57 / 63
第一章
56
しおりを挟む
私は時間を止めて目を瞑る。
この世界に神はいないけれど、代わりに精霊かわいるからそちらから話を聞きましょう。
『精霊王よ、聞こえる?』
『これは主様。初めまして、この星で精霊王をしておりますユーディンと申します』
『初めまして、わたしはこの世界ではアリスティアと言うの。そう呼んでちょうだい』
『有り難き幸せ。して、私に何用でございましょう』
『異変には気付いているわよね?』
『もちろんです。別の世界との融合によって、この世界には大量の魔獣とその王がなだれ込みました』
『こちらにも魔獣はいるけれど、一気に増えたという事ね』
『そうです。それは恐ろしい魔獣ばかりで、こちらに戻る精霊も少なくありません』
『この世界から精霊がいなくなるという事は、護りがなくなるという事ね』
『その通りです。私としても食い止めたいところではありますが、そちらの世界で戦える者がいないと無料ですな』
『戦える者?』
『人間の中に、そういうものが生まれるのです。強い魔力を持ち、尚且つ正しき者。雪のような白、炎のような赤、氷のような水の色を持つ者達が必要なのです』
『・・・それなら、もういるわよ』
『は?』
『遠見で私のいる場所を見てちょうだい』
『これは!なんと素晴らしい事でしょう。私も精霊を代表してアリスティア様と共に戦います!』
『あ、ありがとう』
『私を召喚し、使役していただけますか?』
『明日、召喚の授業があるからその時はよろしくね』
『ありがとうございます、この栄誉は永久に忘れません』
「そ、そう?では、またね。応えてくれてありがとう」
『はい!ではまた』
通信を切り、時間を動かす。
その時、少し違和感を感じた。まさか、時間が止まってない人がいたとか?ありえないわね。
その疑問を振り払い、私は興奮しっぱなしの先生方を見る。魔法科には変わり者が多いとは聞いていたけれど、まさかここまでとはね。
落ち着くように軽く念じると、彼らは先程までの狂喜乱舞が嘘のように冷静になり、副学園長が私達の方へと来た。
「いやぁ、済まなかったね。私が生きている間にこの奇跡が見られるとはね。だが、このローブが現れたという事は、禍が生まれたという事でもあるんだよ」
「禍とはなんでしょうか?」
「うん、これから総出でその禍を探す事になる。後、君達は授業の後で特別な訓練を受けてもらう事になるから、覚悟しておいて」
「「「はい」」」
それで話は終わり、教室へと向かったのだけど、白・赤・水色のローブはとても目立つのよね。
気絶する人や拝む人まで出てきて、こちらが恐縮するくらいだったわ。
ところで、創造主が聖女になるのって大丈夫なの?
力が強すぎて、この2人の見せ場がなくなりそうなのだけど・・・。
そういえば、魔獣の王って・・・あれ?まさかね。
この世界に神はいないけれど、代わりに精霊かわいるからそちらから話を聞きましょう。
『精霊王よ、聞こえる?』
『これは主様。初めまして、この星で精霊王をしておりますユーディンと申します』
『初めまして、わたしはこの世界ではアリスティアと言うの。そう呼んでちょうだい』
『有り難き幸せ。して、私に何用でございましょう』
『異変には気付いているわよね?』
『もちろんです。別の世界との融合によって、この世界には大量の魔獣とその王がなだれ込みました』
『こちらにも魔獣はいるけれど、一気に増えたという事ね』
『そうです。それは恐ろしい魔獣ばかりで、こちらに戻る精霊も少なくありません』
『この世界から精霊がいなくなるという事は、護りがなくなるという事ね』
『その通りです。私としても食い止めたいところではありますが、そちらの世界で戦える者がいないと無料ですな』
『戦える者?』
『人間の中に、そういうものが生まれるのです。強い魔力を持ち、尚且つ正しき者。雪のような白、炎のような赤、氷のような水の色を持つ者達が必要なのです』
『・・・それなら、もういるわよ』
『は?』
『遠見で私のいる場所を見てちょうだい』
『これは!なんと素晴らしい事でしょう。私も精霊を代表してアリスティア様と共に戦います!』
『あ、ありがとう』
『私を召喚し、使役していただけますか?』
『明日、召喚の授業があるからその時はよろしくね』
『ありがとうございます、この栄誉は永久に忘れません』
「そ、そう?では、またね。応えてくれてありがとう」
『はい!ではまた』
通信を切り、時間を動かす。
その時、少し違和感を感じた。まさか、時間が止まってない人がいたとか?ありえないわね。
その疑問を振り払い、私は興奮しっぱなしの先生方を見る。魔法科には変わり者が多いとは聞いていたけれど、まさかここまでとはね。
落ち着くように軽く念じると、彼らは先程までの狂喜乱舞が嘘のように冷静になり、副学園長が私達の方へと来た。
「いやぁ、済まなかったね。私が生きている間にこの奇跡が見られるとはね。だが、このローブが現れたという事は、禍が生まれたという事でもあるんだよ」
「禍とはなんでしょうか?」
「うん、これから総出でその禍を探す事になる。後、君達は授業の後で特別な訓練を受けてもらう事になるから、覚悟しておいて」
「「「はい」」」
それで話は終わり、教室へと向かったのだけど、白・赤・水色のローブはとても目立つのよね。
気絶する人や拝む人まで出てきて、こちらが恐縮するくらいだったわ。
ところで、創造主が聖女になるのって大丈夫なの?
力が強すぎて、この2人の見せ場がなくなりそうなのだけど・・・。
そういえば、魔獣の王って・・・あれ?まさかね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる