もふもふは魔王城から逃げられない

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新居

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起きたら、フワッフワのベッドの上に、さっきの男の人と一緒に…寝ている?

リスが飛び起きると、男の人も眠そうに目を擦りながら起きてきた。

リスは自分の状態に気がついた。

「ちょっとー、何してるんですかー!」
男の人は、リスの尻尾を抱きしめて、ナデナデスリスリしている。

ゾゾゾッと全身に寒気が。


「いいだろう。少しくらい。」
何故かムッとして、尻尾を抱きしめる手に力が入る。
尻尾を離す気配はない。くっ、尻尾を人質に取るなんて!

「これ、食べるか?」
そう言って、これまた美味しそうな甘い匂いのお菓子をちらつかせる。
「もう騙されないですよ!」
ぷん、と顔を背けるリスの顔を無理やり向かせ、口にお菓子を突っ込む。

「うぅ、やめろー、……美味しい」
サクサクと音を立てて、食べる。
なくなる頃に、男の人が、口へあたらしいのを運んでくれるので、なくなるまで食べ続ける。

「あー、美味しかったー。」
にこにこして、満足していると、リスの首に何かがカチッと嵌められた。

「は?何これ。」
外そうとするも、外れない。

「首輪だ。」
「何で?」
「お前を飼うからだ。」
はあ?
「ここに入れ。お菓子を用意しているぞ。」
リスは、言われたまま、そこに入る。
カチッとまた音がする。

男の人は、ふふっと笑って
「お前がアホでよかった。今日からここがお前の家だ。」と、失礼なことを言った。


どうやら檻に入れられたらしい。
檻の中は広い。ふわふわのベッドもある。
あれ?なんか快適…かも…

お腹がいっぱいでウトウトしてしまう。
こんな状況で寝てしまうリスはある意味凄いやつであった。
男の人は苦笑し、また檻の外から、リスのもふもふを堪能した。

起きたら、たくさんお菓子をあげて、逃げるのを阻止しなければ。あたらしいお菓子を用意しよう。喜んでくれるだろう。

男の人は魔王であった。魔王城の中には、魔王と使用人しか住んでいない。

魔王は城の自分の部屋から、リスが甘い匂いに釣られてくるのをしっかりと見ていた。

魔王は小さな頃からお菓子が好きだったが、一緒に食べてくれる人がいなかった。いないなら、捕まえよう、と思ったのだが、アホのリス以外はこんなあからさまな罠に引っ掛からなかったのである。

すやすやと、眠るリスに危機感というものはなく、自分がそこにつけ込んだとはいえ、心配になる魔王であった。

「こいつは何も変わってないな。」
リスを魔王城から出す気はないにしろ、
何が危ないのかきちんと教えてやらなければ、と使命感に燃えたのだった。











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