見てるだけはもう終わり！～創造主は地上に降りる～

第二章

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あれから1年、私達は2年生になり本格的にゲームが始まった。

タバサは第二王子に狙いを定め(リオンとショーンには会えない、お花畑はニーナに夢中だから)、今では2人で普通科の中庭を散歩したりしているそう。
問題はニーナの方で、お花畑だけではなくマクシミリアンにも話しかけているし、リオンとショーンの事も諦めてはいない。

そして今日から、2年生の旅行という名のサバイバル合宿へと旅立つわけだけど・・・。

「あのっ、リオン殿下、ショーン殿下。向こうで一緒に・・・」

「アリスティア、予定だと魔法科は別でする事があるそうだね」

「先輩が内緒だって教えてくれないんだよなー、アリスは何か知ってるか？」

「あのぉ・・・私の話を聞いてください」

「君達、失礼じゃないか？ニーナが親切に話しかけているというのに」

「お、集合時間だぜ。早く行こう」

「そうだね、遅れたくないしね」

彼らに一瞥すらせずに、2人は私のも腕を掴んで走り出す。その様子を見ている生徒達はクスクスと笑い超えを漏らしてお花畑に睨まれているわ。

ニーナは私にいじめられていると言いふらしているけれど、魔法科と普通科が会うのは寮だけの上に、私は最上階だから転移陣で上がるし階段には警備が立っているから顔を見られるのよね。
もちろん、魔法で嫌がらせをしてるとも言っているけれど、魔法科棟以外は魔法を使えないよう措置がとられているから無理というわけで、ニーナはすっかり嘘つき扱いされていると友人達が教えてくれたわ。

今回のサバイバル合宿は(もう旅行とは言わないわ)、前半は合同、後半は普通科、魔法科に別れるのだけど、前半2日、後半8日はおかしいと思う。

「アリス、また睨まれてるわよ」

「タバサ嬢が大人しくなったかと思えば、次はニーナ嬢だからね。2日とはいえ気をつけるんだよ」

アンナとマクシミリアンに優しく言ってもらって、思わず嬉しくなったわ。

この2人は、入学して半年経った頃にカップルになっているのだけど、その理由がお互いの性格が好きなのと「こんな女性(男性)になりたい」という理想の顔と体をしているからというもので、あまりにも不憫だからそういう魔法があると言って、慣らしで魂の入れ替えをしているの。

アンナの魂が男性だという事にもっと早く気付いていればと思う時もあるけれど、私が魔法科に入る前に魂の入れ替えができるのはおかしいし、2人が思いあっているから完全に入れ替えができているのかもしれない(そんな事はないわ)結果オーライというやつね。

この旅行から、2人の魂を入れ替えたままにするのだけど、今のところはプリシラやローナ達がにも気づかれていないのは、アンナが普段から女性の言葉を使う努力をしていたからね。

問題は、寮でアンナと同室なのがプリシラという事だけ。

アンナがヤキモチを妬くなんて意外だわ。