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第一章

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私は時間を止めて目を瞑る。

この世界に神はいないけれど、代わりに精霊かわいるからそちらから話を聞きましょう。

『精霊王よ、聞こえる?』

『これは主様。初めまして、この星で精霊王をしておりますユーディンと申します』

『初めまして、わたしはこの世界ではアリスティアと言うの。そう呼んでちょうだい』

『有り難き幸せ。して、私に何用でございましょう』

『異変には気付いているわよね?』

『もちろんです。別の世界との融合によって、この世界には大量の魔獣とその王がなだれ込みました』

『こちらにも魔獣はいるけれど、一気に増えたという事ね』

『そうです。それは恐ろしい魔獣ばかりで、こちらに戻る精霊も少なくありません』

『この世界から精霊がいなくなるという事は、護りがなくなるという事ね』

『その通りです。私としても食い止めたいところではありますが、そちらの世界で戦える者がいないと無料ですな』

『戦える者?』

『人間の中に、そういうものが生まれるのです。強い魔力を持ち、尚且つ正しき者。雪のような白、炎のような赤、氷のような水の色を持つ者達が必要なのです』

『・・・それなら、もういるわよ』

『は?』

『遠見で私のいる場所を見てちょうだい』

『これは!なんと素晴らしい事でしょう。私も精霊を代表してアリスティア様と共に戦います!』

『あ、ありがとう』

『私を召喚し、使役していただけますか?』

『明日、召喚の授業があるからその時はよろしくね』

『ありがとうございます、この栄誉は永久に忘れません』

「そ、そう?では、またね。応えてくれてありがとう」

『はい!ではまた』

通信を切り、時間を動かす。
その時、少し違和感を感じた。まさか、時間が止まってない人がいたとか?ありえないわね。

その疑問を振り払い、私は興奮しっぱなしの先生方を見る。魔法科には変わり者が多いとは聞いていたけれど、まさかここまでとはね。

落ち着くように軽く念じると、彼らは先程までの狂喜乱舞が嘘のように冷静になり、副学園長が私達の方へと来た。

「いやぁ、済まなかったね。私が生きている間にこの奇跡が見られるとはね。だが、このローブが現れたという事は、禍が生まれたという事でもあるんだよ」

「禍とはなんでしょうか?」

「うん、これから総出でその禍を探す事になる。後、君達は授業の後で特別な訓練を受けてもらう事になるから、覚悟しておいて」

「「「はい」」」

それで話は終わり、教室へと向かったのだけど、白・赤・水色のローブはとても目立つのよね。
気絶する人や拝む人まで出てきて、こちらが恐縮するくらいだったわ。

ところで、創造主が聖女になるのって大丈夫なの?
力が強すぎて、この2人の見せ場がなくなりそうなのだけど・・・。


そういえば、魔獣の王って・・・あれ?まさかね。

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