6 / 18
やり直し
「お嬢様、あの、あんたの婚約者様も、一応この計画に乗っている方なんだぜ。」
埒が明かない様子に痺れを切らして、遂に男はローガンの名前を出してみるが、プリシラは殺意をしまうことはない。
「あの男は、お嬢様があの女を殺したことだって既に知ってるし、何なら先を越されて悔しがっていた。」
プリシラが困った時に頼る相手として、自分が選ばれたことにも、鬱陶しすぎる嫉妬のような感情を露わにしていた。
また殺された女に関しても、プリシラの初めてを奪われた、とか気持ちの悪いことを言っていたような気がする。
バカップル同士、好きにしてくれれば良いが、それはこちらに害のない範囲でなければならない。
男は、伯爵家ひいては王家の意向で今死ぬわけにはいかず、場合によってはお嬢様を傷つけてでも、生き延びなければならなかった。
よってローガンの名前を出したのだが。
「あの女をローガン様が殺したがっていたと言うこと?」
「いや、そうではなくて……」
ローガンの気持ちの悪い思考について、男はほんの少しも共感できない。だから、誰かにそう聞かれてもうまく説明できない自信はあった。
どう答えようか考えあぐねていると、まさかの本人が現れた。ローガンは愛するプリシラが自分のことについて話す貴重な瞬間に、不純物が混じっていることに耐えられなくて姿を現したのだが、実のところ、彼女が彼を始末しようとした最初からずっとプリシラをストーカーしていたのだった。
「プリシラ、僕以外の男と二人きりなんて妬けるから今度からはしてはいけないよ。」
ローガンは常日頃から、プリシラを自分以外の男の目に触れないようにどこかに閉じ込めたい、と思っていた。
プリシラは、プリシラでローガン以外の男は男という認識すらしていない為、そう言われたところで、よくわからない、という現象に陥っている。
「安心してください。私はローガン様以外には価値のない女ですわ?」
男は矛先がこちらに来ないうちに逃げたいが、それが許されるかはわからない。二人にとって二人以外はゴミと同義なのだから、二人は二人だけで過ごしてくれればいいのに、と男は思っていた。
「彼女を殺したいなら次は僕と一緒にしようよ。前はプリシラだけで成し遂げてしまった訳でしょう?この一連が片付いたら、いくらでも彼女を殺せるんだから。君の罪の一部でも僕にも負担させて欲しいんだ。」
彼らの言っていることは全くわからないけれど、ローガンの意見に特に反対しなかったことから、男は延命が成功したことを知った。
埒が明かない様子に痺れを切らして、遂に男はローガンの名前を出してみるが、プリシラは殺意をしまうことはない。
「あの男は、お嬢様があの女を殺したことだって既に知ってるし、何なら先を越されて悔しがっていた。」
プリシラが困った時に頼る相手として、自分が選ばれたことにも、鬱陶しすぎる嫉妬のような感情を露わにしていた。
また殺された女に関しても、プリシラの初めてを奪われた、とか気持ちの悪いことを言っていたような気がする。
バカップル同士、好きにしてくれれば良いが、それはこちらに害のない範囲でなければならない。
男は、伯爵家ひいては王家の意向で今死ぬわけにはいかず、場合によってはお嬢様を傷つけてでも、生き延びなければならなかった。
よってローガンの名前を出したのだが。
「あの女をローガン様が殺したがっていたと言うこと?」
「いや、そうではなくて……」
ローガンの気持ちの悪い思考について、男はほんの少しも共感できない。だから、誰かにそう聞かれてもうまく説明できない自信はあった。
どう答えようか考えあぐねていると、まさかの本人が現れた。ローガンは愛するプリシラが自分のことについて話す貴重な瞬間に、不純物が混じっていることに耐えられなくて姿を現したのだが、実のところ、彼女が彼を始末しようとした最初からずっとプリシラをストーカーしていたのだった。
「プリシラ、僕以外の男と二人きりなんて妬けるから今度からはしてはいけないよ。」
ローガンは常日頃から、プリシラを自分以外の男の目に触れないようにどこかに閉じ込めたい、と思っていた。
プリシラは、プリシラでローガン以外の男は男という認識すらしていない為、そう言われたところで、よくわからない、という現象に陥っている。
「安心してください。私はローガン様以外には価値のない女ですわ?」
男は矛先がこちらに来ないうちに逃げたいが、それが許されるかはわからない。二人にとって二人以外はゴミと同義なのだから、二人は二人だけで過ごしてくれればいいのに、と男は思っていた。
「彼女を殺したいなら次は僕と一緒にしようよ。前はプリシラだけで成し遂げてしまった訳でしょう?この一連が片付いたら、いくらでも彼女を殺せるんだから。君の罪の一部でも僕にも負担させて欲しいんだ。」
彼らの言っていることは全くわからないけれど、ローガンの意見に特に反対しなかったことから、男は延命が成功したことを知った。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
必要とされなくても、私はここにいます
あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。
口出ししない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
ただ静かに、そこにいるだけ。
そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。
張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。
何かを勝ち取る物語ではない。
誰かを打ち負かす物語でもない。
それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。
これは、
声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、
何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
無愛想な婚約者の心の声を暴いてしまったら
雪嶺さとり
恋愛
「違うんだルーシャ!俺はルーシャのことを世界で一番愛しているんだ……っ!?」
「え?」
伯爵令嬢ルーシャの婚約者、ウィラードはいつも無愛想で無口だ。
しかしそんな彼に最近親しい令嬢がいるという。
その令嬢とウィラードは仲睦まじい様子で、ルーシャはウィラードが自分との婚約を解消したがっているのではないかと気がつく。
機会が無いので言い出せず、彼は困っているのだろう。
そこでルーシャは、友人の錬金術師ノーランに「本音を引き出せる薬」を用意してもらった。
しかし、それを使ったところ、なんだかウィラードの様子がおかしくて───────。
*他サイトでも公開しております。
出会ってはいけなかった恋
しゃーりん
恋愛
男爵令嬢ローリエは、学園の図書館で一人の男と話すようになった。
毎日、ほんの半時間。その時間をいつしか楽しみにしていた。
お互いの素性は話さず、その時だけの友人のような関係。
だが、彼の婚約者から彼の素性を聞かされ、自分と会ってはいけなかった人だと知った。
彼の先祖は罪を受けず、ローリエの男爵家は罪を受け続けているから。
幸せな結婚を選ぶことのできないローリエと決められた道を選ぶしかない男のお話です。
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み