5 / 8
大天使2号は頭を抱える
しおりを挟む
「ガブリエル、君は何を知っている」
会議室の扉を開けた瞬間に飛んで来た声に思わず扉を閉める。
これはバレたかな·····恩寵は審判の度にチェックしてたんだけどラジエル辺りが見れば一目瞭然だよね。
「ガブリエル、そこで何をしている?」
「やあミカエル·····何か聞いたかい?」
「ああ、ウリエルがアリエルに飲み込ませた恩寵が偽物だった事なら聞いているが?お前がそれに関わっているであろう事もな」
「とうとうバレたんだね·····仕方ないなぁ」
ミカエルと共に会議室に入ると、ラファエルが冷たい目で僕を見ていて背筋に嫌な汗が流れるのを感じながら席に着く。
「で?」
「これについてはあまり話せないんだ·····父との約束でね」
「父がガブリエルに直接話したのか?」
「そういう事。言っていいのはウリエルが追ったのはラミエルだという事とその後だけかな」
「彼女は堕天したではないか」
「彼女は幻視によって被害を食い止めていた所に味方の攻撃が頭に当たって下界に落ち、人間の赤子に変異したんだよ。記憶を全て失った状態でね·····いいかい?幻視を使ったままでだよ?彼女の力は皆も知っている筈だからこれで分かるよね」
「そういう事か」
「それならすぐに連れ戻せば良かったんじゃないのか?」
「既に人の子になってしまった後でね·····だからウリエルが側に行くと言い始め、父がそれを許したから僕が送った。彼女の弟として地盤を作れるようにね」
「なぜ俺に言わなかった」
「というか私が行きたかったよ」
「そういうと思ってね·····君達はラミエルを可愛がりすぎだし」
「当たり前だろう。ラミエルはアリエルと違い、俺達にも物怖じせずに話をしたからな」
「そうだね。私達にやっほーなんて手を振るのはラミエル位だったよ」
だから言えないんだよ?
メッセンジャーとして人間に幻視を見せたり、魂の管理者として善き魂を導くラミエルを見て、君達は「アレはもうやめさせろ。ラミエルが汚れたらどうする!」って父に苦情を入れようとしてたしさぁ。
明るく朗らかで誰とでも気安く話すラミエルが堕天したと聞いた時の天使達の衝撃ったらもう·····天界から光が消えたようだったよ。
堕天の理由が人間に欲情したからだと言う噂はウリエルが流したんだけど、何故か時代を遡った所で人間に伝わって、しかも「人間の女性に欲情した」になっててラミエルは下界では男。
天使には性別はないから全員男にされたのはそれより前かな?
決めつけは良くないと思うよ。
都合の良い所だけ切り取って、天使は人間に仕えるものだと言い出したのもいるけどありえないし。
どうでもいいから放置してるだけって事に気づけばいいのに。
あ、話が脱線したね。
「僕が話せるのはここまで!ウリエルの消息なんかは僕も知らないから父に聞いてね」
「ラミエルの居場所は」
「そうだ、それを聞かないと!守らないといけないからね」
「彼女自身の恩寵に加えて、本物のウリエルの恩寵もあるから大丈夫だよ」
「居場所を教えろと言っている」
「それも父に聞いて。教えてくれるかは知らないけどね」
無理矢理話を終わらせて自分の部屋へ行き、引き出しから鏡を出して覗くと友人と楽しげに笑うラミエルの·····彩未の姿があった。
「ああ、15歳になってるね。前の6年を無事に過ごす事ができて良かったよ。今回は少し不穏な空気を感じるけど、これはなんだろう」
彩未という名は未来を彩る存在として僕が授けた。
その名がある限り、君を守る事ができる。
君はどちらにせよ18歳から成長できないから、ウリエルの地上の運行を司る力を使って6年毎にリセットさせてると君に教える事はできないけど、君の為だから許して欲しい。
ウリエルがいない今、僕が直接君を守りに行くしかないね。
人間の体を借りるとしようか。
会議室の扉を開けた瞬間に飛んで来た声に思わず扉を閉める。
これはバレたかな·····恩寵は審判の度にチェックしてたんだけどラジエル辺りが見れば一目瞭然だよね。
「ガブリエル、そこで何をしている?」
「やあミカエル·····何か聞いたかい?」
「ああ、ウリエルがアリエルに飲み込ませた恩寵が偽物だった事なら聞いているが?お前がそれに関わっているであろう事もな」
「とうとうバレたんだね·····仕方ないなぁ」
ミカエルと共に会議室に入ると、ラファエルが冷たい目で僕を見ていて背筋に嫌な汗が流れるのを感じながら席に着く。
「で?」
「これについてはあまり話せないんだ·····父との約束でね」
「父がガブリエルに直接話したのか?」
「そういう事。言っていいのはウリエルが追ったのはラミエルだという事とその後だけかな」
「彼女は堕天したではないか」
「彼女は幻視によって被害を食い止めていた所に味方の攻撃が頭に当たって下界に落ち、人間の赤子に変異したんだよ。記憶を全て失った状態でね·····いいかい?幻視を使ったままでだよ?彼女の力は皆も知っている筈だからこれで分かるよね」
「そういう事か」
「それならすぐに連れ戻せば良かったんじゃないのか?」
「既に人の子になってしまった後でね·····だからウリエルが側に行くと言い始め、父がそれを許したから僕が送った。彼女の弟として地盤を作れるようにね」
「なぜ俺に言わなかった」
「というか私が行きたかったよ」
「そういうと思ってね·····君達はラミエルを可愛がりすぎだし」
「当たり前だろう。ラミエルはアリエルと違い、俺達にも物怖じせずに話をしたからな」
「そうだね。私達にやっほーなんて手を振るのはラミエル位だったよ」
だから言えないんだよ?
メッセンジャーとして人間に幻視を見せたり、魂の管理者として善き魂を導くラミエルを見て、君達は「アレはもうやめさせろ。ラミエルが汚れたらどうする!」って父に苦情を入れようとしてたしさぁ。
明るく朗らかで誰とでも気安く話すラミエルが堕天したと聞いた時の天使達の衝撃ったらもう·····天界から光が消えたようだったよ。
堕天の理由が人間に欲情したからだと言う噂はウリエルが流したんだけど、何故か時代を遡った所で人間に伝わって、しかも「人間の女性に欲情した」になっててラミエルは下界では男。
天使には性別はないから全員男にされたのはそれより前かな?
決めつけは良くないと思うよ。
都合の良い所だけ切り取って、天使は人間に仕えるものだと言い出したのもいるけどありえないし。
どうでもいいから放置してるだけって事に気づけばいいのに。
あ、話が脱線したね。
「僕が話せるのはここまで!ウリエルの消息なんかは僕も知らないから父に聞いてね」
「ラミエルの居場所は」
「そうだ、それを聞かないと!守らないといけないからね」
「彼女自身の恩寵に加えて、本物のウリエルの恩寵もあるから大丈夫だよ」
「居場所を教えろと言っている」
「それも父に聞いて。教えてくれるかは知らないけどね」
無理矢理話を終わらせて自分の部屋へ行き、引き出しから鏡を出して覗くと友人と楽しげに笑うラミエルの·····彩未の姿があった。
「ああ、15歳になってるね。前の6年を無事に過ごす事ができて良かったよ。今回は少し不穏な空気を感じるけど、これはなんだろう」
彩未という名は未来を彩る存在として僕が授けた。
その名がある限り、君を守る事ができる。
君はどちらにせよ18歳から成長できないから、ウリエルの地上の運行を司る力を使って6年毎にリセットさせてると君に教える事はできないけど、君の為だから許して欲しい。
ウリエルがいない今、僕が直接君を守りに行くしかないね。
人間の体を借りるとしようか。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる