見てるだけはもう終わり!~創造主は地上に降りる~

樹林

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第一章

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「私は産まれた時にこの世界の空気を吸ったの。その時点でこちらの方が馴染むのは仕方がないわ」

「だがのう。あちらは大変そうではないかの?」

「私は口出しする気はないの。それに、向こうに行きたくない理由も見たでしょ!隠したものを剥がしてまでね」

「それで良いならそうしようかのう。話を進めてくれ」

「主様はいつが良いでしょうか?私は不動産をたくさん持っているので、住む場所はどこにでもありますよ」

「ありがとう、福禄寿。移動してから記憶操作すればいいから、今からでも構わないかしら?できればマンションで。学園はそのまま通うから、その辺りはよろしくね」

「承知致しました。結界はマンションの外か、家の玄関の前のどちらでしょう?」

「マンションの前ね。住人に迷惑をかけたくないし」

「家族の記憶操作もしてもらえるかな?隠れて匿ったはややこしいだろうよ」

「分かったわ。寿老人の家族の記憶をあとで見せて。皆もね」

「では、そういう事で。主様のお役に立てて光栄にございます」

財界の重鎮達が15歳の小娘に頭を下げているなんて、人が見たら大変でしょうね。
彼らが戻って行くのを見届け、福禄寿から渡されたマンションの記憶で転移を行う。
今は人から見えないようにしているから、ど真ん前に立っても全然平気。
堂々と結界を張って部屋までまた転移すると、最上階だったわ・・・。

『お気に召しましたか?』

『あら、ごめんなさい。結界に弾かれたわよね』

『神にも用心するのは良い事でございますから』

『ありがとう。ところでここ、広すぎないかしら』

『そのレベルはありませんと、他の者達に何と言われるか分かりませんので諦めてください。水道、電気は通っておりますし、食べ物も冷蔵庫・冷凍庫に。スマホも今お持ちの物を御剣桜純様の名に変えておきました。他にご用はおありですか?』

『ないわ。何から何までありがとう』

『お役に立てて光栄にございます。それではまた用がございましたらお呼びください』

話が終わると記憶操作の開始。
精神を集中して、私を少しでも知っている人達の記憶をいじっていく。取りこぼしのないように、見ただけの人、聞いただけの人まで全て。
それが終わると、次は七福神の身内に私の記憶を植え込む。
向こうとこちらの両方に存在する事になるけど、どうとでもなるのが不思議よね。
ついでに向こうの記憶を消そうかしら・・・パパと黒銀に叱られるし、世界の負担が大きすぎて無理ね。

1時間ほどで全てが終了し、竜宮家にある私の荷物も引き取った。
もう、あの家に私の痕跡はないけれど、私の中にはちゃんとあるから大丈夫。
記憶操作したのは再会からだし、これからは御剣桜純として仲良くしていくだけ。


このせいで、大きな問題がいくつか出てきたのだけどね。
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