婚約者がすぐにママになろうとしてくる

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サミュエル 10歳 ローラ 15歳

やっぱりお膝に乗る

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恥ずかしい……と言うか、そろそろ婚約者よりも、私の方が、体重だけなら重くなってきたと思うのだが、どうだろう。ローラは変わらず、私を膝の上に乗せたいみたいだけれど、ローラは女の子だから、遠慮してしまう。

それに、10歳にもなって、膝の上ってどうなの?けれど、昔からローラが楽しそうにしているものを、取り上げて嫌われたくない。

「ローラ、はい、あーん。」
「……あーん。」

以前と違うのは、一方的ではなくて、こちらからも同じようにすると、ローラが可愛くなることがわかったことだ。

今までされて恥ずかしかったことを、やり返したら、どれだけ恥ずかしいかわかるかな。

いや、そんなことより、ローラは近い内、学園に通う為、いつもみたいには会えなくなってしまう。ローラは可愛くて綺麗だから、やっぱり同じ年齢ぐらいが良いわ、とか言われたり思われたりしないかな。ローラはそんなこと言わないとは思うけど、同じ年頃の貴族が集まるんだから、心配。

ローラは、自覚がないかもしれないけれど、婚約してから何回かの視察で、わかったことは、ローラには隠しきれない美しさがあって、どんなに隠そうと地味にしても、間違いなく美人に見える。

いつもなら、私が睨みを効かせているが、チビだし、弟みたいに思われて話をしにくる輩もいるにはいた。まあ、視察の時は、護衛の殺気にやられて逃げて行ったが。

「ローラ、変な男に話しかけられても無視だよ。」

うぅ……膝の上で何言っても様にならないんだよな。

ちょっとだけ、いつもより踏み込んでみたくて、お膝から降りて、ローラの顔を包み込む。ローラは驚いていたけど、ほっぺにチュッとして、「おまじない。」と言うと、ローラが真っ赤になった。

「ローラ、気をつけて、行ってきてね。」
「サミュたん……どこでそんなの覚えてきたの。」

「本当は口にしたいけど、それはまた今度ね。」

「……う…至福…」

次に会う時には、膝に乗るのを卒業して、逆にローラを乗せてあげたい。それには、それそろ私の身長が伸びる必要があるんだが、どうだろう。

神様には散々お願いしたのに、まだ聞き入れては貰えない。早くローラをドキドキさせたいのに。

「あれ、ローラ、息してる?」
刺激が強すぎたようで、ローラが呼吸困難になっていた。

「大丈夫?息して。またキスしようか?」
慌てるローラは最高に可愛い。ああ、ローラを独り占めできたらいーのに。

前は恥ずかしくてできなかったんだけど、最近はローラの膝の上に乗る時に、たまに対面に乗るんだ。そしたらね、少し距離が近くなって、ローラの可愛い顔を堪能できるの。

ローラには知られたくない気持ちも、最近はある。

今の純粋さを装っている私をローラはどう思っているんだろう。
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