見てるだけはもう終わり!~創造主は地上に降りる~

樹林

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第二章

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「桜純、あなたの婚約はそのままなの。あちらのご当主が何度も頭を下げに来られてね。私達はその気持ちと事情を無視できなかったの」

おばあ様も悲しそうに教えてくれて、私はどうすればいいか分からなくなった。
パパが伝えようとしていたのはこの事?それを私が聞こうともしなかったから創星は・・・。

「学園に行きます。エステルさんを罰して全てを元に戻します。神達も私が説得しましょう」

「神は僕に任せて」

そう言って立ち上がると、パパと浅葱が現れたの。

「パパ!浅葱!どうしてここに?」

「娘の気配を感じない父親がいるか。この馬鹿娘が」

パパにしがみついて、何度もごめんなさいと謝りながら私は泣き続けた。私は、パパ達にも話さないといけない事があるから。

「パパ、皆、私の話を聞いてくださる?あのね・・・」

自分が8つの宇宙を作った神である事、パパ達の事も私が作った事、白銀達のような眷属を作り、送り出したパパ達の事を見守って来た事も全て。

「私は暗黒を止める為に生まれて来たの。でも、思った以上に人間が腐っていたせいで日本で生まれる事になったのだけど・・・それもあって私は暗黒と向き合う事から逃げて、幸せな夢を見続けようとしていたの。パパ、この世界はゲームに似てるという話をしたでしょ?」

「ああ」

「向こうにはそのゲームもあるのに、私は探そうともしなかったわ。最低でしょ?」

「そんな事はない。俺は好きに生きろと言っただろう?連れ戻そうとしておいて言えた義理ではないがな」

「ふふ、パパは甘すぎるわ」

「暗黒っていうのが改心するか消えるかしたら、桜純はどうするんだ?帰ってしまうのか?」

黙って思案していた蒼の言葉に、私はビクリと肩を跳ねさせたわ。
管理者でもある私は、あの世界に戻らないといけないの。その事も躊躇させる原因の一つだったから・・・。

「それは後で考えればいい。浅葱、お前は桜純の言葉を全員に伝えろ。俺は桜純と行く、あいつとは無関係ではないからな」

「分かったよ。創造主様、ご無事をお祈り申し上げます」

「浅葱、それはやめて。私はただの桜純よ」

「分かった。じゃあまた後でね。あ、その格好は刺激的すぎるから着替えて行くんだよ」

いたずらっ子のように笑って浅葱は神界に戻り、私は自分がメイド服姿である事を思い出し、皆は私の格好を信じられないような目で見たの。

「こっこれはね、あの・・・文化祭でクラスで、えーと、喫茶店をね」

「今日は僕達の通う学園の文化祭が催されており、この服装はその為の衣装です。男女共にこの格好で接客や調理をしています」

蒼がカッコよくみえたわ・・・ありがとう!本当にありがとう!
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