婚約者がすぐにママになろうとしてくる

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サミュエル 13歳 ローラ 18歳

ダンスの特訓

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私の身長が中々伸びないことで、支障があるとすれば、それはダンスだ。ようやく新しい家庭教師が増えて、ダンスのレッスンが始まったのに、まだ、ローラをリードすることも、できていない。ローラより背が随分伸びれば今後は少し様になるのかもしれないが、いつ背が伸びるかについては、個人差があるため、何とも言えない。

まさか、このまま小柄のままってことはあるだろうか。昨年、オリバーが来た時に、シークレットブーツなるものを、教えてもらったが、それで、ダンスをするのは、足がもげる、らしくお勧めはされなかった。

毎回、捻挫をするなんて嫌だし、そんな無様をローラの前で晒したくない。

ダンスは、男性のパートが肝らしい。中には下手な男性のフォローを女性がしている場合もあるのだろうが、今だって全てにおいてローラに頼りっぱなしだから、これ以上頼りたくないと言うか。

「サミュエル様になら、すぐにできるようになりますわ。」
ローラはそう言って励ましてくれる。だが、未だに一緒に踊れてはいない。完璧に踊れるようになってから、ローラに申し込みたい、そう伝えるとダンスの講師は、協力してくれると言った。

「サミュエル様、宜しければ次はこの女性と踊ってみましょう。」

講師の娘のモニカ嬢は小柄で、私よりも少しだけ背が小さい。

「パートナーの背が高くても、低くても、基本をマスターすれば、大丈夫です。サミュエル様はステップなどは完璧なのであとは、自信をつけるだけです。」

講師も、モニカ嬢にも、下心はない。勿論私にも。

講師の言うことは私の耳に優しいことばかりだったが、鵜呑みにせず、努力することで、更に高みを目指せるようになった。

モニカは、講師によく似てたくさん褒めてくれた。きっと、免疫のない男ならそれに絆されて、コロッと好きになっていたと思う。

けれど、私にはローラがいた。彼女がモニカに劣ることなど何もない。

ダンスの習得を調べるためのテストをしてもらう時、いつもならモニカに手伝って貰うのを、ローラに頼んだ。ローラはやはり美しく、私とは背が不釣り合いだったが、今までで一番楽しいダンスだった。

ローラは、私の上達を心から喜んでくれた。モニカや講師に散々褒められた後なのに、まるで初めて褒められたかのように、ドキドキした。

ローラのはじめてのダンスの相手は彼女の兄に取られてしまったが、私の初めては、ローラにあげるからね、と伝えると、むせていた。

「こ、光栄です。私でよければ。」
その日は、珍しくローラは失敗続きだったけれど、可愛いからいいか。

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