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第八章: プレイング・ウィズ・ダークネス
第八話
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「え?」
俺は困惑していた。だって俺、さっきアンタに吹っ飛ばされたんだぞ?
なのに合格って、どういうこと?
「だから、テメェは合格だって言ってんだよ。さっきからお前、変顔し過ぎだろ」
これは変顔じゃねえ、困惑フェイスだ!ってか、合格なら吹っ飛ばさなくても良かったじゃねえか!
「じゃあ、俺はもう行くからよ。後は好きにしろや。ってことでザバン隊長、後は頼んだぜ」
今度はザバンが困惑フェイスをした。そりゃ指揮官が敵を前に放置して帰ったら、そんな顔にもなるわな。
「ゴ、ゴンゾウ様。私はどうすれば良いのでしょうか?」
何をすればいいか分からずに、質問しちゃったよ。それに対するゴンゾウの返事は何となく想像出来た。
「勝手にしろや」
うん、自分勝手極まりない返答。まさにゴンゾウって感じだ。
そう言い残し、サウス軍指揮官、ゴンゾウは元の場所に帰って行った。残された俺とザバンは、少しの間を置き、また話始めた。
「えーっと、じゃあ、サボンの所まで来てくれるか?それとも連れて来ようか?」
何だよこの会話。気まずいにも程があるぞ。
「本当にサボンが居るのか?」
おっ、話に乗って来たな。これもゴンゾウが適当すぎたことによる影響か?
「ああ、すぐそこにな。ただ、アンタと戦ってるとは思ってないみたいだけどな。悪いようにはしないから、サボンに会ってやってくれ。兄弟同士で戦うとか、悲しすぎると思わないか?」
「それは、我々が選んだ道だ。それも人生だ」
頑固な奴だな、コイツは。あのゴンゾウが納得してくれたのに、ザバンは頑なに断るな。
「分かった。お前が動く気がないなら、連れて来るからな。そんでもって二人で話せばいい。それでいいか?」
「勝手にしろ。どちらにせよ、私一人では、お前を殺せないだろう」
ちょっと褒めてくれて、地味に嬉しい。
という訳で、またサボンの所まで戻らないといけねえ。ザバンを連れて行ければ一番良いんだが、強引すぎると面倒なことになりそうだから止めておこう。
「すぐ戻って来るから、ここ動くなよ!」
そう言い、俺はサボンの元へと急いだ。帰り道も、来たときと同じで、そこまで難しくなかった。ただ単に、ノース軍兵士が作ってくれた道を戻っただけだ。
ノース軍陣地に戻ると、サボンが俺のことを待ち構えていた。
「ハジメ様、ご無事で何よりです」
「ああ、それより話があるんだ」
サボンは不思議そうな顔を浮かべていたが、聞いてくれた。俺は、今からサボンをサウス軍A地区の隊長の所まで連れて行く、という計画を話した。
「それで和平交渉という訳ですか」
「そういうことだ。これが、戦争を終わらす第一歩になるんだ」
「ですが、敵の総指揮を倒さないといけないのでは?」
「それに関しては、心配はいらない。もう話は付けてあるからな」
「流石です、ハジメ様」
いや、そんなに褒められてもな。兄弟揃って褒めすぎだ。ただゴンゾウの攻撃を喰らっただけだし。
それより、さっき考えてたんだが、今から会いに行く相手が実の兄だと言うことは内緒にしておいた方がいいだろう。サボンは、きっと兄から捨てられたと思っているからな。自分が小さい頃に急に姿を消した兄と認識しているんじゃないだろうか。
まあ、それは分からないが、教えないのが得策だろう。
「よし、じゃあ行くか。俺たちが留守にしてる間に敵に侵攻されてもあれだから、守備を固めるようにと兵たちに伝えておいてくれ」
「はい、ハジメ様」
何回も言われてるが、やっぱり『様』呼ばわりは慣れないな。
ザバンの元に向かう準備をしていると、一人の兵士がやって来た。何やら急いでる様子だ。
「ハジメ様、隊長、我が隊が攻撃を受けています!」
攻撃?ゴンゾウか?いや、アイツは筋の通った奴だ。約束を破るようなことはしない。
じゃあ誰が?ザバンか?
「敵は何人だ?」
サボンが兵に尋ねた。
「それが、、、」
その兵士は、躊躇うように、そしてまた悔しそうにこう言った。
「‥‥‥一人です」
俺は困惑していた。だって俺、さっきアンタに吹っ飛ばされたんだぞ?
なのに合格って、どういうこと?
「だから、テメェは合格だって言ってんだよ。さっきからお前、変顔し過ぎだろ」
これは変顔じゃねえ、困惑フェイスだ!ってか、合格なら吹っ飛ばさなくても良かったじゃねえか!
「じゃあ、俺はもう行くからよ。後は好きにしろや。ってことでザバン隊長、後は頼んだぜ」
今度はザバンが困惑フェイスをした。そりゃ指揮官が敵を前に放置して帰ったら、そんな顔にもなるわな。
「ゴ、ゴンゾウ様。私はどうすれば良いのでしょうか?」
何をすればいいか分からずに、質問しちゃったよ。それに対するゴンゾウの返事は何となく想像出来た。
「勝手にしろや」
うん、自分勝手極まりない返答。まさにゴンゾウって感じだ。
そう言い残し、サウス軍指揮官、ゴンゾウは元の場所に帰って行った。残された俺とザバンは、少しの間を置き、また話始めた。
「えーっと、じゃあ、サボンの所まで来てくれるか?それとも連れて来ようか?」
何だよこの会話。気まずいにも程があるぞ。
「本当にサボンが居るのか?」
おっ、話に乗って来たな。これもゴンゾウが適当すぎたことによる影響か?
「ああ、すぐそこにな。ただ、アンタと戦ってるとは思ってないみたいだけどな。悪いようにはしないから、サボンに会ってやってくれ。兄弟同士で戦うとか、悲しすぎると思わないか?」
「それは、我々が選んだ道だ。それも人生だ」
頑固な奴だな、コイツは。あのゴンゾウが納得してくれたのに、ザバンは頑なに断るな。
「分かった。お前が動く気がないなら、連れて来るからな。そんでもって二人で話せばいい。それでいいか?」
「勝手にしろ。どちらにせよ、私一人では、お前を殺せないだろう」
ちょっと褒めてくれて、地味に嬉しい。
という訳で、またサボンの所まで戻らないといけねえ。ザバンを連れて行ければ一番良いんだが、強引すぎると面倒なことになりそうだから止めておこう。
「すぐ戻って来るから、ここ動くなよ!」
そう言い、俺はサボンの元へと急いだ。帰り道も、来たときと同じで、そこまで難しくなかった。ただ単に、ノース軍兵士が作ってくれた道を戻っただけだ。
ノース軍陣地に戻ると、サボンが俺のことを待ち構えていた。
「ハジメ様、ご無事で何よりです」
「ああ、それより話があるんだ」
サボンは不思議そうな顔を浮かべていたが、聞いてくれた。俺は、今からサボンをサウス軍A地区の隊長の所まで連れて行く、という計画を話した。
「それで和平交渉という訳ですか」
「そういうことだ。これが、戦争を終わらす第一歩になるんだ」
「ですが、敵の総指揮を倒さないといけないのでは?」
「それに関しては、心配はいらない。もう話は付けてあるからな」
「流石です、ハジメ様」
いや、そんなに褒められてもな。兄弟揃って褒めすぎだ。ただゴンゾウの攻撃を喰らっただけだし。
それより、さっき考えてたんだが、今から会いに行く相手が実の兄だと言うことは内緒にしておいた方がいいだろう。サボンは、きっと兄から捨てられたと思っているからな。自分が小さい頃に急に姿を消した兄と認識しているんじゃないだろうか。
まあ、それは分からないが、教えないのが得策だろう。
「よし、じゃあ行くか。俺たちが留守にしてる間に敵に侵攻されてもあれだから、守備を固めるようにと兵たちに伝えておいてくれ」
「はい、ハジメ様」
何回も言われてるが、やっぱり『様』呼ばわりは慣れないな。
ザバンの元に向かう準備をしていると、一人の兵士がやって来た。何やら急いでる様子だ。
「ハジメ様、隊長、我が隊が攻撃を受けています!」
攻撃?ゴンゾウか?いや、アイツは筋の通った奴だ。約束を破るようなことはしない。
じゃあ誰が?ザバンか?
「敵は何人だ?」
サボンが兵に尋ねた。
「それが、、、」
その兵士は、躊躇うように、そしてまた悔しそうにこう言った。
「‥‥‥一人です」
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