見てるだけはもう終わり!~創造主は地上に降りる~

樹林

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第一章

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翌日から、私達は聖なる者としての訓練を受ける事になったのだけど、早朝に挨拶をするという事で訓練場に出向くと、その教官がまさかのお父様とアーネスト兄様とローレンス兄様。
宰相が何をしてるの!と言いたいけれど、目の前にいる家族達はうるうると涙ぐんでいて文句も言えないわ。

「アリスが聖女・・・なんて神々しいんだ」

「父上、あの金の刺繍を見ましたか?あれは最上級の証ですよ」

「僕達のアリスが精霊のように!」

「あの・・・恥ずかしいのでもうやめていただけませんか?授業もありますし、挨拶をしてしまいましょう?」

私の言葉に正気を取り戻したお父様達は、咳払いをしていつもの凛々しい姿に戻った。

いつ見てもこの変わり身は凄いわね・・・。

何とかお父様たちの挨拶が終わり、次は説明に入ったの。

「私はダイアクロスの宰相であり、各国と連携をとる機密組織の長でもある。知っての通り、我が国の王族は夢見がちでフワフワしている。魔法使いに対しても、花火を打ち上げる程度だと思っている節があってな・・・今の王太子は恋に恋しているし、第二王子はビビりのヘタレでどうしようもないから、臣下である我らが独自に動いているんだ。
私も魔法科に在籍していたのだが、前宰相に泣きつかれて大学は経済と法律を学んだ。このアーネストも同じ道を歩む事になる。だが、私達は戦う場所が違うだけで目的は同じくする同士だ。君達のご両親からもビシビシしごいてくれと言われたから、手加減は一切しない・・・アリス以外は」

お父様、最後の言葉で台無し!
途中、愚痴が入ってたのもアウトよ!

皆の目も「あーあ」という感じになっているし、私は何も言えないわ・・・。

「ゴホン、今日は休みを貰ってきたから、この後の召喚の授業を見学させてもらう。どんな精霊が召喚されるか楽しみだな。では、解散!」

その言葉で私達は教室へと向かったのだけど、廊下にズラッと生徒達が並んで拍手をするのよ。

「なぁ、これなんだ?」

「私に聞かないでくださいな」

「パレードのようだね・・・」

笑顔を崩さず、口を殆ど開けずに小声で話す私達は腹話術師も真っ青だと思うわ。
何とか教室に着くと、ここでもまた拍手。
別のクラスも含めた女子生徒達の半数は私の方を憎々しげに見ているけど、あなた方のローブの色が変色しないといいけど・・・と、思ってしまったわ。

このローブは持ち主が邪な考えを持ったり行動を起こすと、変色したり虫食いのように穴だらけになったりすると昨日説明があったの。

「きゃあ!私のローブが!」

「あっ、私のも!」

「嘘、私のは穴が・・・」

余程、過激な想像をしたのか何人かのローブの裾が変色したりアナが開いたりしたわ。ローブの換えはないから、もう魔法関係の仕事には就けないという事にもなるのよね。

前世で人を呪わば穴二つという言葉があったけど、この世界では魔法使いが人を呪えば穴だらけ、かしら。
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