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第一章
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そんな騒動もあったけれど、私達は今召喚をする為の祭壇の前に立っているの。
天辺に水晶が載ってる正三角形の像からちょうだいの手をした腕が伸びてるという、中々シュールな祭壇の前で召喚の祈りを捧げると、上手くいけば精霊が召喚されて契約をするの。最初は半数は失敗するそうで、年に一度受ける事ができるのよ。
だから、ここには2年生の先輩方もいらっしゃるの。
「あー、入学早々ローブに変化があった者達がいるが、そいつらは全員1ヶ月の停学。召喚の儀の資格は剥奪された。お前ら、本当に気をつけろよ?ローブを脱いで考えても変色するし穴だらけになるからな!頼むぞ!」
シトリン先生が必死に話をしているけど、闇魔法使いになって欲しくないのでしょうね。変色したローブを着ている魔法使いは蔑まれるから、悪に走る場合が多いのよ。
「でだな、今日はダイアクロスのコーラルバイン宰相、大学で魔法具と実践魔法を教えているコーラルバイン教授が見学する事になったから、失礼のないようにしろよ」
「コーラルバイン!?」という声が聞こえるけど、仕方ないわよね。
「想像通り、アリスティア・コーラルバインの父君と兄君だ。有名な娘好きとシスコンだから怒らせないようにな。ついでにダイアクロスでは魔力の発現率は10%未満だが、この家は兄妹全員が魔力持ちの上、魔力量のトップ5までをこいつらが占めてるからな。1位は誰だと思う?アリスティア・コーラルバインだ。ははははは」
笑い事ではない様子の女子生徒もいるけど、大体の生徒は父と兄と私を尊敬の眼差しで見つめているのに少し安堵したの。ダイアクロス国民は魔力を持たないと馬鹿にされる事もあるし、今年魔法科に入学したのも私だけだもの。
「という事でだな。アリスティア・コーラルバイン。お前が最初に召喚しろ。父と兄の前でカッコイイのを出してやれ」
「えええ・・・」
「アリスティア嬢、頑張って」
「アリス、行ってこい!」
その励ましはどうなの?とリオンを睨んでから前に進む。
精霊王が召喚されるのは決まっているから、周囲の反応がすごく怖い。
最上級の聖女で使役するのが精霊王だなんて、私はどこに行きたいの!って感じよね。
小さく溜息をついてから祭壇の前に立ち、水が流れるちょうだいの手に白い紙を浮かべる。
これに書かれているのは自分の氏名と祈りの言葉で、どんな魔法使いになりたいかを一言で書くの。
私は「正しい魔法使い」とだけ書いたわ。
紙が溶けたのを確認して、私は目を瞑り呼びかける。
『精霊王、あなたと契約する時が来たわ』
『待っていましたよ。さぁ、私に名をつけてください。本当の名ではない、あなたの為の名を』
『別の世界で、正義と公正の意味を持つルドベキアという花の名からルドでどうかしら』
『何と素晴らしい。とても気に入りました!』
その瞬間、祝福するかのような光と花が空から降り注いで私とルドに降り注いだの。
精霊達にお礼を言って祭壇を降りようと振り返ると、呆然とする人達が見えた。
もしかして、精霊達がやりすぎた?
天辺に水晶が載ってる正三角形の像からちょうだいの手をした腕が伸びてるという、中々シュールな祭壇の前で召喚の祈りを捧げると、上手くいけば精霊が召喚されて契約をするの。最初は半数は失敗するそうで、年に一度受ける事ができるのよ。
だから、ここには2年生の先輩方もいらっしゃるの。
「あー、入学早々ローブに変化があった者達がいるが、そいつらは全員1ヶ月の停学。召喚の儀の資格は剥奪された。お前ら、本当に気をつけろよ?ローブを脱いで考えても変色するし穴だらけになるからな!頼むぞ!」
シトリン先生が必死に話をしているけど、闇魔法使いになって欲しくないのでしょうね。変色したローブを着ている魔法使いは蔑まれるから、悪に走る場合が多いのよ。
「でだな、今日はダイアクロスのコーラルバイン宰相、大学で魔法具と実践魔法を教えているコーラルバイン教授が見学する事になったから、失礼のないようにしろよ」
「コーラルバイン!?」という声が聞こえるけど、仕方ないわよね。
「想像通り、アリスティア・コーラルバインの父君と兄君だ。有名な娘好きとシスコンだから怒らせないようにな。ついでにダイアクロスでは魔力の発現率は10%未満だが、この家は兄妹全員が魔力持ちの上、魔力量のトップ5までをこいつらが占めてるからな。1位は誰だと思う?アリスティア・コーラルバインだ。ははははは」
笑い事ではない様子の女子生徒もいるけど、大体の生徒は父と兄と私を尊敬の眼差しで見つめているのに少し安堵したの。ダイアクロス国民は魔力を持たないと馬鹿にされる事もあるし、今年魔法科に入学したのも私だけだもの。
「という事でだな。アリスティア・コーラルバイン。お前が最初に召喚しろ。父と兄の前でカッコイイのを出してやれ」
「えええ・・・」
「アリスティア嬢、頑張って」
「アリス、行ってこい!」
その励ましはどうなの?とリオンを睨んでから前に進む。
精霊王が召喚されるのは決まっているから、周囲の反応がすごく怖い。
最上級の聖女で使役するのが精霊王だなんて、私はどこに行きたいの!って感じよね。
小さく溜息をついてから祭壇の前に立ち、水が流れるちょうだいの手に白い紙を浮かべる。
これに書かれているのは自分の氏名と祈りの言葉で、どんな魔法使いになりたいかを一言で書くの。
私は「正しい魔法使い」とだけ書いたわ。
紙が溶けたのを確認して、私は目を瞑り呼びかける。
『精霊王、あなたと契約する時が来たわ』
『待っていましたよ。さぁ、私に名をつけてください。本当の名ではない、あなたの為の名を』
『別の世界で、正義と公正の意味を持つルドベキアという花の名からルドでどうかしら』
『何と素晴らしい。とても気に入りました!』
その瞬間、祝福するかのような光と花が空から降り注いで私とルドに降り注いだの。
精霊達にお礼を言って祭壇を降りようと振り返ると、呆然とする人達が見えた。
もしかして、精霊達がやりすぎた?
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