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懺悔編
優秀な犬
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白い犬は、飼い犬ではない。人間の姿にもなれる立派な聖獣だが、人間の姿が絶世の美男とかではなく、その辺にいそうな男性であることから、スパイとして他国に潜り込んでいる。
普段は、犬として生活し、街中では人間として紛れる。犬の姿なら、人はうっかりして内緒話でも話してしまう。人には言えない悩み事や、愚痴、好きな人に対する想いなど、たくさんの話を犬は知っている。
彼が聖獣だと気づくのは、極少数で、身近にはいない。気づかれたとしても、今のところ、命の危機に陥ったことはない。どうやら犬は、自分が割と強いタイプの聖獣だと気づいていた。
王弟殿下は、昔から聖獣を呼び寄せる能力が高かった。人間よりも犬が好きだった。元々コミュニケーション能力のある兄と違い、自分をさらけ出すことが、苦手で、いつもごまかすためにニコニコしていた。
持ってうまれた悪人顔のせいで、裏で何を考えているのかわからない、などと勘繰られることは日常茶飯事だった。
単に、緊張していただけだが。
人間との会話に疲れ、犬を触ったりしている時に、犬に話しかけられて、ようやく聖獣であったと気づく。その一連を何度となく繰り返し、自分の聖獣を呼び寄せる能力を見つけた。
王弟殿下がまだただの王子だった頃から、聖獣は近くにいて、その成長を見守っていた。
中にはその事実により、王太子を挿げ替えるべきだと言い出す人もいたが、丁重に辞退した。王になれば、聖獣とゆっくりするなんてできなくなるし、人間との会話も増えてくる。人間との会話に今のところ何の興味も義務もないのだから、王太子になる器ではない、と。
聖獣も、同じことを思っていて、王になることを反対していた。王は、兄こそふさわしい。
王弟となった王子は、自分を王に担ぎ上げようとした貴族を一掃した。兄の仕事の邪魔にならないように。
そして、聖獣と一緒に兄を支えることにした。各国にスパイとして、聖獣を派遣し、何かしらの動きがあれば、すぐに干渉して、火種を消してしまう。
それ以外は聖獣として、その国を守って貰う。
そうやって自国を守るために派遣した聖獣の白い犬をこの度、呼び戻した。
聖獣たちは大喜びで駆け寄り、王弟殿下の顔をペロペロ舐める。人間から物の見事に、犬に変身したかと思えば、膝の上にのり、一心に撫でられて、気持ち良さに眠りそうな聖獣の様子に、エミリアたちは唖然とした。
真っ白なふわふわの犬に触りたい。
さっきまで人間だった犬にとっても、可愛い女の子に触られるのは嬉しいが、隣りのアーリオの顔を見たら、そんな不穏なことは言えなくなった。
普段は、犬として生活し、街中では人間として紛れる。犬の姿なら、人はうっかりして内緒話でも話してしまう。人には言えない悩み事や、愚痴、好きな人に対する想いなど、たくさんの話を犬は知っている。
彼が聖獣だと気づくのは、極少数で、身近にはいない。気づかれたとしても、今のところ、命の危機に陥ったことはない。どうやら犬は、自分が割と強いタイプの聖獣だと気づいていた。
王弟殿下は、昔から聖獣を呼び寄せる能力が高かった。人間よりも犬が好きだった。元々コミュニケーション能力のある兄と違い、自分をさらけ出すことが、苦手で、いつもごまかすためにニコニコしていた。
持ってうまれた悪人顔のせいで、裏で何を考えているのかわからない、などと勘繰られることは日常茶飯事だった。
単に、緊張していただけだが。
人間との会話に疲れ、犬を触ったりしている時に、犬に話しかけられて、ようやく聖獣であったと気づく。その一連を何度となく繰り返し、自分の聖獣を呼び寄せる能力を見つけた。
王弟殿下がまだただの王子だった頃から、聖獣は近くにいて、その成長を見守っていた。
中にはその事実により、王太子を挿げ替えるべきだと言い出す人もいたが、丁重に辞退した。王になれば、聖獣とゆっくりするなんてできなくなるし、人間との会話も増えてくる。人間との会話に今のところ何の興味も義務もないのだから、王太子になる器ではない、と。
聖獣も、同じことを思っていて、王になることを反対していた。王は、兄こそふさわしい。
王弟となった王子は、自分を王に担ぎ上げようとした貴族を一掃した。兄の仕事の邪魔にならないように。
そして、聖獣と一緒に兄を支えることにした。各国にスパイとして、聖獣を派遣し、何かしらの動きがあれば、すぐに干渉して、火種を消してしまう。
それ以外は聖獣として、その国を守って貰う。
そうやって自国を守るために派遣した聖獣の白い犬をこの度、呼び戻した。
聖獣たちは大喜びで駆け寄り、王弟殿下の顔をペロペロ舐める。人間から物の見事に、犬に変身したかと思えば、膝の上にのり、一心に撫でられて、気持ち良さに眠りそうな聖獣の様子に、エミリアたちは唖然とした。
真っ白なふわふわの犬に触りたい。
さっきまで人間だった犬にとっても、可愛い女の子に触られるのは嬉しいが、隣りのアーリオの顔を見たら、そんな不穏なことは言えなくなった。
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