見てるだけはもう終わり!~創造主は地上に降りる~

樹林

文字の大きさ
56 / 63
第一章

55

しおりを挟む
「やっぱり慣れないわね」

「そんな事はございません!よくお似合いですわ」

「ええ、アリスティア様は何をお召しになってもお綺麗ですわ」

「ええ、ええ」

褒め殺しのような褒め言葉をありがとう。
今、私が着ているのは魔法科の制服。
ランダムで配られたローブは、縁に金地の刺繍が施された白。その下に白いシャツと黒いズボン。
ヨランダ王女が教えてくれた通りに無地の白いスカーフをメイドが作ってくれたから、腰に巻いて出来上がり。

これ、派手じゃない?

ヨランダ王女は黒だったわよね?他の魔法科の先輩方も黒だったわ。ローレンス兄様に緑、アルフレッド兄様は灰色、ルイス兄様は藍色よね。どうして私は白なの?どうしてこんな刺繍があるの?

意味が分からないと悩みながら部屋を出ると、ヨランダ王女とバッタリ出くわしたのだけど、目を見開いてまた石像になってしまったわ・・・こちらから挨拶するわけにもいかないしどうしようかしら。

こういう時には救世主が来るもので、マリー様が部屋から出て来られたの。

「あら、ヨランダ様、アリス様。ごきげんよう」

「マリー様、ヨランダ王女殿下、ごきげんよう」

「ご、ごき・・・な、な、な、な、なんなの。アリス!あなた何者なのよ!」

「あの・・・何がでしょう?」

「そのローブよ!それは聖人・聖女のローブなのよ!ちょっと来なさい!」

ヨランダ王女に腕を掴まえて転移陣に入り、朝食もとらずに寮を出たのだけど、すれ違う人達が驚愕の目で私を見るのはローブのせいなのかしら?

学園の入口にある魔法科の生徒用の転移陣から学舎へと飛び、そのまま職員室へと連れて行かれたのだけど、そこにはリオンとショーン殿下もいたの。

「あ、あなた達、それは・・・」

リオンは炎のように真っ赤なローブ、ショーン殿下は氷のような薄い水色のローブで、先生方が感動で泣いているという状況だったのだけど、せんせ方がわたしを見て「ああああああ」とか「でたあああああ」等・・・後は意味のなさない叫び声に職員室が包まれた。

「さすがアリスティア嬢だね。純白に金地の刺繍は最上級の聖女の証だよ」

私の知識にそれはないから、内心かなり慌てているのだけど、身についた令嬢スマイルは崩れないものね。

「あの、その聖女というのは・・・」

「アリスは知らないのか?ああ、ダイアクロスは魔法使いが出ないからそういう教育はしないのか」

「そのダイアクロスから聖女が出るなんて驚きだわ」

3人で頷きあっているけれど、説明してほしいわ・・・仕方ないわね。

『黒銀、聞こえる?』

『はい、主様』

『私が今いる世界がおかしいのよ。私の知識にない展開が起こっているから調べてもらえるかしら』

『それは既に掴んでいます。他の世界でも同じ事が起こっていますので・・・ウイルスが何かをしているとしか分かりませんが、主様以外が作った世界が融合しているようです』

『神を必要としない世界かしら?』

『あっ、そうですね。どこも神が生まれていない世界です』

『ありがとう、この後も調査をよろしくね』

『はい、早く主様の元へ変える為にも頑張ります』

『私もはやく黒銀に会いたいわ。じゃあね』

さあ、世界の状況を見てみましょうか。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

裏の顔ありな推しとの婚約って!?

花車莉咲
恋愛
鉱業が盛んなペレス王国、ここはその国で貴族令嬢令息が通う学園であるジュエルート学園。 その学園に通うシエンナ・カーネリアラ伯爵令嬢は前世の記憶を持っている。 この世界は乙女ゲーム【恋の宝石箱~キラキラブラブ学園生活~】の世界であり自分はその世界のモブになっていると気付くが特に何もする気はなかった。 自分はゲームで名前も出てこないモブだし推しはいるが積極的に関わりたいとは思わない。 私の前世の推し、ルイス・パライバトラ侯爵令息は王国騎士団団長を父に持つ騎士候補生かつ第二王子の側近である。 彼は、脳筋だった。 頭で考える前に体が動くタイプで正義感が強くどんな物事にも真っ直ぐな性格。 というのは表向きの話。 実は彼は‥‥。 「グレース・エメラディア!!貴女との婚約を今ここで破棄させてもらう!」 この国の第二王子、ローガン・ペレス・ダイヤモルト様がそう叫んだ。 乙女ゲームの最終局面、断罪の時間。 しかし‥‥。 「これ以上は見過ごせません、ローガン殿下」 何故かゲームと違う展開に。 そして。 「シエンナ嬢、俺と婚約しませんか?」 乙女ゲームのストーリーにほぼ関与してないはずなのにどんどんストーリーから離れていく現実、特に何も目立った事はしてないはずなのに推しに婚約を申し込まれる。 (そこは断罪されなかった悪役令嬢とくっつく所では?何故、私?) ※前作【悪役令息(冤罪)が婿に来た】にて名前が出てきたペレス王国で何が起きていたのかを書いたスピンオフ作品です。 ※不定期更新です。

死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について

えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。 しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。 その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。 死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。 戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。

悪役令嬢は死んで生き返ってついでに中身も入れ替えました

蒼黒せい
恋愛
侯爵令嬢ミリアはその性格の悪さと家の権威散らし、散財から学園内では大層嫌われていた。しかし、突如不治の病にかかった彼女は5年という長い年月苦しみ続け、そして治療の甲斐もなく亡くなってしまう。しかし、直後に彼女は息を吹き返す。病を克服して。 だが、その中身は全くの別人であった。かつて『日本人』として生きていた女性は、異世界という新たな世界で二度目の生を謳歌する… ※同名アカウントでなろう・カクヨムにも投稿しています

この度娘が結婚する事になりました。女手一つ、なんとか親としての務めを果たし終えたと思っていたら騎士上がりの年下侯爵様に見初められました。

毒島かすみ
恋愛
真実の愛を見つけたと、夫に離婚を突きつけられた主人公エミリアは娘と共に貧しい生活を強いられながらも、自分達の幸せの為に道を切り開き、幸せを掴んでいく物語です。

《完結》悪女と噂されたわたくしのざまぁ

ヴァンドール
恋愛
悪女と噂のわたくしとの結婚なら、どれほど軽んじても問題はないと思っていた旦那様。 ところが……。

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

私の存在

戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。 何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。 しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。 しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…

処理中です...