私は聖女なんかじゃありません

mios

文字の大きさ
36 / 53
懺悔編

聖女の本気

しおりを挟む
対象者が乗る船がフォルシアに着いたようだ。精霊達が騒いでいるし、可愛い子が来たみたいで、ウキウキしているから、なるべくここからは私の力で守ってあげなくちゃ。

リサは、聖女として少しばかり、本気をみせるつもり。まあ、ビルが怒らなければ。せっかく隠れているのだからわざわざ自分のいる場所を教えて欲しくない、と思われているのは、わかる。けれど、いつもビルが助けてくれる。だから、安心して、暴走できる。感謝している。

報告によると、魔族らしきものも来てるらしい。あれ、どちらかしら。どちらにしろ聖魔法で済むのだったら良いか。
私は対魔族しかできないから、正直人間の相手はビルに全てお任せで申し訳ないのよね。ヴェルナー叔父様が来られるから関係ないかしら。あの新しい護衛も来るらしいし。その子も魔法が使えるみたいだから、魔法についてお喋りしたいわ。

薄く結界を張ったものの、少し異質の魔法と喧嘩しているみたい。あちらは叔父様の方ね。と言うことは新しい護衛の魔法と自分の魔法は若干相性が悪いと言うことだ。

聖魔法と対峙するのは、闇魔法かしら?闇魔法は、言葉だけ見ると悪い魔法みたいだけど、そんなことはない。少しだけ、性質が独特なだけだ。

普通の人ならいざ知らず、私は聖女だから、これぐらいはお手の物。闇魔法を聖魔法で、コーティングできたら、相手がとんでもなく強くてもやっつけられる。
それに、これだと、魔物にも人にも対処できるわ。彼を口説き倒して、私の護衛になってくれたら、最強の聖女になれるわ。まあ、叔父様を説得するのはほぼ不可能に近いわね。

あと、うちの従者を説得するのも大変だから、無理ね。どこかに闇魔法使える人はいないかしら。闇魔法は性質も独特だけど、人も選ぶのよね。練習して誰でもできる訳ではない。だって私も闇魔法は適性があったらしいのに、習得は出来なかったもの。司祭様に頼み込んだのだけど、難しかったわ。司祭様は、聖魔法と闇魔法のどちらも使えるわ。もしかしたら、聖教会が今ゴタゴタしているのは、司祭様の闇魔法を誤解した人が引き起こしているのではないかしら。あんなに素敵な司祭様にお仕えする人が暴走するなんて、理由は、それぐらいしか思いつかない。

闇魔法の成り立ちから勉強してらっしゃい。他の国はまだしも、ダールでは、闇魔法は禁じられてないし、呪われてもいないわ。聖魔法と同じ、神聖な魔法よ。

魔族と手を組むぐらいなら、全て滅ぼしてあげるわ。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

【完結】お飾り妃〜寵愛は聖女様のモノ〜

恋愛
今日、私はお飾りの妃となります。 ※実際の慣習等とは異なる場合があり、あくまでこの世界観での要素もございますので御了承ください。

【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?

恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。 しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。 追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。 フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。 ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。 記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。 一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた── ※小説家になろうにも投稿しています いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!

リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します

青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。 キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。 結界が消えた王国はいかに?

悪役令嬢の涙

拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。

婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました

日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。 だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。 もしかして、婚約破棄⁉

処理中です...