。だが、ニナは何故かあちこち汚れている。
「寄り道しちゃってクロワッサン焼きたてだったのに冷めちゃった……」
「別に良いのよ。それよりどうしたのニナ。何があったの」
「ちょっとボランティアでせいそうかつどうしてた。あと迷子犬捕まえてけいらに届けた」
「まあ、偉いわ! それで汚れたのね。まずはお風呂に入りましょう」
「うん」
ニナはそのまま浴室に向かった。エリスはニナの汚れた服を洗濯しようと籠を持ち部屋から出ようとすると、辺境伯がそこに居た。
「こんにちは、辺境伯様。どうかされましたか?」
「ニナは居るか?」
「ええ、今お風呂に入っています。そうだわ、聞いてください。ニナはボランティアで清掃活動してきたんですって。それに迷子犬を警邏に届けたとか」
エリスが瞳をキラキラさせて辺境伯を見詰めている。辺境伯は言葉に詰まる。
ニナが貧民街、というか複数の非合法組織の集まる区画を崩壊させた。領地運営する上で非合法組織というのは必要な時もあるのだ。だから多少の事はお目こぼしして、一か所に集めて、半分管理下に置いていた。ニナはそれをすべて爆散してしまった。それが存在していた理由を教えて、少しでもニナを咎めなけれないけないのだが……とてもでないが上機嫌なエリスには言えない。
「……そうか、ニナは偉いな」
「はい! ニナはとても優しい子なんです!」
エリスはそう言って誇らしげに微笑んだ。
「ニコのぱんたべたい」
二人が街で暮らしていた時に行きつけであったパン屋、ベーカリーニコのパンが食べたいとニナは言い出した。
「そうね、最近食べてないものね」
買いに行きたいが、エリスは聖女騒動により外へ出る事が難しい。そしてニナに一人で買いに行かせるのも不安だった。なにせパン屋の一人息子であるエドはニナに懸想しているものの素直になれない態度をしてしまい、ニナはそれに気が付かず取っ組み合いの喧嘩をしかけて関節技をお見舞いしたりするのだ。一人で行かせて喧嘩になるとパン屋ご夫婦に申し訳ない。
「たべたーい、たべたーい」
地面に寝転がり足をバタつかせるニナ。どうしようと、困っていた時、ふと気が付く。エド少年は学校に通っているという。今日は平日だ。昼間は学校に行っているだろう。
現在の時刻はお昼すぎ、今から行ってすぐに帰ってくればニナとエド少年は会わないかもしれない。
「ニナ、お金を渡すからパンを買ってきてくれる?」
「いいの!?」
「ええ、でも、寄り道せずにパンを買ったらすぐに帰ってくること。できる?」
「うん!」
ニナはエリスに用意して貰ったポシェットを肩に掛けてから街へ繰り出した。魔術師団の外套はポシェットからお金を出す時邪魔なので羽織らなかった。
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素早くパン屋にたどり着いたニナは元気よく扉を開ける。
「おばさーん、ぱんくださーい」
「あら、ニナちゃん! 久しぶりだね。最近来ないから心配してたんだよ」
「ちょっと住処が遠くなったし、色々バタバタしてるのだ」
「そうかい、元気なら良かったよ。今丁度、クロワッサンが焼き上がったところなんだ。買っていくかい?」
「焼きたて! うん! 十個くれ!」
パン屋のおばさんから紙袋を受け取ってお金を支払う。紙袋はクロワッサンの熱で温かい。焼きたてをエリスに食べて欲しいニナは急いで帰ることにした。
パン屋を出た時、路地裏の方へふわふわの犬が入っていくのが見えた。首輪をしており毛並みがとても綺麗なので、あきらかに飼い犬だ。だが周りに飼い主らしき人は見当たらない。迷子か脱走だろうか。心配になったニナは付いて行ってしまった。
今ニナは良い匂いのするパンを持っている。パンをあげたら犬は付いてくるかなと思ったのだ。付いてきたら警邏の詰所に迷子犬として届ければいい。
だが、犬はてってけと路地裏の奥へ奥へと進んでいく。
「まてー! いぬー!」
ニナは更に犬を追いかけてゆく。
「ん? あれって……」
その姿を学校から帰宅する為に近道を使っていたエド少年が目撃した。そして、ニナが向かった方は奥に治安のよくない貧民街があると気付く。貧民街というより最早非合法組織の根城であるその場所。珍しい銀髪のニナは間違いなく目立つ。人攫いに遭遇したら危ない。
「おい! 待てニナ!」
エド少年は声を出して追いかけるがニナは犬に夢中で気が付かない上、とても足が速い。追いつかない。見失わないギリギリの距離で追いかけることしかできない。そうしている間に貧民街に入ってしまった。
「いぬー!」
貧民街であることを理解していないニナは呑気に大声を出す。すぐに貧民街の住人の目が彼女に集まる。エド少年はやばいと思うがニナに大きく声を掛けても一向に振り向いて貰えない。どうすればいいんだと焦っていると、ふとニナが足を止めているのに気が付いた。
様子を伺うと、貧民街の住人の足元に犬が止まっていた。犬は男の靴をふんふん匂っている。
「おっさーん、その犬迷子だから届けるから貸してー」
貧民街の男は足元の犬へ視線を向ける。そして犬の首輪を掴んで持ち上げる。首が閉まって犬は苦しそうだ。
「あっ何すんの!」
「良いトコの嬢ちゃんかぁ? 犬が欲しけりゃ、迷惑料寄越しな。靴が犬臭くなっちまった」
「はあ意味わからんて」
ニナが返事すると物陰から複数の男が現れた。エド少年は本格的にヤバいと感じるが恐怖で動くことができない。
「おっ遠くからじゃ分からなかったが綺麗な顔してるな」
「当たりだ。高く売れるぞ」
そう言ってニナに襲い掛かろうとした、その時、複数の男の心臓部が空洞となり体が崩れ落ちる。
「せいとうぼーえー」
「なっコイツ魔法が使えるのか!?」
動揺した男は大声で仲間を呼んだ。ずらずらとあちこちからガラの悪い男が駆け付けた。
「犬こっちに寄越せ。そしたら許す」
「この人数相手に強がりか? こっちにも魔法使える奴は居るんだよ!」
ニナがクイクイッとジェスチャーするが男は鼻で笑って犬を放り投げた。犬は上手く着地できず地面にぶつかって「キャイン」と鳴いた。
「あっ! どうぶつあいごいはんでーす!」
ニナがそう言うと、ニナ近くの男たちは肉塊となり弾けた。動揺する周囲。ニナは犬に駆け寄り抱っこする。犬は前足を怪我したようだ。
「ゆるすまじ」
ニナの呟きと共に、最初にニナが声を掛けた男の居た横の柱が一つ爆散した。建物が崩壊を始める。
「なんだ!?」
「逃げろ!」
動揺した集団の中を縫うように進みエド少年はニナに近づいた。
「ニナ! 大丈夫か!」
「おや、エド坊や」
「ここはやばいんだ、逃げるぞ」
「やばいとは?」
「ここは悪い奴しかいないんだよ! 危ないんだ!」
「みんな悪いやつ? でも野良犬野良猫野良鼠とかは悪いやつじゃないよー」
「は? 何いってんだ? まあ、ここの奴は何でも食うから動物はここに入って来ても食われて居ねえけど……」
「なんだと」
ニナは立ち上がり宣言する。
「じゃあ、おぶつはしょうどくじゃー」
ニナは歩きはじめる。ニナが通る度、人間が肉塊となって散ってゆく。そして建物は派手に爆散してゆく。逃げ惑う人々。
「おらおらしねー」
エド少年は絶句した。どう考えても、ニナがこれをやっている。彼女が歩くと周りが崩壊している。
そうだ、ニナは成人だと言っていた。それに普段はどこから入手したのか魔術師団の外套を羽織っていた。まさか、本当に成人で魔術師団の魔術師だったのかと。
平民にはそうそう居ない、銀髪の少女。性格にやや難ありだが見た目で完全に一目惚れだった。エド少年の初恋だった。だが、パン屋の息子で普通の少年であるエドに、ニナは手に余る。現に今でさえ、止めることもできず、圧倒され呆然と見る事しか出来ない。
エド少年の初恋は見事に砕け散った、いや、ニナが爆散していたのだった。
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「えりしゅーごめーん……」
何故か城が騒がしくなり、どことなく不安になっていたエリスはニナが無事帰って来てホッとする。だが、ニナは何故かあちこち汚れている。
「寄り道しちゃってクロワッサン焼きたてだったのに冷めちゃった……」
「別に良いのよ。それよりどうしたのニナ。何があったの」
「ちょっとボランティアでせいそうかつどうしてた。あと迷子犬捕まえてけいらに届けた」
「まあ、偉いわ! それで汚れたのね。まずはお風呂に入りましょう」
「うん」
ニナはそのまま浴室に向かった。エリスはニナの汚れた服を洗濯しようと籠を持ち部屋から出ようとすると、辺境伯がそこに居た。
「こんにちは、辺境伯様。どうかされましたか?」
「ニナは居るか?」
「ええ、今お風呂に入っています。そうだわ、聞いてください。ニナはボランティアで清掃活動してきたんですって。それに迷子犬を警邏に届けたとか」
エリスが瞳をキラキラさせて辺境伯を見詰めている。辺境伯は言葉に詰まる。
ニナが貧民街、というか複数の非合法組織の集まる区画を崩壊させた。領地運営する上で非合法組織というのは必要な時もあるのだ。だから多少の事はお目こぼしして、一か所に集めて、半分管理下に置いていた。ニナはそれをすべて爆散してしまった。それが存在していた理由を教えて、少しでもニナを咎めなけれないけないのだが……とてもでないが上機嫌なエリスには言えない。
「……そうか、ニナは偉いな」
「はい! ニナはとても優しい子なんです!」
エリスはそう言って誇らしげに微笑んだ。
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