見てるだけはもう終わり!~創造主は地上に降りる~

樹林

文字の大きさ
60 / 63
第一章

59

しおりを挟む
「アリスティア・コーラルバイン。その方はあの方だよな?」

「精霊王のルドです。よろしくお願いします」

「だよなぁ。やっぱりお前は規格外だよ・・・」

ルドに普通の精霊サイズになってもらい、どよめきの中を通って自分の場所へと戻るとお父様達が寄って来てルドをマジマジと見つめてから私を人目につかない場所に連れて行き、2人も契約精霊を呼び出したの。

『おお、ウンディーネとシルフではないか。久しいな』

『精霊王様!』

『お久しぶりですわ!』

キラキラと色んなものを出して喜び合う精霊達に、私達もほっこりしながら見ていたの。

その時、またどよめきが聞こえてきた。

「私は向こうに戻るから、ルドはもう少し再会を懐かしんでいてね」

そう言って戻ると、リオンがサラマンダーと契約している最中で、リオンがこちらに戻る時にサラマンダーから『主様の役に立つ為に来た。この者も気に入ったしな』と言われたわ。

次のショーン殿下はフェンリル・・・彼とは仲良しなの。モフモフとかモフモフとかが気に入って来てもらった事もあるし、通信で話す事もある唯一の存在よ。
あ、フェニックスとも話をしていたわ。
生命の精霊だから、色々相談されたのよね。

『主、そなたが話をしてくれないからこちらから出向いたぞ。契約者も気に入った!婿にするならこやつがいいぞ。俺とも一緒にいられるしな』

『おい、フェンリル。ワシが我慢した言葉をお前が言うのか』

『早い者勝ちだ!』

『結びは主様が決める事。早い者勝ちなどではないわ』

『こんなところで喧嘩しないでちょうだい・・・』

『『すまん』』

2匹にメッ!としていると、両脇からクスクスと笑い声が聞こえて来て、聖獣達の契約者の事を思い出した。

しまったわ、精霊や聖獣と話せる事がバレたかしら。

「アリスは聖獣にもすぐに懐かれるんだな」

「契約者じゃないのに、話している事が分かっているようだね」

バレたわけではないと分かり、ホッと胸を撫で下ろして2人に微笑んだ。

「とても可愛らしいからつい・・・」

『あなた達、主様は禁止ね。私の事はアリスティアと呼んでちょうだい』

『分かった』

『御意』

何とか召喚の時間を乗り切り、再会を堪能したルドも機嫌よく戻って来て私達は教室へと戻った。

お父様とローレンス兄様は教室までついてこようとしたけれど、いつもの口調で話したら諦めたわ。

どうしてこんなに過保護なのかしら。

前回はあんなに酷い目にあったのに、今回は最初から愛されていて少し照れくさくなる。

もし、あの時パパが呼び寄せてくれなかったら、私は人間を嫌いになっていたかもしれないわね。

そうなれば、私はどうしていたのかしら・・・そんな事を考えていたせいで授業に身が入らなかったわ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】

藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。 そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。 記憶を抱えたまま、幼い頃に――。 どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、 結末は変わらない。 何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。 それでも私は今日も微笑む。 過去を知るのは、私だけ。 もう一度、大切な人たちと過ごすために。 もう一度、恋をするために。 「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」 十一度目の人生。 これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。

悪役令嬢のビフォーアフター

すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。 腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ! とりあえずダイエットしなきゃ! そんな中、 あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・ そんな私に新たに出会いが!! 婚約者さん何気に嫉妬してない?

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...