見てるだけはもう終わり!~創造主は地上に降りる~

樹林

文字の大きさ
45 / 63
第一章

44

しおりを挟む
サロンは日本で言うと30畳程度の大きさがあるけど、この下には何もないのよね。魔法で支えているから落ちないし、私は飛べるからいいけど。

「アリスティア、来てくれたのですね」

警備の騎士が扉を開けると、ヨランダ王女殿下が出迎えてくれたわ。

「この方がアリスティア様なのですか?私もお会いするのを楽しみにしていましたのよ。私はマリアンヌ・カルサイト。よろしくお願いしますわ」

「お初にお目にかかります。ダイアクロス国、コーラルバイン公爵家の長女、アリスティアと申します。よろしくお願い致します」

カーテシーをして、そのまま頭を下げる。
この方も許可なく顔を見る事は許されないの。

「頭を下げる上げてちょうだい。仲良くしてほしいから、気軽な話し方をしてほしいわ。そうだわ、マリーと呼んでちょうだいね」

「ありがとうございます。私の事はアリスとお呼び下さい」

人を好きになるのに理屈はいらないというけれど、私はマリー様を一目で気に入ったの。
優しく綺麗な魂はこれまで徳を積んできた証で、この人は後3回程転生して徳を積めば次のステージへ行けると分かる。

「2人とも、見つめあっていないで行くわよ。マリー、あなたの婚約者がジッ見ていて怖いのよ」

ヨランダ王女の視線の先には、カルサイトの公爵家令息、ジェイミー・サードがいた。
この人の魂も結構綺麗ななのよね。

「私がアリス様が入学するとしつこく話したから、嫉妬してしまったの。彼はジェイミーといって、とても優しい方だからアリスも仲良くしてね」

うふふ、と小指を口元に置いて微笑んで、私達はジェイミーの元へと行き、そこにいらした他の令息達にもご挨拶して修理。

「今年はアリスティアが入ってくれたから3人になったけど、女の子は何故か侯爵以下ばかりで大変なのよ」

「確かに男性ばかりですわね」

「そうなの。来年は私の妹と公爵家の双子の令嬢が入学するから少しは増えるのだけどね」

「それは楽しみですわね」

「僕は恐怖を感じるけどね。ミシェル王女殿下はマリーを取られたと言って、僕達の邪魔ばかりするから」

「あら、あの子も御相手ができれば落ち着くわよ」

「そう願うよ」

ふぅ、と溜息を着くジェイミーを笑ったり、ミシェル王女の話を聞いたりと、私達は楽しく談笑を続け・・・たかったのだけれど、攻略対象達が揃ってこちらに来たの。

「やあ、アリスティアじゃないか」

「レオンハルト王太子殿下、ごきげんよう」

「ここは随分と楽しそうだね。王族へと挨拶もせずに談笑かい?」

お花畑のくせに何言ってるの?
ここは、公爵家、王族と外交に顔をだす人達が仲良く情報交換等をする場所で、王族を敬う場ではないのよ!とは言えないから、リオンに目配せして言わせる事にしたの。

リオン、頑張って!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私は貴方を許さない

白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。 前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】

藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。 そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。 記憶を抱えたまま、幼い頃に――。 どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、 結末は変わらない。 何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。 それでも私は今日も微笑む。 過去を知るのは、私だけ。 もう一度、大切な人たちと過ごすために。 もう一度、恋をするために。 「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」 十一度目の人生。 これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。

悪役令嬢のビフォーアフター

すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。 腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ! とりあえずダイエットしなきゃ! そんな中、 あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・ そんな私に新たに出会いが!! 婚約者さん何気に嫉妬してない?

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

処理中です...