見てるだけはもう終わり!~創造主は地上に降りる~

樹林

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第一章

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「やっぱり慣れないわね」

「そんな事はございません!よくお似合いですわ」

「ええ、アリスティア様は何をお召しになってもお綺麗ですわ」

「ええ、ええ」

褒め殺しのような褒め言葉をありがとう。
今、私が着ているのは魔法科の制服。
ランダムで配られたローブは、縁に金地の刺繍が施された白。その下に白いシャツと黒いズボン。
ヨランダ王女が教えてくれた通りに無地の白いスカーフをメイドが作ってくれたから、腰に巻いて出来上がり。

これ、派手じゃない?

ヨランダ王女は黒だったわよね?他の魔法科の先輩方も黒だったわ。ローレンス兄様に緑、アルフレッド兄様は灰色、ルイス兄様は藍色よね。どうして私は白なの?どうしてこんな刺繍があるの?

意味が分からないと悩みながら部屋を出ると、ヨランダ王女とバッタリ出くわしたのだけど、目を見開いてまた石像になってしまったわ・・・こちらから挨拶するわけにもいかないしどうしようかしら。

こういう時には救世主が来るもので、マリー様が部屋から出て来られたの。

「あら、ヨランダ様、アリス様。ごきげんよう」

「マリー様、ヨランダ王女殿下、ごきげんよう」

「ご、ごき・・・な、な、な、な、なんなの。アリス!あなた何者なのよ!」

「あの・・・何がでしょう?」

「そのローブよ!それは聖人・聖女のローブなのよ!ちょっと来なさい!」

ヨランダ王女に腕を掴まえて転移陣に入り、朝食もとらずに寮を出たのだけど、すれ違う人達が驚愕の目で私を見るのはローブのせいなのかしら?

学園の入口にある魔法科の生徒用の転移陣から学舎へと飛び、そのまま職員室へと連れて行かれたのだけど、そこにはリオンとショーン殿下もいたの。

「あ、あなた達、それは・・・」

リオンは炎のように真っ赤なローブ、ショーン殿下は氷のような薄い水色のローブで、先生方が感動で泣いているという状況だったのだけど、せんせ方がわたしを見て「ああああああ」とか「でたあああああ」等・・・後は意味のなさない叫び声に職員室が包まれた。

「さすがアリスティア嬢だね。純白に金地の刺繍は最上級の聖女の証だよ」

私の知識にそれはないから、内心かなり慌てているのだけど、身についた令嬢スマイルは崩れないものね。

「あの、その聖女というのは・・・」

「アリスは知らないのか?ああ、ダイアクロスは魔法使いが出ないからそういう教育はしないのか」

「そのダイアクロスから聖女が出るなんて驚きだわ」

3人で頷きあっているけれど、説明してほしいわ・・・仕方ないわね。

『黒銀、聞こえる?』

『はい、主様』

『私が今いる世界がおかしいのよ。私の知識にない展開が起こっているから調べてもらえるかしら』

『それは既に掴んでいます。他の世界でも同じ事が起こっていますので・・・ウイルスが何かをしているとしか分かりませんが、主様以外が作った世界が融合しているようです』

『神を必要としない世界かしら?』

『あっ、そうですね。どこも神が生まれていない世界です』

『ありがとう、この後も調査をよろしくね』

『はい、早く主様の元へ変える為にも頑張ります』

『私もはやく黒銀に会いたいわ。じゃあね』

さあ、世界の状況を見てみましょうか。






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